ういんちるさんの
chicago きっちん 「【焼き豚】 お買い物の不思議」の記事にトラックバックです。「いいかげん」「てきとう」なのはスーパーマーケットのレジだけじゃないんだな〜。
あの恐ろしい
オットの怪我←痛い話が大丈夫な方は読んでみてください。 から、来月で丸3年になります。
今日は、こちら育ちで日米バイリンガルの友人Mさんのお家へ助けてもらいに行ってきました。実はオットの怪我の
治療費の事後処理が
まだ終わっていないんです。
3年ですよ。
もちろん、これは普通ではありません。でも極めて異常というほどのケースでもないらしいです。
事は私の無知から起きたのでした。
教訓1:海外では請求書が来たからといって無闇に支払ってはいけない。
外国に住んだことがある方はご存じだと思いますが、病院やお医者さんへかかったときの費用は日本の健康保険のようにその場で負担額がハッキリとわかり、3割なら3割支払っておしまい!というものではなく、その場では何も支払わずに帰って後から請求書が送られてくることが多いのです。
何事もなくシンプルな診察だけならCo-payと言って、自分の入っている医療保険に応じて所定の固定金額(5〜20ドルくらい?)をその場で支払って終わりのこともあります。でも、手術などのおおごとになると、まずERから請求書、手術部から請求書、麻酔科から請求書、救急車の請求書…というふうに五月雨式にぽつぽつぽつぽつと送られてきます。だから後から来た請求書の金額にびっくり!というのも実は結構良くあることなのだそうです。
そこまでは私も知っていました。だから麻酔科から5万円超の請求書が来たときに、すぐ小切手を切って送ったのです。
それが間違いだった。
気付いたのはESLのクラスで医療保険について勉強したときです。医療費の請求を受けたら「払う前に
本当にそれを自分で負担する必要があるのかどうかをよく
確認すること」先生はそう言いました。医療の内容は保険の契約によって保険でカバーされたりされなかったりするので、本来は病院から保険会社に行くはずの請求書が
間違って患者に送られることもある。だから患者は自分保険内容をよく確認して間違っていることに気付いたら「これはカバーされるはずじゃないか!」と病院あるいは保険会社にに申し立てをしなくてはならない。これって、日本だったらまず考えられないことですよね。
まさか病院が保険会社に請求すべき費用を間違えて患者に請求するなんてことがあろうとは! まだこちらに来て間もなく、英語がよく理解できず、知り合いも多くなかった私には思いも寄らないことでした。(ようやく友人が出来はじめたのは言葉がわかるようになってきたこの1年くらいです)
とにかく私は病院から請求書が来たので素直に支払ってしまいました。そしてESLのその授業のあと、よく契約書を確かめてみると手術の麻酔は我が家の保険ではちゃんとカバーされることになっていました。なのに払っちゃった!
言葉が不自由ってこういうことです。
時々、「外国で暮らすのに言葉は必要ない」というようなことを言う人もいますが、私はそれは
絶対に違うと思います。もし本当に言葉がわからなかったらこういう時どうするんでしょう?ちょっと意思の疎通ができる程度の語学力ではその国で自力で暮らすのは無理です。
さあどうする?
「間違えて払っちゃいました、返してください」
で済むと思いますか?
済むはずなんです。本来は。
ところが。
その手続きが一向に進まない。
3年前の5月に事故が起きて手術を受け、7月に請求が来て、支払いをした。授業でその話題が出て慌てて確認を取ったのがその年の秋。
病院側から見れば、患者がお金を払ったのだから、改めて保険会社に請求する必要もなく、コトは既に終わっているわけです。
もうこの5万円超は授業料として諦めるしかないのかと思いました。ところがまわりの誰に訊いても「取り戻さなくちゃ!」と言う。
そういう間違いは日常的に起こっているそうです。だから「少しもためらう必要なないわ、電話しなさい!」と背中を押されてトライすること数回…ダメだ、こんな複雑なこと、とても手に負えません。
そして友人のMさんに私の代わりに電話をかけてもらうことになったのです。私が電話口に同席し、私が「言葉が不自由なので友人のMさんに代わりに話してもらいます」と直接言わないと契約者の個人情報に関わる話は受け付けてもらえません。そして彼女が私の代わりに経緯をすっかり話してくれました。やっぱり、「ちょっと英語がわかる」程度の私が話すのとは
伝わる情報量が全然違うのがわかります。
確認のために数分間待たされましたが、「わかりました。それでは3−4週間のうちにあなたのところへ返金のチェック(小切手)が送られます」ということになり、
一件落着…と思われたのが
2年くらい前のことでした。
待つこと4週間、2ヶ月、3ヶ月…半年。事件から1年半過ぎた頃、私はMさんに「まだ来ないんだけど…」と言いました。Mさんは「あらあら、じゃあもう一度プッシュしてみましょう。」とまた電話、同じ話をイチからやり直し。そして「では3−4週間のうちに…」と。
(以下リピート)
毎回毎回パターンはほとんど同じです。でもMさんも驚きませんし、電話の相手も毎回違う人ながら、自分の会社の再三に渡るミスを聞いても「ふんふん、わかりました。なるほど。じゃあ小切手で返金するわー」という感じです。今日なんか「あんまり古い話だからもう情報がアーカイブに入っちゃってなかなか出てこないわー、あはは」と言われました。古い話にしちゃったのは
あなたたちでしょってば。
でもここ数回はさすがに待っていられない、ということで1ヶ月おきくらいにプッシュをかけているわけです。 その都度、病院から保険会社へ送られるはずの診断書が届かなかった、とか2002年のケースなのに間違って2003年にファイルされていたから見つからなかったとか、オットの怪我なのに私の名前でファイルされていたから見つからなかったとか、まるで
ミスのバケツリレーのようにミスが連鎖していて、まったく何がどうなっているのかわかりません。今日、Mさんと話していて思ったのですが、この国(というかたぶん日本以外のほとんどの国)ではこういうミスはごく当たり前のようなのです。呆れる私にMさんは、「でも日本でもこういうことはあるでしょう?」と聞いてきました。
ないですよね?たまーにはあるかもしれないけれど、あったら大騒ぎですよね。だって金融機関なんか1円合わなかったら何時間でも残業ですよ。残業どころか弁償ですよ。クーポンを使ったらきちんとそのクーポンを綴じて集計して提出するような国民性ですよ。レジで受け取ったクーポンがその場でゴミ箱行きの国とは違うんです。
そう言うと、Mさんは「人間なんだからミスがあって当然だし」と悠然としています。「だから何度もプッシュするの。お互いにミスはしちゃうから相手のミスにも寛容になる」と。そうだよねぇ。しみじみ。
教訓2:失敗しても落ち込んだり諦めたりしてはいけない。ひたすら明るく根気良く、押して押して押しまくれ。
私も
ものすごくかなりミスの多いうっかり人間なので実は日本ではずいぶん辛い思いをしてきました(爆)。こっちで育っていたらますますぐーたらになっていたかもしれないけど人生もっと楽だったんじゃないかなぁと思います。
そんなこんなで3年が過ぎました。
さて?我が家の5万円が戻ってくる日は来るんでしょうか?
ランキングでポチッと応援、お願いします!→どらどら♪

0