「窓辺からはじめる自然保護〜ビオトープガーデンのすすめ〜」
【山岳環境研究所】泉健司
入場無料
会場
新宿御苑アートギャラリー(新宿門脇インフォーメーションセンター内)
http://www.env.go.jp/garden/shinjukugyoen/2_guide/map.html
アクセスマップ
http://www.env.go.jp/garden/shinjukugyoen/2_guide/access.html
日時
7月26(火)〜8月1(日)
9:00〜16:00(16:30閉園、最終日は14:30まで)
無料講座は、会期中毎日13:30〜14:30を予定。
お楽しみに

世界最大規模、生物多様性の花園が見頃です
長野県佐久平に作られた、野生生物を呼び戻し共存するための花園が今年も見頃を迎えました。
かつては牧草と帰化植物が覆うだけだったゲレンデには、今では園芸種と回復しつつある地元の野生種あわせて500種以上が生育しているメードーガーデン(草地風の庭)が風にそよぎ、絶滅危惧種の昆虫や哺乳類などが繁殖するまでに多様性が回復してきています。
生物多様性回復の手順としては、手始めに媒介昆虫を呼び戻すために予備調査に基づいて周囲の環境に圧を掛けない園芸種(交雑しない)を植え、回復状況を見ながらゲレンデ周辺にわずかに残されていた野生種の種子を遺伝的多様性を崩さないよう集め育てた苗を植え戻しています。
植物の配置は群落を再構成するようにフラクタル状に植え、生き物たちの住みか(ニッチ)が最大になるよう様々な組み合わせにしているので、一見自然に生えているかのように見えます。
栽培管理は、もちろん、改変を始めてから今年までの4年間、無灌水、無農薬、無肥料、無起耕栽培で、様子を見ながら選択的除草をしています。
ここ数年間の間に植えっぱなしにしていたユリが増えすぎてしまい、今年は約8万株のユリの開花も楽しめます。
シカやイノシシなどの大型哺乳類もゲレンデ花壇半ばまで降りてきますが、誘引植物と忌避植物などを組み合わせて植栽の機能を多様化させているので、随所にフィールドサインを発見して楽しんでいただけると思います。
ゲレンデすぐ横の森にはムササビ用の巣箱も掛けられていて、運が良ければ夕方に飛び回る姿も見られるかもしれません。
周囲の森は、部分的な間伐などによって林床環境の多様化を進めており、生き物たちのためのランドアートなども随時設置しています。セラピーロードも含め、山とゲレンデが巨大な回遊式庭園として楽しめるよう、緊急雇用対策の人たちと緩やかな整備を進めています。