この種の、何も考えずただ純粋に娯楽として楽しむだけの映画には、ブランドン・フレイザーという役者ほどうってつけの人はいないのではないかと思う。この人のちょっと憎めないマヌケ面が画面に登場するだけで、映画の性格が手にとるように把握できてしまう。ある意味、黄金時代のハリウッドでいちばん求められていた人材なのかもしれない。もちろん、TDLのアトラクションにもなっているくらいだから、本編が彼のような俳優にジャストフィットしているのは言うまでもない。
もともとの原作はジュール・ベルヌだが、現代風にアレンジしているのはやはり経費節減のためか。地底世界の描写にはそれなりに時間と手間をかけているようだが、もともと3D鑑賞を前提として作られている映画のためか、普通のテレビ画面で見るとそれほど凄さは感じなかった。
普通に考えれば、冒険のしょっぱなから全員死んしまっても不思議はなく、次々と訪れる絶体絶命の大ピンチをかくもやすやすとクリアし続けるのを見ていると、次第に感覚が麻痺し、あまり「手に汗を握る大冒険」には見えなくなってしまう。まあ、そのあたりは「お約束」としてあえてスルーし、ひたすら大仕掛けな舞台をげっぷが出るまで味わってていただこう、という狙いはわかるのだが^^;
それにしても、ドラマとしての抑揚のなさはやはり気になる。いくらアトラクションのPR目的で作られた映画とはいえ、仮にも観客から木戸銭をもらって見ていただく、独立した「商品」なのだから。・・・
★★★

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