実はこの数日、ちょっと落ち込んでいました。
子どもたちの夏休みが終わってぽっかりとして以来、「これから何しよう…」と。
もちろん、レッスンピアニストを目指して、という目標はあるのだけど、今ひとつ明確ではないし、そこへたどり着く道筋も、たどり着いたあとの展開もまだぼやけている。もちろん今までの人生のほとんどを一緒に歩んできたピアノ、そして大好きなバレエとという絶好のコンビネーションで、しかもアカンパニスト(伴奏者)としてピアノと関わるのは望むところだ。
何よりもバレエのレッスン場でダンサーたちと同じ場を共有できて、バレエの世界に接していられること、その喜びはきっと何にも代え難いだろう。
そう思う反面、現実的に、それは私のこれからの人生を支える柱に成りうるか?と考えてみる。どうだろう。名のあるバレエ団の専属ピアニストならいざ知らず、現在のところ低迷中のスクールで一日に何時間か弾かせてもらったところでそれはいつまでたってもやっぱり半人前な気がする。
そんな迷いがあってここ数日、レッスンにも熱が入らず、ただ時間をこなすだけになっていました。
そこへ昨日、思わぬ話が持ち込まれ…。地元の語学スクールで日本語の教師を募集しているという。知人が私のことを話してくれており、レジュメ(履歴書)を送ればすぐにでも会ってくれる状況らしい。普通、レジュメというのは「まず、会ってもらう」ための第一関門だから、「送りさえすれば会ってくれる」というのは喜ぶべき事。
でもどうしよう。
ピアノと日本語、考えてみれば物心付いてからこの二つ以外に得意な物がなかった私であった。身の回りの小さな井戸の中で、小さなカエルだった私はいつも自分のピアノと日本語を身の拠り所として育ってきたのだ。
他にもできることがあるのだと信じたくて、なんとかそれを示そうとして、思えば数限りない失敗をやらかしてきた。試してみたどれもこれもが怖ろしく自分には向いていなかった中で、ピアノと日本語だけはやっぱり最後の砦だった。
それだけに、やってみてこの二つがダメとなったらもう後がない。恐いのです。時期尚早という気もするし。
悶々と考えながら、たまたま友人と会った。これから遠く離れた町へ家族を置いて勉強のために引っ越していく友人。私のこの町での数少ない友人の一人。
彼女は私が今まで知り合った中で最も強く、美しい人。自分一人の力で、自分と家族の人生をここまで切り開いてきた。慣れない国、慣れない言葉の中で闘ってきたのは私も同じだけれど、彼女は幼い息子の死にさえ直面した。
そこから立ち直ってきた彼女。そして、いつか神様が自分を息子の元へ連れて行ってくれる日までは、自分が何のために生かされているのかを探し続けると言う彼女。それを支える家族。今は決して豊かな暮らしをしてはいない彼らの芯の強さを今日は目の当たりにした。自分の目標に向けてまっすぐに突き進んでいく彼女と話をして、自分の甘さにちょっと嫌気がさした。
私よりもいくつも若いけれど百倍も強い彼女は「両方やってみればいい」と言い、「あなたにはできることも、なのにあなたが自信を持っていないのも私は知っている」と言い、いくつかのサジェスチョンをくれた。具体的な指針までも。もう言い訳はしていられない。ビザや病気をエクスキューズにして逃げるのは止めなくちゃ。
一歩を踏み出すのは正直すごーくコワイけれど、次に彼女に会うときに感謝を伝えられるように、とりあえず踏み出してみようか。英文レジュメ…まずはそこからだ。
キミたちも応援してくれるかなあ。
やってみればぁ?
ランキングでポチッと応援、お願いします!→どらどら♪

0