先日テレビを見てるとペットボトルのリサイクルをやっていました。
リサイクルするためにフタを取り外していたのを見て、横で見ていた人から、キャップも同じ材料を使ったらいいのに、という声が聞こえて耳を疑いました。
プラスチックに対する知識があまりにもないことにビックリ。
それ以前に物作りをしたことがないのかと驚きました。
物を作ることは形状を作るだけではありません。
その形を作るのに最適な材料、さらにその材料を使ったときの最適な形状と形状と材料の関係は密接に関係しています。
その形状と材料が決まる条件はそのものの果たす機能によります。
たとえば、飲料のボトルが透明である必要があるのであれば、アクリルやPETになるでしょう。それを作るのにブロー成型をつかうとすればおのずとPETになってくるでしょう。
さらに、その材料には浸透性や強度などの条件をみたすものでなければなりません。
それに対して、キャップの大事なところは、後から取り付けるやわらかさと、あけたときにフタが切れる材質、さらに大切なことは切れた部分がとがったりして、口を傷つけないことではないでしょうか。そのほかにも内部の圧力による条件があるかもしれません。
これを考えるとフタを硬さのあるPETで作ることは難しいのではないでしょうか。
さらに、現在のペットボトルでは温度による条件もあるでしょう。
プラスチックは複雑な形状が作れますので、金属に比べて部品数を減らすことができる反面、強度では金属に比べてはるかに劣ります。
また、調達コストや管理コストも違ってくるでしょう。
そのようなことを総合的に考えて樹脂材料を選ばなければなりません。
最近のガンプラで考えると1つ疑問はABS樹脂の使用です。
プラモデルの条件の一つに、現在の接着、塗装の資産を使用できることをいれると、接着、塗装ができないABSはこれほど使えないはずです。
それをあえて使い、組み立て説明書に接着できない、塗装しないでくださいと記述してることは、メーカーが現在の資産を使うことを条件に入れていないことになります。
もちろん、以前から問題になっているポリキャップ(PE)も同様ですが、これはスチロール樹脂(PS)でカバーできるという選択肢がありました。
金属のエッチングパーツもプライマーを使用して塗装できました。
ABSにはこの逃げ場、代替手段がないように思えます。
塗装、接着が現在では少数ユーザであることはわかりますが、この状況は、その少数ユーザを切り捨てているようで、寂しい思いがあります。

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