さて、今日は1ヶ月ぶりにドクターの予約があって、朝から出かけてきました。
さて、アメリカの医療システムは日本と比べてすこぶる評判が悪いようですが、実は私はこのシステム、そんなに嫌いじゃありません。
日本のように患者が適当に循環器科とか内分泌科とか外科とかに直接出向くのではなく、あらかじめ自分の健康保険会社の
リストの中から家庭医(もしくは内科医、小児科医など)を選び、その
ファミリードクター、またはプライマリードクター、小児科ならペディアトリシャン(?カタカナにするとずいぶん印象が変わります)と呼ばれるドクターが自分の
主治医になるわけです。
専門医へかかるためには、一応まず、ファミリードクターから紹介を受けなければなりません。これはこの医師がその患者の健康状態をすべて把握している、という理想が前提となっています。
現実には、昔の村のお医者さんじゃあるまいし、慢性病を持っている患者で長いつきあいでもなければまさか患者全員を把握しているなんてことはないだろうと思いますが。
ともあれ、私は今、専門医の予約に時間がかかっているのですが、その間も薬を飲んで心臓の働きを少し抑えてやらないといけないために、このドクターへ通っています。
普通のクリニックやプラクティス(何人かのドクターがまとまっている診療所)では基本的に
予約制です。これが評判を下げている大きな理由のひとつだと思います。
ですが、私は今までのところ、予約制のメリットを感じこそすれ、デメリットはあまり感じていません。もちろん、普通に「診てください」と言ったのでは、予約は3週間先とか、ひどいときには今の私のように3ヶ月先とかになってしまうのですが、「緊急です」「熱があります」「腕を怪我しました」というようなときには予約がなくてもすぐに診てもらえます。
これは予約が余裕を持って取られているためでは、と考えます。一人の患者に平均どれくらいの診療時間がかかっているのか、それは人によるでしょうが、私の場合平均30分近くは診察室に入っているようです。
これだけ時間があれば、隙間に急患を潜り込ませることも可能でしょう。
ともあれ、プラクティスでの一連の流れは日本の医院と大して変わりありません。受付で名前を書いて、待合室に座り、看護士さんに名前を呼ばれたら一緒に行って体重や脈、血圧を測り、必要ならそこで採血もあります。
その後、個室で待たされ、ドクターが入ってきます。
今日は、「インターンが同席しても構わないか」と了解を求められ、もちろん了承したので、若いインド系のインターンが一緒に来て、ドクターが私に彼女を紹介してくれました。
一通り経過を聞かれて、治療方法について話し合い、途中ドクターが突然「その場合に使われる薬品名は?」と聞いてきたので「メルカゾール」と即答したら「今のはインターンへの質問だったのに(笑)」と笑われてしまいました。
私の病気は甲状腺の異常なのですが、実は一番推奨されている治療は放射性ヨウ素で甲状腺を破壊してしまう、という私から見たら過激なもの。
ネットで調べる限りではあまり予後がよくないようでした。そう話すとドクターは、知る限り失敗した例はほとんどない、と言うのです。日本でだけ症例が多い、なんてことがあるんでしょうか?よくわかりません。
それに、甲状腺を破壊してしまったら甲状腺が作るはずだったホルモンを一生薬で補い続けなければなりません。
ただ、こちらのドクターの良いな、と思う点はそれでも患者の意思を一番に尊重してくれるところです。「これはただの僕の意見だけど」という風に説明してくれて、それでも私がアイソトープ治療の前にメルカゾールを試したいと言うことをきちんとわかってくれました。
とりあえずは今までと同じ薬(とりあえずのベータブロッカー)を出してもらうことにして、他に質問は?と言われました。
Can I continue to take my ballet class?→
You can do anything you want.
これが嬉しかったです。ゆーきゃんどぅえにぃしんぐゆーわぁんと。
何でもして良いんですねーっ!と思った途端、
但し、とドクターは続けました。
「とにかくどっちにしろ治療をしっかり受けないと、今に大変なことになるよ。まず骨に影響が出て、心臓や肝臓もどんどん悪くなるからね。」ひえぇ〜、わかってますぅ〜。
「それから」まだあるんですかい(涙)
「脈拍にはいつも気をつけて。さあ、上限の数値はいくつだ?(インターンへ)」
インターンのお姉さんは
「80?」と答えて先生を
コケさせていました。 正解は130。最大で140だそうです。
ちなみに80って私の睡眠時の脈拍よりも遅いようです。ははは。
ともあれ、今日も子どものこととかドクターの娘のバレエの話とか(笑)、
「うちは女の子二人だけど良いよー」「そうですよー。男の子は大変だし!」などとお喋りしながら、ドクターはパソコンから処方箋を私の行きつけの薬局へ送ってくれました。こういうこともネットワークで出来ちゃいます。インターネットがなくなったらアメリカはどうなるんでしょう??
帰りは受付でCo-Payと呼ばれる、保険会社との契約によって一律の診療費を払っておしまいでした。
毎度おなじみブログランキングに参加しています。…だけど、これって「旅行」「ペット」「芸術・人文」このどれにも全く当てはまってませんね。とほほ。

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