とはいえ、なかなか思い切りのつかないことだってあるもんです。
例えば、この子もそう。

山から戻った頃には、みんな巣立ちしちゃってるんだろうなぁ、カラスの親子の話しも尻切れトンボになっちゃうかも、なんて思ってたんですけどね。
居ましたよ、優柔不断な子が。
といっても、きっと5羽いる中の末っ子で、他の兄弟に押され気味でエサもあんまりもらえなかったんでしょうねぇ、発育が少しばかり遅れたためじゃないかと思います。

オーナーの話に拠れば、他の子は数日前に巣立ちしたらしいんですけどね。
巣とベランダを行ったり来たりして遊んでいる姿を見かけたんだそうです。
写真撮りたかったなぁ。
で、近くに親鳥の姿もないようなので、思い切って屋上から撮影してみることにしたんですよ。
最初の内は広くなった巣の中にのんびりと寝そべっていたこの子ですが、上からのぞき込まれるとさすがにそわそわし始めました。
と、見ると、お向かいのビルの上から親鳥たちがこっちを見て呼んでいるじゃないですか。
若鳥もときどき答えるように「カァ」と鳴くんですが、一向に巣から離れる風はありませんでしたねぇ。
親鳥も、以前のような威嚇をせずに、ひたすら遠くから呼びかけるばかり。
ここは一つ、良いきっかけだからと、遠くから若鳥をせかすだけでした。
僕の方も、何だかこの子が親に見放されやしないかって、気になって仕方がありません。
ちゃんとエサはもらってるのかしらん?