トウシューズは母親の煩悩です。…ってことは昔記事に書きましたが、娘にバレエを習わせる母親のみならず、大人になってバレエを始める生徒たちにとっても煩悩なんですよね。
私は正直に言ってもう10年以上バレエを習っているのですが、一向に
上達しません。トウシューズの練習もすっかり
凍結中です。
いや、その前にレッスンそのものが凍結中な今日この頃なんだけど…(^^;)
数年前の大人のバレエブーム以来、大人になってバレエを始めた人でも
トウシューズを履くことが可能である、ということが知れ渡ってきたものですが、だからといって誰もが
簡単に履きこなせるということではないんですよね。だって子どもの頃からずっと続けてきてさえもそのレベルに達しない子だってたくさんいるんですから。
大人からバレエを始める人をたくさん見てきて、確かに履きこなしている人もいることを知っています。でも実際、履けないのに無理矢理履いている人もたくさんいる。やっぱり危ないし、何よりも美しくありません。
バレエシューズでできないことがトウシューズでできるわけがない。という当たり前のことに気づいて以来、とりあえずトウシューズの
煩悩は消え去りました。バレエシューズでぐらりともせずにピルエットが回れるようになるまで、あんな不安定で踊りにくくて、難しいトウシューズは保留かなと私は思っています。…ということはたぶん私には永久にトウシューズを履ける日は来ないでしょう。
だからこそ、興味が湧くんですよね(笑)。というわけで、比較的トウシューズには詳しかったりする私です(笑)。
ところで。映画「センターステージ」をごらんになったことがある方は、主人公の通う名門バレエスクールでダンサーたちがそれぞれのやり方で、トウシューズを
叩いたり、曲げたり、ドアにはさんでつぶしたり、水をかけたり、むしったり(!)、炙ったり(!)しているのを印象的な場面として覚えていらっしゃるかたも多いんじゃないでしょうか。
…と言ってもバレエ関係者以外でこの映画を見た人自体が一体どれくらいいるのか…(笑)
トウシューズというものは一足一足手作りではあるものの結局は規格品。もちろん何十種類ものメーカー、ブランド、種類の中から注文まで付けて選ぶのですが、最終的にはダンサー一人ひとりが各自の足に合わせて踊りやすいように加工するしかないのです。
中でも一般的に多くのダンサーがする作業がこれ。
滑りやすいプラットフォーム(トウで立つ部分=別名ブタの鼻)の部分からサテンを剥がします。
まずカッターでガリガリとひっかいて表面の布の裏側に隙間を作り…

ハサミでちょきちょき切ってべりべりと剥がします。

糸がほつれてこないように切り口をライターの炎で炙って

このように。
ここから先は企業ヒミツ(笑)?。
普通、各自足の形に合わせて立ちやすいように底を曲げたり(曲げすぎると折れたり、耐久性が悪くなったりするので要注意)ゴムやリボンを付けたり、つま先を刺繍糸でかがる人もいます。
それから、大切なのが内側にノリのようなものを流し込んでよく乾かすこと。トウシューズはとにかく高価な消耗品。こうして少しでも長持ちさせるんですね。
ああ、それでも家計を圧迫し続けるトウシューズ。別の意味での煩悩です。
総合ランキング今日は何位かなぁ?あーあ、総合どころかカテゴリーでも…(涙)→どらどら♪

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