2014/9/6  14:24 | 投稿者: masuko

 読んで良かった。学生の頃から「知りたいけれど知りたくない」みたいに封印してしまったことと向かい合うことができた。

 まだ、引っ越す前だよなあ。五木寛之の本に紹介されていたんだったかなあ?なんとなく気になって携帯のメモ機能にメモしてあった。その後、1、2回は書店で探したけれど、見つからず忘れていた。先日ふとメモ機能の内容を見てそうだ図書館ならあるだろうと検索。静岡中の図書館で一冊のみ所蔵。いつも私が利用している図書館に有り貸し出し中ではない。ということでさっそく図書館で探して借りる。

 2009年に発行されている。「1968」という題名の歌を登紀子さんが作って歌って、それに感銘を受けた大学生達が登紀子さんにインタビューする形で話は進んでいく。今の大学生さんと同じくらい1968年前後のことを知らない私には大学生の質問が「そうそう、そこを知りたいんだよ、同じ同じ」と嬉しくなる。その当時の登紀子さんの体験、登紀子さんが感じたこと、考えたことで話は進んでいくけれど、時折、いくつかの事件についてコラムで解説してくれる。
 60年安保と樺美智子
 長髪とGパン
 パリの5月革命
 ベトナム反戦運動
 東大紛争と全共闘運動
 神田カルチェラタン闘争
 全共闘から連合赤軍へ
 
 ・・・・・・等々の内容で

 そして夫、藤本敏夫(全学連のリーダー)との出逢いと結婚。歌手としての自分の歴史。夫の学生運動離脱と鴨川自然王国への流れなどが語られ、その時々の登紀子さんの思いが語られる。また、1968年がどんな風に今の社会に繋がっているかということについても言及する。

 最後に今の若者への期待や、現代的革命についても語る。
私が起こしたい革命はセックス革命です。つまり自由。最初に恋を感じる十代にどんどんセックスをしなさい。どんどん子どもを作りなさい。結婚なんて気にしないでいい。子育ては社会が全部やる。
 そんなことを「過激だ!!」と笑いながら言っている。でも結婚は遅くなっているし、不妊症は多いし、男性は草食系だし、環境ホルモンの関係かなんか知らないけれど確実に精子は減っているし・・・この革命は人(日本人)が地球上で生きて行くためには必要かも。
 
 たくさんの心に残る文章があった。

藤本さんが学生運動から離れた頃の話題で
 環境問題が深刻になっている。自然と人間の関係のバランスを取り戻さない限り、人間の未来はない。地球に土下座をしても俺はゼロからやり直す。

 じつは68年はそんなに大それたことじゃなくて、確かに子供っぽい運動でもあったと思うんですよ。でも、その子供っぽさとかアマチュアリズムのなかに真実もあったと思うんです。人間というのは、もともと子どもみないなことに本当の部分があるんですよ。それを国家とか国益とか言って、それをひとりひとりの人間よりも優先したがる社会の形があって、どちらかというとそういうことに男の人が夢中になる。そういう人には立ち止まって考えてほしい。国家や国益よりも前に、人間が居たんじゃありませんか、とね。

 皆、69年以降のことを見て、68年のことを語ろうとするんですよ。内ゲバがあったりとかよど号があったりとか。だけど、それは残念だけれど68年が崩壊して、残骸の上にたった69年なんです。結局、歴史に残るのは残骸だけ。残骸の前に建っていた建物は皆の記憶の中にしか残らず、証拠がない。残骸は残って語り継がれるけれども、夢のような部分は残らない!そこが凄く悔しいなと思いますね。壊されていった結果を見て、あいつらがあんなことやったから、どうしようもない、と後の人たちは思ってしまう。
 
 このあたりの登紀子さんの思いは巻末の上野千鶴子さんとの対談で68年を美化し過ぎると反論されている。

 でも登紀子さんの気持ちは解る。デモに参加した多くの学生達は純粋に「平和な世の中になってほしい」って思っていて、別に革命なんて考えていない、暴れようとも思っていなかった。でも力で押さえつける、阻止するっていう体制側のやりように反発し、また集団が大きくなって歯止めが効かなくなっていって・・・で、とっても子どもっぽい「反戦」とか「平和」とかいう祈るような思いが形を変えていっちゃった・・・そういう登紀子さんの分析は凄く納得いくよ。多くの学生の気持ちを代弁しているんじゃないかな。

 上野さんが、なぜ結婚したのか、それは男に従属することだ、とか、なぜ浅川マキみたいな客層だけに向かわず、大衆向けの歌を歌ったのかという突っ込みに対する登紀子さんの答え方はとっても共感できる。お登紀さんならではという感じがする。

 前から好きで気になる存在である登紀子さんだけれど、だからって彼女の歌を聴くわけでもなかった。もう少し積極的に「気になる人」として私の中に存在することになりそうだ。

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新人賞をとって「赤い風船」

次にヒットした「ひとり寝の子守歌」

これ好きだよ「時には昔の話を」

これもいな「百万本のバラ
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