仕事からの帰り道、3月も下旬というのに北風がビュービュー吹いていました。
それでも真冬の寒さとは違い、毛糸の帽子をかぶらなくても大丈夫です。
自転車に乗り始めて3ヶ月。スピードにも慣れてきました。
職場を出ると大通りを走って帰ります。
歩道は道幅が広く、歩行者用と自転車用とが色分けしたゾーンに別れ、
走りやすくなっています。
前にスピードの遅い自転車が走っていました。
その人を追い抜いて少し行ったときです。
すぐ右手に自転車の前輪が見えたと思ったら、私の前輪に接触。
ブレーキをかける暇がありませんでした。
体は右に傾きそのまま自転車から離れ、道路にたたきつけられました。
倒れたまま起き上がれずにいると、大丈夫ですか、と声をかけてくれる人がいました。
自転車を下りて心配そうに私を覗き込んでいたのです。
体を起こし道路に座りこみました。
「すみません」
顔を真っ赤にして、何度もそう言う小学生が私を見ています。
そうです。この子とぶつかったのです。
細い路地から一旦停止をしないで、そのまま飛び出してきたのでしょう。
「僕、ちゃんと止まらなくてはだめよ。気をつけてね」
「すみません」
「僕は大丈夫?どこか痛くない?」
「大丈夫です」
子供は倒れた自転車を起こし、走って行きました。
「ご心配をお掛けしました」
私は立ち止まってくれた人にお礼を言って、そこを立ち去りました。
夜になって打撲の痛みが出てきたようです。
肩と腰が痛いです。明日は車で出勤しましょう。