ヤマタより愛を込めて

「昨日のことって……」
薫の顔が再び朱に染まる。
紫穂がにっと笑った。
「薫ちゃんとのこと思い出してこんなにして……いまもっと気持ちよくさせてあげますからねぇ」
紫穂の人差し指が、隆起の突端部分で小さな円を描く。
とたん、隆起がぴくぴくっと反応する。
ごくり。
薫と葵が生唾を呑み込んだ。
昨日初めて知った牡の匂いが薫の鼻腔をくすぐる。

「興味ないんだったら、私ひとりでしちゃうけど……いいのかなあ」
紫穂の視線は主に薫に注がれている。
葵は放っておいてもこのイタズラに参加するとふんでいるのだ。
「あぁ、どきどき脈打ってる……」
うっとりと紫穂がつぶやく。
とても中学生のする表情とは思えない妖艶さだ。
「皆本さん、断片的に昨日のこと思い出してるわ……」

「イタズラって言ったらきまってるじゃない。朝のご奉仕よ、ご奉仕」
紫穂はもう皆本に隆起に手を這わせている。
「ちょ、ちょ……紫穂っ」
「皆本はん起きてもうたらどうすんねん」
「もう引き返せないところまでしちゃえば平気よ。ほら、すでに……」
紫穂の手に刺激されて、皆本の股間の隆起はいよいよ質量を増していた。

「せっかく、こうして３人いっしょなんだもの、しない手はないと思うの。イタズラ」
「い、いたずらって……」
聞き返す前から紫穂の目論見は察しがついていたが、あらためて言われると顔がこわばってしまう。
「ウチはいややっていうたんやで？」
葵は繰り返したが、その目はちらちらと皆本の元気いっぱいの部分に注がれている。

紫穂が指さす先を見て、薫の顔が真っ赤になる。
皆本の股間が大きく隆起している。
身体にフィットする素材の下着は、内側から押し上げられて、その形状までかなりはっきりわかる。
「ね？　すごいでしょ？」
「ウ、ウチはやめようっていうたんやで？」
薫は思わず見入ってしまう視線を無理矢理引きはがしてふたりを見た。
「やめるって……なに？」

なにごとかと起き上がる。
と、自分がまだ裸のままだと気づいて慌てて手で隠した。
さすがに親友同士といっても全裸を見られるのには恥ずかしさがある。
「な、なに？」
「おはよ、薫ちゃん」
「おはよ薫」
そこには下着姿の紫穂と葵。
「う、うん。……どしたの？」
まだ寝起きではっきりしない頭で薫が聞いた。
紫穂は悪戯っぽく微笑み返した。
「これよこれ」

薫は小さく肩を揺すられて目を覚ました。
皆本と親友たちの体温に包まれていつの間にか眠っていたらしい。
「ん……」
目を開けると細身でありながらたくましい胸板。
それが皆本のものだと気づいて、一気に昨夜のことがフラッシュバックしてくる。
「――――っ」
叫びかけた薫の唇を紫穂の指がふさいだ。
「しーっ」