世界里山紀行 『フィンランド 森とともに生きる』  TVラジオ番組情報

ハイビジョン特集
 世界里山紀行 『フィンランド 森とともに生きる』(再)
 2010年9月29日(水) 10:00〜11:30
 NHKハイビジョン
“森と湖の国”と呼ばれるフィンランド。大地の7割が森に覆われ、1割が湖となっている。森ではヘラジカやフクロウなどさまざまな動物が暮らしているが、実はその多くは人間の手の入った森だ。人々は果実やキノコなど森からの多くの恵みを生き物たちと分かち合っている。白夜の夏と暗黒の冬…。
北極圏に近い「里山」の人々と生き物たちとの交流を、詩情豊かに描く。

  


 DVD:NHKスペシャル 『世界里山紀行・フィンランド 森・妖精との対話』(地上波版で50分のオンエア時のタイトル)の原書となった、『フィンランド・森の精霊と旅をする』 も出ています。
 本書は、フィンランドで「もっとも美しい本」賞に輝いた本の日本語版。
 全体的に幻想的な雰囲気が漂っていて、力強さや女性らしい視点(2人の女性カメラマンが撮影)も感じますが、精神世界を具現化した美しく豊かな作品だと思います。フィンランドの神話や伝承と言えばカレヴァラが有名ですが、それとはまた違った精神世界なのでしょう。

 本書でもNHKの番組でも、森との対峙、そして熊を崇めることに惹かれました。
 アラスカやカナダのネイティヴ達も熊を神として崇拝・畏怖しますが、森の生態系の中では頂点に立つ生物なので、当然と言えるかも知れません。
 本書を拝読してみると、とても似通った祀り方や考え方が多く、(当然ながら違った見方をしている点などもありますが)同じような自然環境下で生活している人たちの精神世界は自ずと似てくるのか?と、興味深かったです。
 トーテムポールも樹木に別な新たな生命を吹き込んで祀る象徴ですが、それは生者と死者との世界を隔てる結界のように使われることもあったり、記念碑としてや墓標として使われることもあるのだとか。

 「必要なものは 全てそこにある」

 一番身近で、でも畏怖と尊敬の念を抱く森の樹木に命を刻むというやり方は、表現系はちょっと違いますが、心の拠り所としての意味合いは同じなのかも知れません。
 
 カルシッコのミルマさんは、今はもうこの世にはおられないのですね。
 ご自身の名を刻まれた木のあたりにいらっしゃるような気もするのですが、それは許されないということですか…。
 南東アラスカのネイティヴならば、その人を祀った木にその人の魂が宿るので、逢いたかったらそこへ行き、対話するそうです。
 しかし、フィンランドの場合は、キリスト教の影響もあるのかも知れません。
 魂は主の下に召され、永遠の安息を得ているということなのでしょう。

 フィンランド人とは切っても切れない森の存在と精神性。
 本番組と本書、お勧めです。
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