
さて、これなんでしょうか?
ちょっと古い写真ですが、新宿御苑で撮ったものです。
2004年1月27日に撮ったんですね、当時連載していた「自然のカケラ」のための取材で見つけたもの。
もうおわかりですよね。
そう、モグラの穴です。
芝生の土の中をモグモグモグと進んできて、アスファルトの散策路の縁にゴッツンコしたようすが、手に取るようにわかります。
きっと、ミミズやコガネムシの幼虫なんかを探しながら掘り進んでいたんでしょうね。
ゴツン!
あれれ?
じゃちょっと方向転換してと、モグモグモグ、もういいかな。
ゴツン!
あれれ?まただぁ〜。
じゃちょっと方向転換してと、モグモグモグ、もういいかな。
ゴツン!
んも〜っ!
こんな感じなのかな。
モグラ君は、地面の中を掘り進んでいくんだけれど、こんな風に途中に道路があったりすると、そこから先には進めないんですね。
昔は広い草地だったり畑だったりしたところに棲んでいたモグラたちも、まわりに家が建ち、道が造られるにつれて、自由に動き回れるところがどんどん小さく狭くなってしまって、最後にはどこにも行けなくなって姿を消してしまうんです。
皆さんのお家の近くに空き地はありますか?
そこにモグラの巣穴のあとは見つかりますか?
近くの公園ではどうでしょう?
今はきれいに緑に覆われているような場所でも、昔は家が建っていたところだったり、駐車場のようにアスファルト舗装されたことのある場所だったりすると、今はどんなに自然のように草木が茂っているところでも、モグラの姿を見ることは出来ません。
モグラは、道を渡ってそこにたどり着くことが出来ないからなんです。
人間の住む町が、どんどん大きくなって、新しい道が造られるたびに、こんな風にゴッツンコしてどこにも行けなくなっちゃうモグラ君たちが増えてるんですね。
なんだかちょっとかわいそう。