ヤマタより愛を込めて

ようやく『コレル密林の蛮姫』も一応完結。
ちょっとだけ手直しとか入れて、「劇場」ページの方に近日移設予定。

次の連載は、今度は短めに現代物を挟みたいなー。
そう思いつつもロミ王子シリーズの続きもタイトルはいろいろ考え中。
予定としては
『＊＊＊の王妃』
『＊＊＊の娼姫』
『＊＊＊の巫姫』
……って、１本書くのに１年以上かけてて、いったいいつこんなに書けるつもりなんだか……。

「おい、女だぞ」
　驚いた声で、男は仲間を呼ばわった。
　大河の岸の丈高い葦の間にその女は倒れていた。
　真っ白な肌は、死体の土色をしてはいない。ということは生きているのだ。
「これは神のいたずらか？　こんないい女がどうしてこんな場所に」
　商人風の男は肉のたっぷりついた頬を、下卑た笑いのかたちにゆがめた。
　太った男は確かに欲の強い性状を持ってはいたのだが、しかし横たわる裸身はそれをおいてもあまりに素晴らしいものだった。
「おい、手を貸せ！　引っ張り上げる」
　こうしてンクララは、男によってその身を助けられたのだった。

『コレル密林の蛮姫』おしまい

　ロミが村へと戻ったとき、そこは阿鼻叫喚の巷であった。
　蛮族たちは悲鳴をあげてあちらへこちらへと逃げまどい、混乱しきっている。逃げ出したはずの彼が現れたことなど気がついてもいないようだ。
「なにが、どうなっているんだ？」