穏やかで暖かな日よりです。
こんな日はどこか里山を歩きたくなりますが、健康つくりを兼ねて自転車で
井野川沿いのサイクリングロードを群馬の森まで行ってみました。
私の前にお年寄りがゆっくりゆっくり走っていました。
すぐに追いつき、追い越そうとしましたが、ベルを鳴らすのはためらいます。
自分が歩いているとき、あの金属音のベルが突然鳴ると、たいそう驚くからです。
私はスピードを落とし、そ〜っと脇をすり抜けるように近づきました。
その気配を感じたお年寄りは「あっ、」と小さな声を上げ、少し横に避けてくれました。
しばらく走っていると、後ろから男性の声がしました。
「通りま〜す」
「は〜い」
私は軽快に返事をしました。
人の声だと特に驚きもせず、後ろに気を配ることができます。
そして男性は私の右横を静かに通り抜けていきました。
前を行く自転車や人を追い越すとき、ベルを鳴らすのはあまり良くないことと思っていました。
では、どうしたらよいか?
そこまで考えてみなかったのですが、今日、その答えが解りました。
声を掛ければいいんですね。
森はひっそりとしていました。
コゲラやシジュウカラの声がします。
姿を見られたのはアカゲラとウグイス。
ふと、空を見上げると、カラスが二羽、オオタカともめていました。
この辺の水辺にルリビタキがいたっけ・・・
この辺でシロハラがガサガサと音を立てて落ち葉の上を歩いたっけ・・・
今までの出会いを思い出しましたが、今日は現れませんでした。
帰り道、道路で何人かが立ち話をしていました。
「通りま〜す」
今度は私が言ってみました。
「すみませんね」
その人たちはそう言って道を空けてくれました。