「高崎手作りオカリーナの会」では4月22日、
東日本大震災チャリティーコンサートを行いました。
その収益金から南相馬市立原町第二中学校へハンドベルを寄贈します。
そこで5月7日、メンバー145名中、39名が学校を訪れました。
高崎を7時30分に出発し、午後1時過ぎ南相馬市原町第二中学校に到着。
学校のすぐ横に仮設住宅が建ち並び、今までの旅行気分が一気に吹き飛びました。
校庭にいる生徒は誰一人いません。
グランドは放射能の汚染処理をしたのでしょうか。
掘り返したような跡がありました。
オカリナを演奏する体育館に入ると、生徒たちが走っています。
「56、57、58・・・」と先生の大きな掛け声に合わせ、
床をバタバタとうるさい音を上げながら、何度も何度も往復していました。
雨の日ならともかく、体育館でランニングだなんて。
いつになったら校庭で思い切り走れるのでしょう。
体育の授業を終えた生徒は、私たちが座るための椅子を手際良く用意。
ハンドベルの贈呈式を終え、東京ベルオーケストラが舞台へ。
「カノン」「虹の彼方に」「星に願いを」「家族になろうよ」など6曲を演奏しました。
私たちオカリナを演奏するメンバーはハンドベルを聴きながら、出番を待ちます。
次に私たちの番です。
「大地讃頌」を全員で演奏。
続いて、オカリナの製作指導者、須藤先生が「アメイジング・グレイス」
演奏指導者、小田原先生が「翼をください」をそれぞれ演奏。
最後に「We are the wold」を全員で演奏しました。
アンコールの拍手をいっぱいもらったのに、用意がありません。
そこで、「We are the wold」の最後のフレーズをみんなで大合唱することに。
「We are the wold We are the children・・・」
このあとは小田原先生の訳詞。
「輝く明日の世界を築くために 立ちあがろう 力合わせ さあ、勇気出して jsut you and me」
これを何度も歌っていると、生徒たちは椅子から立ち上がって手拍子をしながら
一緒に歌ってくれました。
放課後、東京ベルオーケストラの人たちが奏楽部の生徒らを集めて指導してくださるとか。
生徒ひとりひとりの気持ちを合わせ、いつか、すてきな演奏をしてください。
ある先生とお話させてもらいました。
震災前は330名いた生徒も今は190名。
転校した生徒の家族はほとんど県外へ出たそうです。
「私の自宅も原発から4キロほどのところにありまして・・・」
と先生は淡々と話されました。
学校の隣にある仮設住宅のことを伺うと、
「いろいろな事情の人がいまして・・・」と言葉を選びました。
余り立ち入ったことを聞いてはいけないと気付きました。
今回、生徒たちと言葉を交わすことは、ありませんでした。
体育館から玄関へ戻る途中、教室にいる生徒、廊下を清掃している生徒たちに
大きな声で「さようなら」と声をかけることしかできません。
せめて「私たちはあなたたちを忘れませんよ」というメッセージが伝わればいいのですが。
原町第二中学校校歌