お店を始めてからというもの
大勢で飲みに行ったり
趣味を楽しんだり
勉強会やセミナーに参加したり
ましてや
異業種交流会などというものなどに
参加する余裕は、ほとんどなくなった。
だから、出会える「人数」は
ずいぶん減っていると思うのに
今のほうがずっと、
良い出会いに恵まれているような気がする。
影響を受けるような
強い印象を残すような
後から
「ああ、あの人に会えてよかったな」
と、思い返しては、
いつまでも味わえるような。
それはもちろん、
初めて会った人とは限らなくて
久しぶりの再会であったりもするのだけど。

今回、画家の酒井ゆみ子さんが、
お店に来てくれた時
私たちも感動だったけれど
酒井さんも、その感動を
ほとばしるように、話してくれた。
昔、シェフが酒井さんの個展に
毎回行っていたのは
腰を痛め、
一時パンの仕事から遠ざかっている時だった。
そのときにシェフが酒井さんに話したという。
今は、身体を壊して、パンの仕事からは離れているけど
またいつか、パンの仕事に戻り、やがては自分の店を持ちたいと。
店主の知らない頃のシェフの話。
酒井さんも同じ頃、体調を崩されていて、辛い時期だった。
同じ辛さをもつ同士、
ひかれあうものがあったのかも知れない。
シェフの言葉の中に
酒井さんを励ましてくれるものが、あったのかも知れない。
とにかく、酒井さんは、ずっとそのことを覚えていてくれた。
そして、その、同じ人が、
こうして夢を実現させていることに、
心から、喜んでくれた。
それが、前回の個展にお邪魔したとき。
そして今、
薫々堂は店を拡げ、
なんとか5周年を迎えることができた。
そのタイミングで連絡を取ってみたところ
酒井さんも、健康を取り戻し
何年ぶりかで「パンの旅」をテーマにした個展を開くことを
決めたばかりだった。(直前まで、テーマは別のものだった)
今回、お店で描いてくれた絵は
その個展に、出品するためのものだという。
シェフもその昔には
こんな風にお店を持って
まさに、この酒井さんが、
自分の焼いたパンを描きに来てくれるなんて
夢見ることさえできなかったことだろう。
出会うべき時に
出会うべき人と
出会えることの、不思議さ…必然?
・・・そんなわけで、
もうすぐ酒井さんの個展、「パンの旅」が開かれます。
会場で、どれが薫々堂のパンなのか・・・
当ててみてくださいね!
(はがきの絵は、もうできていることからもお分かりのように、違いますよ♪)

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