2006/7/17
ミシン 医
道と私 花と私
看護婦さんと私 先輩と私
患者さんと私 患者さんと私 患者さんと私
廊下の光と私
ER外来と私 ナースステーションと私
星と私 海と私
私と たくさんの人や物との間に 研修の一年間
絶え間なく 行き来していたものが何であったか
2年がたち 暮らしたアパート 海 病院への道を辿って
ようやく わかった
それは ほどき得ぬほどに返し縫いのされた 愛であった
2005/9/17
医 医
2005/3/9
re- 医
入院していた方の 顔としぐさが ふとよぎる
亡くなったあのひとや 退院したあのひと
泣いたあのひとも 怒ったあのひとも
じっと耐えて澄んだ瞳のあのひとも
魂の一部をペンダントにして首にかけているように
あのひとも このひとも
何年経っても ともに生きていく
ランドセルの中でくしゃくしゃになったプリントみたいな
医師1年目の罪悪感と哀悼と不安とを
いつか 丁寧にしわをのばし
書かれた気持ちをひとつひとつ昇華したい
もう一度 ペンダントを戴くベッドサイドへゆく前に
2005/2/22
目に見えないもの 医
長い間探していたものが
ふと 見つかった
それは透明な 金魚くらいの大きさで
掌に程よい重さを持つ 概念
私を導いてきたそれを
上手に言葉で掬って
いずれ私のゆくべき場所を照らして
するべき仕事に 心と体を尽くせたらと思う
その 探し物のヒントが
病理の教科書に書いてあったので
人生の不思議を感じている
2005/1/13
時が満ちたら 医
誠実な医 をしたい
ただ目の前の
転んだ人に近づいて手をとるような
純朴な医療ができたら
たくさんの医師の中に私がいることの
意味が一粒 あると思う
医の神様
時が満ちたら また私を遣わして下さい
名もない苦しみを抱えるひとのところへ
名もない診療科の医者として
そして
時の満ち足りぬ今
力不足の私と 出会うひとに ご加護を