創芸社から『
RAIL WARS! -日本國有鉄道公安隊-』というシリーズ(豊田巧著、クリア文庫)が現在4巻まで発売されているのですが、昨年12月に、その4冊を買って、1日に1冊のペースでほぼ一気読みしました。
この作品は、ジャンルとしては所謂“ライトノベル”とされる小説で、国鉄が分割民営化されずJRが発足していない、もう一つの日本を舞台に、国鉄の鉄道公安隊・東京中央鉄道公安室第四警戒班(通称:けいよん)に研修生として配属された現役高校生達の活躍を描いた作品です。
あくまでも小説、しかもパラレルワールドの現代日本を舞台にしたフィクション作品ですから、荒唐無稽な設定や展開が全く無いわけではなく、そもそも、かつて国鉄に実在した現実の鉄道公安職員(一般に広く認知されていた鉄道公安官という名は俗称です)はただの一度も実戦での発砲が無かったにもかかわらず、この作品では研修生達が何度も独断で拳銃を発砲する機会があるなど、現実離れした描写も少なくはないのですが(笑)、しかし私は、エンターテインメント作品としては純粋に楽しく読むことができました。
国鉄の分割民営化を企む過激派組織「RJ」が登場するのも、設定としては面白かったです。
但し、この作品の主要な舞台は東京で(2巻の一部では北海道も舞台になりますが)、関西圏はほぼスルーされていますが(笑)。
ちなみに、1〜4巻までの全ての表紙には、この作品のヒロインが描かれていますが、この作品の主人公は彼女ではなく、桐生鉄道高等学校に在学しながら学生鉄道OJT(高校2年になったら鉄道会社で働くという研修制度)により国鉄の鉄道公安隊に出向することになった高山直人というごく平凡(?)な男子高校生が主人公です。
かつて国鉄に実在した、本物の鉄道公安職員については、以下の本で詳しく紹介されています。
小説ではありませんが、この本もとても面白かったです。オススメです!


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