阪急は
今年3月10日に鉄道開業100周年を、嵐電は同月25日に開業100周年を、そして京阪は
今年4月15日に開業100周年をそれぞれ迎えましたが、近鉄は今日、創業100周年を迎えました。
近鉄は、今から丁度100年前の明治43年9月16日、奈良軌道として設立され、翌月、大阪電気軌道に社名を変更し、全長3,388mに及ぶ
生駒山トンネルを貫通させた後、大正3年に
大阪上本町〜奈良間を開業させました。
大阪電気軌道はその後、畝傍(現・橿原)線、八木線を建設し、天理軽便鉄道を合併して改軌電化して天理線とし、昭和2年には参宮急行電鉄を設立して伊勢にも進出し、昭和6年に上本町〜宇治山田間を全通させました。
昭和11年、参宮急行電鉄は、名古屋地区と伊勢とを連絡していた伊勢電気鉄道を合併し、これにより大阪〜名古屋間が全通しました。ただし、大阪電気軌道や参宮急行電鉄の路線が標準軌であったのに対し、伊勢電気鉄道の路線は国鉄と同じ狭軌だったため、当時、大阪〜名古屋間を移動する場合は伊勢中川での乗り換えが必要でした。
昭和10年代に入ると、参宮急行電鉄は関西急行電鉄と養老電鉄を相次いで合併し、昭和16年には、大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併し、社名を関西急行鉄道としました。
戦争中の昭和18年、関西急行鉄道は、現在の南大阪線を有してした大阪鉄道を合併し、ここに、現在の近鉄路線網の骨格が完成しました。
そして、昭和19年、戦時統合により関西急行鉄道と南海鉄道が合併し、近畿日本鉄道、いわゆる近鉄が誕生しました。ただし、戦後(昭和22年)、旧南海鉄道は独立して近鉄から離れました。
戦後、名古屋線を標準軌に改軌する準備が始まったのですが、その準備の最中、昭和34年9月に伊勢湾台風が中部地方を直撃し、名古屋線は全線不通に陥りました。近鉄では、この復旧に際して改軌工事を併せて行うことを決断し、62日間の突貫工事で改軌を行い、その年の12月に名阪直通特急(2階建特急10100系 新ビスタカー)の運転を開始しました。
現在は、平成15年年に投入された「アーバンライナーnext」など、車内の快適性が向上した各種車両が各路線で活躍しています。
皆さんも御存知のように、現在の近鉄は、大阪府・奈良県・京都府・三重県・愛知県の2府3県に跨る長大な営業路線網を有しており、JRグループを除く日本の鉄道事業者(民営鉄道)の中では最長の路線網を誇っています。
関西圏の民鉄のみならず、日本の民鉄を代表する鉄道会社として、これからも近鉄の活躍と躍進に期待しています!
ちなみに、近鉄は今年5月に、平成25年までに大阪〜伊勢志摩間に、食堂車を連結した本格的なリゾート特急を走らせると発表しており、個人的にはこの計画の実現にも大いに期待しています。

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