日本に住んでいた頃は社宅のアパートだったこともあり、ほとんど野菜の栽培なんてしたことがありませんでした。興味はあったんですけど。
ところが、アメリカで暮らして、普通にアメリカ人向けのスーパーマーケットに通っている限りは青ジソ1枚、普通のキュウリ1本、手に入らない生活のなんて寂しいこと!
私がアメリカに来たおよそ3年前、この片田舎のそこらへんの店で手に入るキュウリは妙につやつやの巨大なキューカンバ、もしくはちょっとお値段の張る、さらに巨大なイングリッシュ・キューカンバしかありませんでした。今はピクルス用のとか、もうちょっと日本のに近いキュウリみたいなものもたまーにでていますが、それでも日本の「味噌つけてかじるだけでおいしい」キュウリは皆無。
というわけで、買った家にはたまたま菜園用のエリアがついていたこともあり(自分で開墾しなくて済む!)引っ越し後はせっせと土の改良に取りかかりました。
今でこそ、我が家の隣は住宅地用工事現場ですが、当時そこはのどかな乗馬用の牧場だったんです。庭先まで毎日馬たちが遊びにきました。彼らを手懐けるためのニンジンを大量に育てることも優先課題でした。
幸い有機肥料のモト(爆)は柵を越えればいくらでも手に入りましたから夜な夜な牧場に忍び込んで集めてはせっせと堆肥置き場に重ねました。やるからには有機農業!と思うでしょう、普通。え?思わない?(その後、娘2号が乗馬を習い始めたのでますます堂々と牧場に入れるようになりました)
生ゴミも落ち葉も全部堆肥になり、憧れのエコな生活!?
そうして春になり、力を蓄えた畑に次々を種を播いていきました。…というのは言葉のアヤで、実際にはポットに種を播き、リビングルームで育てて苗床に移し…というあまり絵にならない課程があったことは事実ですが、ともあれ、畑1年目の去年は、キュウリミニトマト、オクラ、大根、ニンジンがすくすくと育ち、食べきれないほどの日本のキュウリができました。
味を占めた2年目の今年、種の通販カタログを片っ端から取り寄せ、ニッポンナスやピーマンに挑戦、これらは呆れるほど成長が遅く、最初の収穫が8月下旬になってしまいましたが、それでも近頃では毎日の食卓に困らないだけ穫れています。
ところが、いつからか、キュウリの木(って言うんでしょうか)に元気がなくなり始めました。なんとなく水分がなくなって葉っぱがしおれて、そのうちに枯れてきてしまいました。あれれれ?と思っているうちに、あれほど四方八方に伸びていた枝はほとんどなくなり、畑は地肌を見せています。
遅ればせながらネットで調べてみると、これはどうやら「ツル割れ病」という典型的なキュウリの病気のようで、もっと早めに手を打てば救う方法もあったようです。残念なことをしてしまいました。
そんなわけで、今年は早めにキュウリが終わってしまいましたが、その分かどうか、ミニトマトが元気です。実は今年、ミニトマトなど1つぶの種も播いていませんが、去年の実が落ちて、そこから自然に出てきたのです。
トマトは連作を嫌うので、最初のうちは気づいたら抜いていましたが、抜いても抜いてもまさに雨後の竹の子というか…そのうちあきらめて放っておいたら、何本かは大きく育ち、おいしい実をつけるようになりました。
それから、枝豆の収穫は今年が初めて。これはみんなで楽しめてよいです。来年も是非、と思いました。ちょっと困っているのがイチゴ畑。最初は3株のポットを去年の春に買ったのですが、驚くことにマイナス20度の冬に耐え、今年の春から夏にかけて驚くべき成長を遂げました。
ちょっと気を抜くとどんどん勢力を広げてイチゴ畑になってしまいそうです。お店のと違って甘くておいしいイチゴですが(このあたりで買える果物は一般的においしくないです。その分?安いけれど)さすがに食べ飽きるし、来年はどうしよう…。自然に枯れてくれるとよいのだけど(←なんて罰当たりな)。
他には、去年の秋から大事にとっておいたお芋に出た芽を植えてサツマイモも育てています。暖炉で焼く焼き芋はそれはそれはおいしいので。これもアメリカのスウィートポテト(yam)ではダメです。
水菜や紫蘇、三つ葉も便利です。そうそう、今年の隠れたヒットはカボチャでした。
これは畑ではなく、堆肥を作るために生ゴミを埋めておいた穴から勝手に生えてきて、フェンスを伝い、立派な実をつけました。今年のハロウィンはこれでいけそうです。
ヒマワリも8月下旬にやっと咲きました

ニンジンは葉っぱを全部ウサギに食べられてしまったので収穫しました。



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