さて、それでもめげている暇なんかない。

予定通り、自然風って言うのはどんな特徴があるのかってな簡単な観察とレクチャーをはじめた。
まず、植えてもらうフィールドの説明。
すぐ横に接している蕎麦畑と違って、草取りはしてない。
と言うより、わざわざお願いして雑草を残してもらっているのだ。
去年の花壇に植えられていた植物たちのこぼれ種から芽生えた苗の他に、白い花のナズナや黄色い花のイヌナズナがビッシリ生えている。これらの雑草は膝丈止まりで日照を遮ることもないし、何よりもスジグロシロチョウやモンシロチョウ、ツマキチョウたちの食草になる。
昆虫館周りの植栽としては、重要な役目を担っている。
第1段階として、去年の花壇に植えられていた植物たちのこぼれ種であちこちに育っているヤグルマギクやハナビシソウの苗の散らばり具合を観察してもらう。
当然不規則に分布している。
均一な環境に現れがちな、ランダム分布と見て良いだろうね。
で、ただそれをまねして、デタラメ(ランダム)に苗を配置しても美しい庭にはならないから、次の段階の説明をする。

山肌を三角形の不規則な分割でシミューレーションした例。
自然の美しさって言うのは何なのか、なんて話し。
美しさの要因の一つに、
フラクタルな配置ってのがあると思う。
例えば、水の流れは、ランドサットで見た川の蛇行もジョウロで流した時の地面に出来るうねりも区別が付かない。山肌も海岸線も地図の倍率を変えていっても、いずれも似たような入り組んだ境界線の印象は変わらない。
つまりスケールを変えても同じような形が観察されるという特徴がある。
巨視的視野でも微視的視野でも見た感じは変わらないのだ。
いわゆる、フラクタル構造、自己相似形と言うヤツだ。
果てしない入れ子構造って言えばいいのかも。