家庭から黒電話が消えたのは、いつごろだったのでしょう。
しかし我が家では今でも健在です。
「この電話器はインテリアなんでしょう」
「いいえ、実際に使っているんですよ」
我が家を訪れる人と何度かそんな会話をしたことがあります。
今年6月新居に引越しするとき、母はプッシュホンの電話が欲しいと言いました。
私もそろそろ変えた方がいいと思っていたところです。
しかし、ここまで頑張ってきたのでこの先も使おう、と言ういちじんさん。
家を新しくするのを機会にADSLから光通信にしたいと思ったので
NTTに黒電話が使えるか問い合わせをしました。
電話に出た人はまだ若い女性で、黒電話なんて使ったことのない世代です。
確認にしばらく時間がかかりましたが、結果はOK。
ということで、母は今でもダイヤルを廻して電話をしています。
もちろん短縮の機能なんてありません。
古めかしくなった電話帳が今でも活躍しています。
それになんといっても私の携帯番号を暗記しているのには驚きます。
私はほとんど携帯を利用していて黒電話を使うことは滅多にありません。
今朝、何を思ったのか、通勤中のいちじんさんに電話をするのに黒電話を廻しました。
090・・・とダイヤルを11回廻します。
やっと廻し終わったら、「ツーツーツー」と話し中です。
しばらくして、もう一度、かけようとしましたが、再送の機能がありません。
不便に感じる黒電話ですが、
昔は何にも思わずひたすらダイヤルを廻していたのです。
今でもそれを実行している母は80歳を過ぎても記憶力があまり衰えていません。
むしろ私以上です。
黒電話がもたらす効果でしょうか。