このブログでも以前話題にしたと思うけど、独身時代に「小松左京」にハマったことがあってね。特に中学〜高校にかけて、むさぼり読んでた。今でも当時の本が本棚にずら〜りと並んでいる。SF小説好きになったのは小学校の高学年からで、筒井康隆の「時をかける少女」とか、タイトルは忘れたけど、眉村卓とか光瀬龍とかの少年少女向けの小説を、図書館から借りてきては読んだ記憶があるな。
結婚してからは、あれだけハマっていた「小松左京」から卒業して、平行して読んでた松本清張や司馬遼太郎、あるいは海音寺潮五郎とかに比重がシフトしていって...SFは、だんだん読まなくなったよ。
この前iTunes Storeをフラフラしてた時に、ふと「App Store」の中に「ブック」というカテゴリーがあるのが目に止まってさ。んで、そのずらりと並んだアイコンの中に「MM9 山本弘」って、ものすごく判りやすいアイコンがあったのね。
はて、山本弘・・・何かどっかで聞いた事のある名前だなと思ったら、確か柳田理科雄の「空想科学読本シリーズ」を批判してた人だと思いついた。「空想科学読本シリーズ」は私も何冊か持っていて、通勤途中の列車で読むには持ってこいの本。確かに私の目から見ても「?」という所が無きにしも非ずなんだけど、このシリーズについて語るのは今回の目的じゃないからいつか書くとして、このアプリは、とにかくその山本弘が書いたSF小説らしい。「ブック」という物珍しさも手伝って、600円という結構な値段にも関わらず、思わず「ポチっ」とやっちゃってさ。で、読んでみたんだが・・・
お、面白い・・・なかなか面白れ〜じゃねぇ〜か!
自慢じゃないが、我々の世代は「ウルトラマンシリーズ」や「仮面ライダーシリーズ」の第1作を、リアルタイムで観ているんだよね。特に「ウルトラマンシリーズ」では、前身である「ウルトラQ」も、白黒テレビでちゃんと見ている。そう...あれは、小学校に入るか入らないかくらいの年齢だった。第1話を観た時は、怖くてねぇ〜...親父の背中越しに、おそるおそる観ていた記憶があるなぁ〜・・・あれ?何の話だっけ?
そうそう...この小説は、その「ウルトラQ」みたいに「巨大なスーパーヒーローが存在せず、あくまで人間の英知と怪獣との対決」が中心。怪獣を「自然災害」として、その災厄に立ち向かう「気象庁特異性物対策部(気特対)」(と自衛隊)の活躍を書いたものなんだよ。
ちゃんとした「世界観」が根底にあって、それがまた中々ウマい事できてるもんだから、速攻で話にのめり込めるのが魅力だな。特に、「怪獣」を「アレ」と同じような捉え方をしている点がユニークで、素晴らしい着想だね。この人の本、面白そうだな。今度アマゾンで検索してみよう。
とにかく面白くて、一気に読んでしまったよ...文庫本にしたら、どれくらいのボリュームになるのかは解らないけどね。
「ブック」形式のアプリは初めてだったんだけど、iPod touchで読んでも全然OKだな。フォントも大きいし、老眼がかった目でも、裸眼で大丈夫。「しおり」も10カ所まで設定できるから、読み返す時にも便利。でも、この「MM9」(っていうか、この『ブック』というアプリ)には、難点がない訳じゃない。
第1に「App Storeでは、立ち読みができない」事。スクリーンショットは何枚か紹介されているけど、これで全容を把握するのは困難というもの。まぁ、話の基本線は掲載されているけど、普通小説を買う時は「オビやカバーの折れ目に書いてある謳い文句」だけで購入を決断しないわな。たまたまこの「MM9」は面白かったから良かったものの、そうでない場合は悲劇だね。そもそも私ゃ小説を買う時は、じっくりと入念に立ち読みしてから買う方だし。
第2に「一方通行でしか読めない」事。つまり、前のページに戻る手段がない。ちょっと前を読みたかったら「しおり」を保存してある場所まで戻らにゃならん。うっかりスクリーンに触ってしまおうものなら、即次のページに飛んじまうんだわ。これ、何とかしてほしいな。
そういう点を差し引いても、この「MM9」は面白かった・・・SF小説好きなら、絶対にお勧め。私の潜在嗜好を、見事に呼び覚ましてくれました。
これからは、こういう小説も「それぞれの章につき10ページくらい視聴...じゃなくて視読できて、面白いと思った章を1章105円。全7章あとがき付きで630円」という時代が来るんだろうか?だとしたら執筆する作者も、今まで以上に、かなり高度な文章構成力を要求されるだろうなぁ。
でれでれと飲みながら、でれでれと書いてしまった...申し訳ない。
さて、明日はnewportsのライブ。全く音あわせせずに、リハだけやって即本番・・・ん〜「らしい」と言えば「らしい」のか?ま、一応自主的に予習しておこうとは思って、出し物はメールで確認しておいたんだけど・・・久しぶりにジンをちびちび飲んでたら、何かすっかり出来上がってきちゃったぞ(笑)