「愛を読むひと」って映画、ご存知ですか?私が最も苦手とする、いわゆる「文芸作品」です。金曜日の夜、たまたまCSを観てたら放送されてましてね。その時は「このテの作品は私にとって『ど〜でもよい』ので、部屋の片付けがてら垂れ流す『BGV』がわり」のつもりだったんですが、何となく目が離せなくなって、ふと気が付くとバーボンあおりながら最後まで観てしまいました。で・・・
感動しました!
何かの映画を観た時に「近日公開」みたいな、いわゆる「予告編」を劇場で観てはいたんですが、全然興味のないジャンルだし、その時は「ふ〜ん」でお終いだったんですけどねぇ〜。今回観てみたら、正直言って「ぼろぼろに哭けた」シーンが数カ所ありましてね。で、そんな映画を観たもんですから、今回はその感想を書こうかなとも思ったんですが、未だに考えがまとまらない。おかげで前回の続きもまとまらなくて、結局今回は「原稿のストックを手直し」という事で。
皆さんどうでしょうね、クラシック音楽って聴く機会がありますか?私ゃけっこう好きですよ。まぁマニアの方の会話にこそ付いて行けませんが、こういうブログを打ち込む時なんか、良くBGMとして聴いてます。BGMとして聴くんなら、モーツァルトがお勧めですね。あまりダイナミックレンジ(デカい音と小さい音の差)が広い曲はありませんから、静かに淡々と垂れ流すのには持ってこいです。なまら眠気も催しますが(笑)
さて「クラシック音楽」って、大体は「何らかの安らぎを求めて聴く」もんだと思うんですよね。もちろん「気分を高揚させる」ために、ワーグナーの「ナントカのマイスタージンガー」とか、カッコ良い曲を聴く事もあるでしょうけど。
でですね、私の数少ないクラシック音楽の経験からなんで話半分に聞いて欲しいんですけど「全然気分が安らがない」演奏ってのもあるんですよね、これが。今、手持ちのCDで言えば、この2枚がそうです。
「リトル・バッハ・ブック」ピアノ:グレン・グールド
「交響曲第5番ハ短調(運命)、第7番イ長調」ベートーベン
指揮:カルロス・クライバー、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
まぁこれらのCDに納められている、全部が全部そうではありませんが、中には「聴く側に、非常に緊張感を強いる」とでも言いましょうか「つい聴き入ってしまって、考え事の妨げになる」って言いましょうか・・・とにかく、そんな感じの演奏が含まれているんですよね。
まずはグールドですが、いやぁ〜この人の「バッハ」は尋常ではありません。私自身(不肖未熟ではありますが、それでも)現役でピアノを習っている身としては、驚異的な演奏に聴こえます。このCDは、彼の演奏の「美味しいトコ取り・幕の内弁当」的なアルバムですが、中でも一番最後(M19〜21)の「フランス組曲」や「イギリス組曲」からの抜粋は、聴いている私に、何とも言えない「圧迫感」を与えてくれます。昔シーケンサー、今ドキならDAWで打ち込みの経験のある方なら解ってもらえそうですが「ベロシティー(もちろん小節単位)にもレングス(いわゆるノンレガート)にもリズムにも、全てクオンタイズをかけたような演奏」で、しかもチョ〜ハイテンポ。ピアノって楽器はハープシコードより遥かに表現力が豊かな楽器だと思うんですが、そのピアノを使って、どうしてこのような演奏ができるのか・・・「謎」です。んでこんな「テンションが異常なまでに高い」演奏を、もし彼独特の「鼻歌まじり」で演奏していたのだとしたら、その集中力はただ事ではないし、彼自身もはや地球外生命体と呼ぶべきでしょう(何となく)
彼のモーツァルトは、な〜んか「ケレン味たっぷり」で、ウケ狙いがチラホラ感じられて好きではありませんが、バッハはスゴいです。で、彼のバッハは、私にちっとも安らぎを与えてくれない演奏が多いですね。
という事で、余計な前フリとグールドを書き出したら既に紙面が尽きましたので(ウソ)カルロス・クライバーについては次回としますか・・・申し添えますが、Facebookへの参入の影響で、決してネタの出し惜しみしてるワケじゃありません(笑)