生きにくい子ども達

2005/9/1  19:46 | 投稿者: 益子

 先日、日本小児精神神経学会に参加した。以前から尊敬している先生の講演やその後の自閉症児、被虐待児、ADHD(注意欠陥・多動性障害)児の研究の第一線の学者によるシンポジウムは大変に興味深いものだったが、その中身はあまりにも重く、こんなにも子ども達は生きにくく、つらい毎日を送っているのかと思うと、一人の教育者として、どうしようもない、いたたまれなさを感じ暗澹として帰ってきた。
 昨今は、教師のいうことを聞かないとても扱いにくい子、お友達とすぐにトラブルを起こす子、落ち着かない子、学習についていけない子など様々な問題を抱えている子ども達を医学的に見て「アスペルガー症候群」「ADHD」などという発達障害だと診断することが増えてきた。(どんな子どもか想像できない方は黒柳徹子の窓際のトットちゃんを思い浮かべていただくと良い。)そして、ある種の薬が処方され、その障害の特性を保護者や教師が理解し、適切な支援方法に変えていくと、子どもの様相は劇的に変化し、学校社会に適応していくことも多い。このように、今までは障害児と名づけ、特殊教育の対象者としてはこなかった子ども達のことを、一人ひとりの子どものニーズに応じた教育の実現と言う新しい考え方での「特別支援教育」の対象者とすることが始まっている。言葉で言い表すととても綺麗で理想的だが、その現実はなかなか一筋縄ではいかない。学校現場での制度運用面の問題や、教師の意識の変革や専門性の問題などは言い出せばきりがないが、この学会で聞いたことで言うならば、さっき述べた様々な問題を抱えている子どもはその問題ゆえに既に保護者から虐待を受けていることも多く、この場合、治療や支援は簡単ではないらしい。さらに、保護者の子ども時代も似たようなことがあり、同じように虐待を受けていたことが少なからずあるという。一人の子どもの心に着目し、生き生きとした人生を送って欲しいと願った時、その保護者の過去にまでさかのぼった心のケアが必要とされているのだ。日本の学校教育や医療はそんなにもきめ細やかに、子どもと子どもを取り巻く大人をケアしていけるのだろうか。
 アメリカでは最近は子どものうつ病が問題になっているらしい。学者さんたちは日本でも数年すると子どものうつ病が騒がれるだろうと言っていた
0



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ




AutoPage最新お知らせ