11年前の4月、僕はサイパン一人旅をした。
ご先祖様への慰霊の旅でもあった。
ハイビスカスの花が咲き誇る南の島サイパン。
成田から飛行機で約3時間の一番近い海外南国リゾート地。
日本人観光客も多い。
そして、お国の為に亡くなった、先祖の霊がこの島を包んでいる。
この岬が、スーサイドクリフ、自殺岬。
もちろん戦後つけた不気味な名前だ。
日本人は恥を嫌う文化だけど、欧米人は逆に過去の歴史をオープンにして、
後世に語り継ぐ。
パラオのぺリュリュー島にオレンジレンジと言う、・・・・
もとい、「オレンジビーチ」と言う戦後名前がついた
さんご礁の綺麗な浜辺がある。
激戦の島でアメリカ兵約3000人が死亡した島の戦地。
アメリカ兵の流血で、白浜がオレンジ色に染まったそうだ。
この島のこの戦いで日本兵約一万人が亡くなったそうだ。
この自殺岬の他にサイパンには、「バンザイ岬」がある。
太平洋戦争末期、逃げ場を失った旧日本兵や民間人など
約一万人あまりが、アメリカ兵の説得に応じず、
「天皇陛下万歳」と叫びながら飛び降りたことからついた
”バンザイ岬”がある。
でも、それは間違っていた。
現地、チョモロ人の説明だと、多くの日本人、若者が、
おかあさん ごめんなさい。
と家族の事を想い、この崖に身を投じていった。
無念でならぬ。
戦争の犠牲者であって殉職者ではない。
尊い命が虫けらのように・・・。
こんな馬鹿げた現実があるか! 戦争がいかに馬鹿げていて、
家族の絆を無視したものか、ブッシュやライスや安倍や石原も
思い出すんだ、ボケ!
開戦=生きる権利の放棄、なんだよ戦場の現実は!
「すべての武器を楽器に!」 喜納昌吉氏の名言
ただの南国マニアの一人旅のつもりのサイパン。
旅立つ前、親父が言った、
「じいちゃんの弟は、サイパンで戦死してるんだぞ!」と
成田空港の免税店で日本酒買って、梅干もこの慰霊碑に添えた。
ツアーで一緒の日本人観光の方たちが、
一緒にペットボトルの水を墓碑にかけたり、梅干を一緒に食べたり
想いは一緒だった。
「二度と繰り返してはならぬ。」
反町かっこいいね、軍服、凛々しいね、
なんて言ってる戦場の現場の悲惨さを知らずに、テレビや劇場で
見ただけで、平和に感謝だよね〜、なんて言ってる想像力のない
日本人のアホ見てると腹が立ってしょうがない。
一万人が飛び入り自殺した現場はきっと、
南国ゆえに死体の腐敗は早く、悪臭があたりをたちこめ、
南国の鳥たちの格好の餌になり群がり、
海に身を投じた者たちは、サメや魚の格好の餌だよ。
やはり落下した身体を打ちつけた崖の下の岩場は、真っ赤に染まったことだろう、
この国の国旗の象徴が如くに。
死の商人という、武器弾薬を作って生活、贅沢してる人が世界中にいる。
武器弾薬で性能がいいには、”メイドインジャパン”だそうだ。
「メリークリスマス、ミスターロレンス!」
デビットボーイ、坂本龍一、ビートたけし、かっこいい映画だった。
ただ、映画館では死体の悪臭がない。戦場の南国の暑さがない。
蚊がいない。ヘビがいない。オオトカゲがいない。水が自由に飲める。
トイレがある。
野ざらしにされた戦場の死体に、鳥たちが群がって、
最初に食べるのが、人間の目玉だそうだ。


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