早いもので長崎に来て一年が経ちました.
先日,研修業務実績をまとめたところ
この一年で研修した人の数は,
3,000人を超えていました.
「その効果は?」と聞かれたら…
本人としては,
年度当初の予想よりも
効果があった(「効果が出始めている」が正しいかも)と感じています.
少なくとも,県職員や市町の担当者,一部の農家の意識改革に成功したことは間違いないでしょう.
ただ,
研修の効果がこれだけ早く現れてきた要因としては,
実施した研修の数以上に,
県庁の
農林部長及び
農政課長の存在(もしくは判断)が重要だったと実感しています.
他地域では,野生動物の専門家を職員や研究員として採用している県もあります.
こうした地域では,しっかりした研究が進められているのですが,
その成果が政策に反映されることは少ないようです.
というのも,
仮に専門家が理想的な提案をしたとしても,
「提案については理解できるが,行政の仕事としては難しい」と鳥獣行政の担当者が判断すればその提案は通らない.
また,
担当者が実現しようとしても,上司である
部長,課長に認められなければ通らないからです.
長崎はどうだったのか…
結論から言えば,
少なくとも今年度は他の地域と違っていたと思います.
何が違ったかと言えば,
私の考え方を部長や課長に伝える機会があったことです.
これは重要なことだと感じています.
そして,
その結果として
私の考え方を政策に組み込んで頂いたことも重要です.
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実は年度当初,
他県と同様の危うい状況になるかもしれないと個人的に感じていました.
「業務上難しい…」という声があったんです.
担当の多忙ぶりはよく知っていたので尤もだと思っていました.
しかし,
「行政で解決できないから専門家を呼んだのに,行政の都合で専門家の意見が実現できないのでは意味がない」
という内容の課長の指摘が重要な転機となったのです.
雰囲気がガラリと変わったように思います.
(担当の業務量もさらにズドーンと増えたのでは…?)
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要するに
上司が積極的ならば,担当はそれ以上にがんばって結果を出さなければならない.
結果を出すためには,市町にがんばってもらわなきゃならん.
そして,そして…
…という状況にあるのだと思います.
専門家の仕事は
動きを活発にする触媒や酵素,
正しい方向に誘導する舵取りの役なのでしょう.
この様に整理した結果,
冒頭で述べた
農林部長及び
農政課長の存在の重要性の実感に至ったんです.
そんなこんなで,
長崎県庁には新年度より
「農政課 鳥獣対策班」
が出来ます.
うわばみの机は
県庁農政課本室&課長席の前
に移動します.
今度は,私が
「業務上難しい…」などと言わない様に気を引き締めていかないと…
Kさん,頼りにしていますm(_ _)m
長くなりましたが,
ここまでが今年度の総括!!
ここからは
今後の課題です.
この一年で野生鳥獣問題に対する長崎県内の行政の動きは変わり始めましたが,これは「はじめの一歩」に過ぎません.
長崎県でこの問題を解決するには,
「行政」だけではなく
「議会」,
「県民」の意識改革も必要だろうと感じています.
「議会」=「有権者の意識」なので,さらなる啓発が
「県民」に対して必要なのかもしれません.
少なくとも3,000人の県民(全県民の7.2%)は,意識改革出来たと仮定しても全く足りませんね.大きな課題です.
別の課題として
野生動物に関するの情報不足もあります.
これ程問題になっていたにも関わらず,「捕獲数」しか分かっていない….
これも早急に変えんばいかん!!
まぁ,これについては何とかなるでしょう.

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