丁度19年前(平成7年)の今日、兵庫県淡路島北部を震源とするマグニチュード7.3の大地震(観測史上初の震度7の激震)が、兵庫県南部(阪神地区)や淡路島などを直撃し、皆さんもよく御存知のように、未曾有の大惨事となりました。阪神・淡路大震災です。
今日は、阪神・淡路大震災が発生したこの日に因んで、同震災からの鉄道復旧を取り上げたドキュメンタリー番組『
プロジェクトX 挑戦者たち 鉄道分断 突貫作戦 奇跡の74日間 〜阪神・淡路大震災〜』を収録したDVD作品を紹介させていただきます。
昨年ネットで購入したDVDで、番組としては今から9年も前にNHKで放送された作品ですが、私個人としては結構感動する内容でした。
以下の写真は、いずれもこの番組からキャプチャーした画像です。
▲ 崩落したJR東海道本線の高架橋。
地震により鉄道は分断され、神戸は陸の孤島となりました。
▲ 押し潰された、JR東海道本線の六甲道駅。
▲ 高さ10mの高架橋が落ち、六甲道駅の1階部分は完全に押し潰されてしまいました。
▲ 大動脈・東海道本線の緊急復旧が求められましたが、その復旧工事最大の難所は、高架橋が崩落したこの六甲道駅でした。
駅としては全壊であり、この時点では、まさか74日間で復旧するとは誰も思ってもいませんでした。
▲ 鉄道が分断されたため、歩いて会社へと通勤するサラリーマン達。その数は8万人にものぼり、陸の孤島と化した神戸と外界とを結ぶ鉄道の一刻も早い復旧が求められました。
▲ 復旧工事中の六甲道駅の高架橋。
六甲道駅を造り直せば2年はかかるとされましたが、求められたのは僅か3ヶ月以内での復旧であり、そのため、「柱は押し潰されてしまったが、線路を乗せていた高架橋の梁や床は無事なので、元の10mの高さまで高架橋をジャッキで持ち上げて再利用する」という前代未聞の復旧プロジェクトが進められることになり、24時間態勢の突貫工事が始まりました。
▲ ジャッキアップされた高架橋。
1台で300tを持ちあげる力があるジャッキを16台使い、重さ1,200tの高架橋を持ち上げました。ひとつ前の写真と同じ場所なので、両方を見比べてみると、ジャッキアップをする前とした後の違いがはっきりと分かります。
高架橋は大きく傾いていていつ崩れ落ちるか分からない状態で、その上、余震が襲うなどしたため、高架橋の下を撤去しそこにジャッキを設置するのは命懸けの作業でした。また、ジャッキアップ中にバランスを崩して高架橋が滑り落ちるとプロジェクトそのものが台無しになるばかりか二次災害が発生するため、ジャッキアップも慎重を期して行なわれました。
▲ 3月30日午後2時に行なわれた運輸省の検査。
重量のある重連の電気機関車4本を一斉に通過させ、高架橋のたわみが16mm以内なら合格(開業できる)という検査でした。
▲ 六甲道駅を通過する重連の電気機関車。
たわみは基準の10分の1以下に収まり、この区間の開業が決定しました。2年かかるといわれた難工事を僅か2ヶ月半で成し遂げ、4月1日、神戸は74日ぶりに他の町と繋がりました。
最近の神戸は、住民の入れ替わりが進み震災を知らない若い世代が増えてきており、「被災地なのに被災者が住んでいない」とも言われ、震災の記憶の風化が進でいますが、そういった、震災を知らない若い世代の方々には是非見ていただきたい作品です。

9