2016/1/20  16:35 | 投稿者: masuko

 面白い。

 「二」は嘉兵衛がいよいよ蝦夷地に進出。幕府の政策と絡んで定御雇船頭になり函館、択捉島等で活躍していく話。

 そういった筋よりも「一」同様、その時代の情勢についての話が多い。

 蝦夷地を幕府がどう扱っていたか、松前藩はどうであったか、さらにロシアはどう考えどう行動していたか。
 領土問題の始めともいえる。そもそもこの時代、「領土」とはなんであったか。どう考えていたかということについても相当なページをさいている。

 アイヌの人々との関係。アイヌの人々の暮らし方。人間の文明や文化が発展していくということは幸せにつながっているのか考えさせられる。嘉兵衛さんは蝦夷人が和人の暮らし方ができるようになることこそ幸せだと心底思い、そのために一生懸命に産業を発展させていく。

 関連した多くの人々の簡単な略歴からその思想についても触れていくから小説とはいえない資料集的な部分が多くなる。
 
 大黒屋光太夫や間宮林蔵のことも出てくる。大黒屋と嘉兵衛さんとの直接的な交流はないけれど、間宮林蔵は嘉兵衛さんの船に乗っている。このあたり、吉村昭の小説を思い出す。吉村昭だったら嘉兵衛さんのことをどう描いたかなあ。この時代の漂流ものをたくさん手がけていたから、司馬遼太郎が書いているいろいろな時代背景の知識は吉村さんだって十分持っていたはず。

 嘉兵衛さんを竹中直人のイメージで読んでいる自分がなんだかおかしい。

 「三」はいわゆるゴローニン事件だね。明日、図書館に行ってこよう。


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