大阪モノレールの路線延伸については、
平成18年11月15日の記事で、同モノレールの支線に当たる彩都線での阪大病院前〜彩都西間の延伸・開業を紹介させていただきましたが、今月に入ってから、今度は同モノレールの本線に当たる大阪モノレール線で、路線延伸の具体的な検討が始まったことがニュースとして報道されました。
この延伸案は、大阪モノレール線の南側終端の門真市駅(京阪本線と接続しています)から、近畿自動車道に沿う形で路線を南に延ばし、近鉄けいはんな線の荒本駅、もしくは近鉄奈良線に新設する駅(八戸ノ里駅〜若江岩田駅間)に接続させるという案で、最終的には、そこから更に南進して南海の堺市駅まで延ばすルートも想定されているようです。
もっとも、堺市までの延伸は2050年の完成を目標としており、現時点では現実的とは言い難いですが(2045年までに東京〜大阪までの全線開業を目指す
リニア中央新幹線の完成よりも更に先の話です)、近鉄けいはんな線の荒本駅までの延伸なら、現在終点の門真市駅からだと約6kmの路線新設で済むので、直ちにそれが実行できるかどうかは未知数でも、夢物語とまでは言えません。
以下に、「
やっと“解禁”、大阪モノレール南へ延伸 大阪空港へ利便向上」というタイトルで今月9日に産経新聞にアップされた記事を転載させていただきます。この延伸案の詳細についてはこの記事を御参照下さい。
『
大阪府北部を走る大阪モノレールについて、大阪府が門真市駅以南の延伸構想の実現を目指し、本格的な検討に入ったことが8日、府関係者への取材で分かった。東大阪市の近鉄奈良線までの約8.7キロの延伸を想定。奈良方面や府東南部から大阪(伊丹)空港へのアクセスが向上する。府の担当者は「大阪市内を含めた府北部を環状に結ぶ鉄道網ができ、利便性が飛躍的に高まる」と、利用客の大幅増にも期待を寄せる。大阪府市統合本部などでも議論し、予算化を目指す方針。
大阪モノレールは、府などが出資する第三セクター「大阪高速鉄道」(同府豊中市)が運行し、レールや駅など施設の設置は府が行ってきた。平成16年に国の近畿地方交通審議会の答申で、東大阪市までの延伸構想が打ち出されたが、府は財政難などを理由に、本格的な検討をせず、構想は事実上凍結されていた。
府の想定によると、門真市駅から近鉄奈良線(八戸ノ里駅−若江岩田駅間)まで約8.7キロを延伸する場合、総額約900億円の事業費が必要になると試算している。このため、近鉄けいはんな線荒本駅までの約6キロの延伸を目指す案もある。
大阪モノレールは、19年度に支線の彩都(さいと)線が阪大病院前−彩都西まで延伸し、利用者は、前年度比で約200万人増加。翌年度以降は3600万人台の利用者数で推移している。
府は深刻な財政難に陥っているが、モノレールを運営する大阪高速鉄道は、13年度から黒字に転換、22年度末には約12億円の黒字になっている。10年度末に約650億円に上っていた長期借入金も、22年度末には約227億円まで減らしている。
延伸に伴う施設工事は、従来通り府の予算で賄うことになる見通しだが、同社の黒字も生かせば、資金調達が可能になると見込んでいる。
延伸には、松井一郎知事も前向きな姿勢を示しているといい、具体的な事業費のほか、近鉄線などとの接続でどの程度利用客が増加するかなど詳細な調査もする方針にしている。』
…とのことですが、今回のニュースに対しては、歓迎や期待を示す意見がある一方で、ネット上では意外と冷めた意見も目立っています。以下、某掲示板からの転載です。
「伸びる延びるといわれ続けて早20年」
「運賃高すぎ」
「阪急の新大阪乗り入れもままならんのに」
「そのうち淡路島まで行くな」
「何十年かかるのさ…」
「2050年ワロタw」
「これは無駄な公共事業の見本ですか?」
「モノレールを堺まで伸ばすのは最初の計画どうりやん。ずっと凍結されてたけど」
「過去に戻レールを作ってくれ」
「千里中央に行く用事を思いつく奴は天才」
「こんな実現できるか分からないものはいいから早くおおさか東線完成させろ」
「伊丹から堺まで乗ったら何分かかるんだろうな。90分くらいかかりそうだな」
「すでに世界一長いのにさらに伸ばすのか。無敵だな」
大阪モノレールの延伸が本当に実現するのかどうか、府の財政等を考えると現実にはかなり厳しいものがありますが、しかし、一時は恐らくほとんどの人達が「本当に実現するのか?」と半ば諦めていた
阪神なんば線が実際に開業したという実例もあるので、この延伸計画の今後の動向については、私もしっかりと見届けたいと思っています。

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