私は先週、3泊4日の日程で、岩手県(主に三陸海岸と遠野)を旅行してきました。
今回の旅行では行きも帰りも、北海道の苫小牧と東北の八戸との間でフェリーを利用して車ごと乗船し、普段札幌で乗り慣れている自分の車を運転して、岩手県内各地を回ってきました。
八戸から釜石までは、三陸海岸沿いの国道45号を車でずっと南下して走ったため、三陸鉄道・北リアス線の全線(久慈〜宮古)や、震災の影響でいまだ運休中のJR山田線の沿岸部(宮古〜釜石)にほぼ沿う形で走り、また釜石では、三陸鉄道・南リアス線の終着駅である釜石駅にも立ち寄るなどしたため、三陸鉄道に直接乗車する機会こそ無かったものの、三陸鉄道の施設や車両の外観などは、いくつか見学する事が出来ました。
一応改めて説明すると、三陸鉄道というのは、岩手県の三陸海岸を縦貫する北リアス線と南リアス線の2路線を所有し運行している、特定地方交通線を転換して開業した我が国初めての第三セクター鉄道です。昭和59年に全線が開業しました。
東日本大震災では、各所で駅舎や路盤が流出し、車両も3両が使用不能になるなど、甚大な被害を受けましたが、平成26年4月に全線が復旧しています。
私は、三陸鉄道の列車にはまだ一度も乗車した事が無いものの、
平成25年4月27日の記事で報告したように三陸鉄道の復興支援には微力ながらも協力させて頂いた事があるため、私にとっても三陸鉄道はいろいろと思い入れがある鉄道であります。
当初は、折角の機会ですから、今回の旅行中に実際に三陸鉄道にも乗車してみようと思っていて、もし都合の良いダイヤの列車に巡り会えば、一旦車をその駅の駐車場に停めて、その駅から次の駅までの一駅間乗車し、そこからまた元の駅に戻る列車に乗ろうかな、とも考えていたのですが、現実には、なかなか都合の良いダイヤの列車に巡り会う事が出来ず(三陸鉄道は、現状では朝と夜は1時間に1本程度、昼は2時間に1本程度しか運行されていないのです)、時間の都合から今回も三陸鉄道への乗車は叶いませんでした…。
とはいえ、普段札幌で暮らす私にとって、特にこれといった接点が無い三陸鉄道の施設等を、今回の旅行で実際にいくつか見学出来たのは良かったです。
以下の写真5枚は、いずれも、北リアス線の終着駅である「久慈駅」にて撮影したものです。
この駅は、単式ホーム1面1線を有する駅で、JR東日本・八戸線の久慈駅(島式ホーム1面2線を有する駅)とは隣接していて、両社間の線路も駅構内で繋がっています(両線を直通する列車はJRの駅に発着します)。
以下の写真3枚は、「道の駅 のだ」も兼ねている、北リアス線の「陸中野田駅」にて撮影したものです。
私がここを訪ねた午前7時頃は、続けて何台もの乗用車が駅前で止まり、それぞれの車から、学校の制服を着た高校生らしき学生が降りて次々と駅舎内に入っていました。通学で三陸鉄道を利用する高校生達が、親に車で駅まで送って貰っていたのでしょう。
以下の写真3枚は、北リアス線の野田玉川〜堀内間に架かる「安家川(あかがわ)橋梁」を、道路上から撮影したものです。
昭和49年に完成した全長302mの橋梁で、高さは、三陸鉄道では最も高い33mあります。撮影の名所でもあり、列車によっては、この橋梁で一時停止のサービスをしてくれる事もあるそうです。
ちなみに、この橋は日本初のPCトラス橋でもあります。PCトラス橋は、鋼橋と比べ走行時の騒音や振動を小さく出来る利点がありますが、その一方で、部材数が多く設計や施工が難しくなるため、この橋が出来てから後約30年間、国内では他では採用される事が無かった、珍しい形式です。
下の写真は、北リアス線の起点駅である「宮古駅」の駅舎です。
この駅は、JR東日本の宮古駅と隣接している、単式ホーム1面1線を持つ駅ですが、JRの山田線に直通する列車は、この駅のホームからではなくJRのホームから発車しています。
ちなみに、三陸鉄道の本社は、この駅舎内に入っています。
以下の写真2枚は、南リアス線の終着駅である「釜石駅」を撮影したものです。
この駅も、久慈駅や宮古駅同様、JR東日本の駅と隣接している、単式ホーム1面1線を持つ駅です。ちなみにJRの釜石駅は、2面4線を有する、列車交換可能な駅となっています。
なお、写真には撮りませんでしたが、北リアス線と南リアス線を連絡する区間(宮古〜釜石)のJR山田線は、現在各所で復旧・整備工事が行われていて、トラックやパワーショベルなどの軌陸車が線路上で作業をしている光景が、私が運転する車の車窓からも望めました。
宮古〜釜石間は、東日本大震災で被災した事により(複数の箇所で橋梁が流失したり、駅舎が倒壊するといった甚大な被害が発生しました)、震災から6年が経った今も依然として運休が続いている区間ですが、JRの大船渡線や気仙沼線のようにBRT化はされず、あくまでも鉄道として復旧させる方向で作業が進められており、平成30年度末までに開業を再開させるとしています。
そして、開業再開に伴い、同区間はJRから三陸鉄道へと移管され、それにより、現在は南北2つの区間に路線が分かれている三陸鉄道は、全線(久慈〜盛)が一本の同一会社線として繋がる事になります。
次に岩手県を訪れる機会があった時は、その時こそ是非、三陸鉄道の列車に乗車したいです!

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