
ノハラアザミで集団吸蜜するガガンボのなかま
平成20年度大自然塾、10月26日の11月2日と残り2回を無事終えました。
雑木林マイスタースキルアップ講座(コース I)
自然を見る眼を養おう
〜雑木林の自然と人の関わり〜
1回目はこちらに。
2回目の「花の形の見分け方」の講義をしていて意外だったのが、アザミなどのキク科の花が、じつはたくさんの花の集まった集合花だと言うことを知っている人がいなかったという点。
普段から自然に親しんでいて、植物図鑑も調べたりしている人たちなので、僕としては80%ぐらいの正答率を見込んでいたんですが、意外な盲点発見!ってな感じでした。
もうね、これだけでもこの講座を設けた意義があったと。
A(^_^;
講義では、「兎に角、花の名前は覚えようとしないこと」、「名前はさっさと忘れても良いから、見分け方と調べ方だけマスターしよう」ってなあたりを目標で進めました。
これが、意外に良かったみたい。
皆さん肩の荷が下りたようで、これまで以上に楽しみながら自然に向かい合えるようになったみたいでした。
それと、「メモなんか取らずに、兎に角目の前の植物や生き物をよ〜く観察すること!」ってのを実行してもらいました。
まぁね、これは人それぞれ可能な限りってなところではありますが。
匂いをかいでみたり、ちぎってバラバラにしてみたり。
えぇ、メモなんか取ってる場合じゃありませんよ。
汗
3回目の「葉っぱの見分け方」では、いかに図鑑がアテにならないかなんて話しが中心だったりなんかして。
えぇ、図鑑をいくらめくっても、目の前の植物を見つけられないのは、あなたのせいではないのだと、そんな話しからスタート。
植物の形態の可塑性がいかに凄いものか、いろいろとスライドを見てもらいながら。
この回も、皆さん肩の荷が下りたみたいで。
うひひ
詳しい様子はまぁ後日まとめるとして、テキストをアップしておきますので、興味のある人はどうぞ。
<2日目>花の形の見分け方
10月26日(日)
午前:座学「花の形の見分け方」
午後:フィールドワーク
タイトル写真

IMG_7167.JPG
ノハナショウブの花粉を着けたクロマルハナバチ
■見分けのポイントをおさえよう
図鑑で手早く見つけるコツ
1.花の色はうつりにけりな
花で見分けられるのは、ほんの短い期間でしかない。
2.キーワードは0345!
花の形は意外に保守的
子房の位置
3.繋がる?わかれる?
合弁花と離弁花
4.花が花のフリをする?
花序・集合花
5.左右対象の花・下向きの花
花が虫を選ぶ
6.わがまま気ままは生きる道
野の花がバラバラに咲くのは?
種も熟し次第落ちる
多様性の意味
参考資料1 花の形

花の形.gif
山と渓谷社 「山渓ハンディー図鑑 山に咲く花」から転載
■スケッチしてみよう
植物の特徴をとらえなおす
構造を理解する
<3日目>葉っぱの見分け方
11月2日(日)
午前:座学「葉っぱの見分け方」
午後:つくってみよう私の図鑑
タイトル写真

DSC03978.JPG
レモンの葉に産卵するナミアゲハ
■見分けのポイントをおさえよう
ホントに図鑑だけでわかるのか?
季節で変わるエトセトラ
動けないからこその変幻自在
1.葉を見分ける
平行か網状か
2.葉っぱでわかる花の形
網状脈:双子葉 4枚または5枚の花弁が基本
平行脈:単子葉 0枚または3枚の花弁が基本
3.どこからが葉っぱ?
葉柄の根本には必ず「芽」がある(はず)
節目が大事
4.葉っぱの形色々
単葉と複葉
おまけの葉っぱ 托葉
5.葉っぱの着き方を見よう!
1枚ずつ?2枚ずつ?3枚以上?
互生:1枚ずつ
70%くらいを占める
対生:1枚ずつ
25%くらいを占める
輪生:3枚以上
数%くらいしかない
その他:根出葉など
6.常緑樹と落葉樹
7.スケッチしてみよう
植物の特徴をとらえなおす
構造を理解する
■つくってみようMy図鑑
グループワーク
〜考えてみよう〜
どういうパーツをとってくると、図鑑を作れるのか?
参考資料2 葉の形

葉の形.gif
山と渓谷社 「山渓ハンディー図鑑 山に咲く花」から転載