ヤマタより愛を込めて

膣内にめいっぱいあふれかえった精液の感触をいったんしっかりと味わう。
それから持ち前の空間把握力で、一滴残らず瞬間移動させた。
「…………んっ」
次の瞬間には、皆本の精液は葵の口の中にあふれていた。
暖かみと、どろりとした舌触り。
ついで独特の苦み。
さらに遅れて青臭い臭気が鼻から抜けていった。

「あ……、イク、イク、皆本はん、ウチまた……イ、イクぅ……っ！」
びくびくっと、葵の細い身体が震える。
膣がぎゅっぎゅ、と断続的に皆本の勃起を握りしめてきた。
それが合図だった。
「う、う……っ！」
どっ、どびゅうっ！
皆本は濃厚な欲望を葵の膣内に放出していた。
「はぁぁあんっ、出てるっ。皆本はんのいっぱい出てるぅ」

「あたし上手だった？」
手の甲で口元を拭いながら、薫は聞いてみる。
皆本はしばらく迷ったあげく
「そんなこと聞くな」
とそっぽを向いてしまった。
そんな顔が愛しくて、薫は皆本に抱きついていった。
引き締まった胸板に頬を擦りつける。
ぶっきらぼうな手が薫の頭をくしゃっと撫でた。
「またしてあげるね」

「はぁ……はあ……」
ようやくあげた顔は、口じゅうべとべとの涙目で、とてもみっともいいとはいえない。
それでも薫は満足感にひたっていた。
皆本を口で射精に導けたこと。
そして、絶頂を感じることができたこと。
それが普通のセックスでではなくても、好きな男のペニスによって快感を極められたことがうれしい。

びゅ、びゅうっ。
最後のひと噴きが終わるまで、結局薫は皆本を口から離さなかった。
というより離せなかったのだ。
身体中から力が抜けていて、唯一口だけが力を込めることができた。
だから、必死で口をすぼめていなければ、その場にくずおれてしまいそうだったのだ。
暖かいゼリーみたいな最後のひとかたまりを薫はのどに流し込んだ。

一瞬の絶頂。
身体が力が抜ける。
重力さえ感じられない。
それでいながら、迸り続ける皆本の精液を薫は無意識のうちに飲みくだしていた。
どろどろの精液が流れ込んでいくのをのどで感じる。
飲んでる。
飲めてる。
あたし、皆本の精液、飲めてる。
悦びに胸が熱くなる。
飲ませて。
飲むから。
いくらでも皆本の精液、飲むから……っ。

そしてついにその時がおとずれた。
声にならない皆本のうめきと同時に、口の中の勃起がびくんと跳ね上がる。
間髪をおかずに熱い迸りが薫ののど奥を打った。
どびゅっ、びゅっ、びゅう！
「んぐっ、んんうっ！」
一気に溢れた皆本の精液が薫の呼吸を止める。
瞬間。
「んっ、んんーーーーーーーっ！」
薫の意識が白くなる。