2007/5/15
天使 詩
近くにいる---
悲しみのかたわらに
微笑みの中に
助けになりたい心のうちに
それでも どうにもならない時の
嘆きと祈りの そばに
2007/3/1
ことりへ 詩
ことりのような女の子が 飛んでいってしまった
いい交わりを たくさんしたなぁ
人にたよる というかたちで相手にちからを与える
そんな 女の子
鳥かご ひらいて 虚空へ
空を見上げる 涙がでない
私の手のなかに 愛が いっぱい
2006/12/24
羽化 詩
もう 擬態はやめよう
ふつうであろうとすることは
たたまれた羽をひらくのは
今
私は花でない 鳥でない 蝶でない
うすい羽が広がっていく
自分の眼が観たことのないものになるのがこわくて
たたんでいた羽が---
名もない何かに なってゆく
2006/9/9
エール 詩
出番の少ない 色えんぴつや
よほど 晴れないと 見えない星
珍しい柄の 小さな布
メジャーの 忙しそうな仲間を見守りながら
自分の役に立つときを 静かに待つ マイナーたち
マイナーズの心に 幸あれ
2006/7/17
ミシン 医
道と私 花と私
看護婦さんと私 先輩と私
患者さんと私 患者さんと私 患者さんと私
廊下の光と私
ER外来と私 ナースステーションと私
星と私 海と私
私と たくさんの人や物との間に 研修の一年間
絶え間なく 行き来していたものが何であったか
2年がたち 暮らしたアパート 海 病院への道を辿って
ようやく わかった
それは ほどき得ぬほどに返し縫いのされた 愛であった