ヤマタより愛を込めて

「あ……、あぁん」
わざと声を出して喘ぎながら、亀裂に潜らせた指を小刻みに動かす。
もう指を使う前からそこは熱く潤っていた。
それをさらにかき回す。
くちゅくちゅと濡れた音がする。
きっとそこはすごい匂いがしているはずだ。
眠ったままの皆本がそれを吸い込んでいると思うと頭がくらくらする。

蒸れた汗のにおい、どんなに清潔にしていてもわずかに残ってしまう尿の臭気。
そしてそれらが愛液と混じり合った濃厚な少女の芳香。
それを皆本にたっぷりと味わって欲しいと思った。
葵が見ている目の前でも構わない。
いっそその方が興奮する。
セックスのために手段を選ばない淫らな女を演じられる。

皆本が性器の匂いに強く反応するのを知ったときはさすがに紫穂も驚いた。
だが無邪気と言っていいほど無心にしゃぶりついてくる男を嫌悪することはできなかった。
少女にとっては恥ずかしいだけのその匂いで興奮する男。
紫穂の女の部分がそれを愛しい、愛らしいと感じている。

いつもは冷静さを装っている皆本の中に激しく動物的な感情が隠れていることを、紫穂ならずとも少女たちはよく知っている。
だからこそ高超度能力者との過酷な任務に彼は堪えられる。
普通の人間なら何度もドロップアウトしていただろう。
そんな皆本のもっとも動物的な面がセックスの時現れるのかもしれない。

口の中でふたつの球体を転がし始めると、手の中の皆本が休息に固さを取り戻し始めた。
「手も……使ってあげて……」
紫穂に言われるまでもなく、葵は睾丸をしゃぶりながら、絡めた指で幹をしごいていく。
「気持ちいい？　皆本さん。皆本さんの大好きな女の子の匂いもいっぱい嗅がせてあげる」

いま引き受けてるシナリオ仕事の情報が、情報系ブログさんでニュースになっていた。
よ、よしがんばるぞ。

「ウ、ウチはこっちで」
「じゃあがんばって。ふたりで皆本さんをがちがちに勃起させましょ」
真っ赤に上気した顔で紫穂がうなずく。
「うん……」
切なげな吐息を漏らす親友から目を逸らすように、葵は再び皆本の股間に潜り込んだ。
そして陰茎を握り、その下の睾丸をちゅるんと吸い込む。