2013/12/5  9:25 | 投稿者: masuko

 昨日、たまった本をBOOKOFFに持って行った。待たされている間に棚をみていたら、銀次の続編をみつけた。続編が出ていることは知っていたけれど「泣きの銀次」を購入するときにその書店にはなかったので、金額も安いしシメシメと購入。古本屋の100円コーナーだと、かなり黄ばんでいて汚い感じのもあるけれど、これは350円したんでさすがにきれい。
 宇江佐さんは初め続編を書く予定があったのかなあ。10年後に書いているとのこと。お話の方も10年後から始まっている。銀次は岡っ引きを辞めてもともとの家業だった小間物屋をしている。使用人も使っている大きな店だったのに二度の火事で焼け出され、女房と4人の子どもを食べさせるのにカツカツの小さなお店になってしまっている。話は拐かされた娘をたまたま銀次が助けることから始まる。その下手人を捕まえるために銀次は岡っ引きに。10年経って大人になったというか中年のおじさんになった感じがよく表されている。前作は結婚寸前までの話だったから4人も可愛い子供ができて、さらに商売の方も困難が続いていけば、人はずいぶんと変わっていくだろう。練れもするだろうし、無茶をしなくもなる。死人を見た時でだけでなく、温かい人情に触れても泣く涙もろい銀次だ。でも一筋の変わらぬ信念がある。相変わらずかっこいい。
 下手人はなかなか捕まらない。心を病んでいる。幼いころの養母からの虐待がそのおそろしい性癖を生み出してしまったらしい。
 銀次とは反対に商売を大きくして傲慢になってしまう昔の相棒〈下っ端)の政吉。解説者は勝ち組と負け組というような言葉で政吉との出来事を解説している。
 家族の中に起きる暗くて辛いできごと、商売をしていく上で自分ではどうすることもできないような世の移り変わりからくる浮き沈み、いろいろなエピソードを積み重ねながらお話の最後にようやく下手人はお縄になり処刑されるが、けしてハッピーエンドではない。社会が世の中が変わらなければ同じような犯罪は繰り返されていく。
 人と人との間に流れる温かなものと「世の中」の中に流れるやるせなさとが、ひたひたとずっとずっと読み手に流れてくる。
 さて、続編がもう一冊でているようだ!!

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