今更ながら
大草原の小さな家を
日本語で読んでみました。
いや、昔読んだことはあると思うんですがすっかり細部を忘れていまして。
面白いですねっ!
昔の人たちはなんて逞しかったんでしょう。この一家はほとんど貨幣経済と無縁で、野生の動物を撃ったり罠で掴まえたりして肉を食べ、その毛皮を干してなめして、町へ売りに行って必要なものと交換するのです。塩やトウモロコシの粉、そして砂糖は貴重品です。描写される新天地を求めて西へ。湖や川を渡る馬車での厳しい旅。自分で作る家、かんぬきの仕組み、ローラたちのお母さんがキャンプしながら作る粗末なトウモロコシのパンや糖蜜のごちそう…。そして子どもたちへの厳しく、正しい躾。
「ローラがちょっとわがままを言ったときに母さんが少しいつもよりも大きな声で「ローラ」と言ったらそれ以上はもう何も言ってはいけない」んですよ!まあ
「それでもまだお腹の中ではローラは悪い子だった」と続くんでちょっとはホッとするんですが。
父さんは一人で狩りに行き、丸太を切って馬車に積み、戻ってくると地面に溝を作り、丸太を埋め込み、削って積み上げて家を作ります。壁を作り、屋根を張り、石と粘土で暖炉や煙突を作ります。床を張るために丸太を縦に割り、外側の丸みに合わせて溝を掘って平らな面を上に敷き詰め、隣同士がぴったり合わさるように両端をまっすぐに削る描写なんかその光景が
目に浮かぶようでした。
子どもたちはおもちゃの一つも持っていませんが、クリスマスに隣人がサンタから預かり、苦労して届けてくれたプレゼントに感極まって声も出ないほどの喜びを感じます。
この本には開拓時代に生きるアメリカ人たちの叡智が
ぎっしり詰まっています。子どもの頃はどうしてこれを退屈な話だなどと思ったんでしょう。面白かった!今度は続きを原書で読んでみようっと。
それにしてもこの頃アメリカ人は強かった。生きる力に溢れていました。ネイティブ・アメリカン(インディアン、とこの本には書かれています)は更に強かった。彼らが白人たちと和解するまでにはこの時代からまだまだ長くかかるわけですが、その時代の誇り高いインディアンたちについての描写も興味深かったです。現代のアメリカに暮らす私たちには考えられないことですが、この、あくまでも清く正しく、慈愛に満ちたインガルス一家でさえインディアンたちをほとんど人間として見てはいないのです。
この点については訳者あとがきで「父さんもまた『時代の子』だったということでしょう」と触れられています。
さて、今のアメリカは…この時代の100倍も1000倍も便利で快適だけど…それだけの分の幸せを感じているかな〜?
ランキング今日は何位でしょう?おー!みなさん、ありがとうございます(T_T)。どらどら♪

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