前回の日記の冒頭でも書かせていただいたように、私は今月の17〜19日にかけて、2泊3日の旅程で九州北部(福岡・久留米・熊本など)を旅行してきました。
1日目の夜は、前回の記事で詳しく報告させていただいたように阪神・
神戸高速・神鉄・神戸市営地下鉄の各路線を乗り継いで神戸市内をグルっと一周してきたのですが、2日目は、お昼から夕方にかけて、JR・熊本市電・熊本電鉄の各路線を乗り継いで、熊本市内を一周してきました。
お昼頃、JRの特急「有明」で熊本駅に着いた私は、まずは熊本市電に乗って辛島町へと向かいました。その日私が宿泊するホテルは辛島町にあるため、まずはそこにチェックインして荷物を置いて身軽になるためです。
ちなみに、熊本駅の周辺は思っていたよりは活気が無く、今年度末に九州新幹線が熊本駅に乗り入れるようになるとまた変わってくるかもしれませんが、現時点での熊本の中心部(繁華街)は、熊本駅周辺ではなく、熊本駅からは少し離れている辛島町近辺のようでした。京都の昔からの繁華街が京都駅周辺ではなく河原町三条・四条河原町・四条烏丸などの周辺、福岡の最大の繁華街が博多駅周辺ではなく天神や中洲の辺りであるのと同じような感じかもしれません。
そして、辛島町のホテルに荷物を置いた私は、ホテルから熊本電鉄藤崎線の藤崎宮前駅までタクシーで移動し、熊本電鉄における熊本中心部側の事実上のターミナルになっている藤崎宮前駅を見学してから、同駅から黒髪町駅まで線路沿いに歩いて移動しました。
藤崎宮前から黒髪町まで歩いたのは、その区間内にある併用軌道区間(道路の上を電車が走っているシーン)を見学したかったからです。
黒髪町駅からは熊本電鉄6000系電車に乗って北熊本駅へと行き、北熊本駅で30分程駅構内を見学してから、同駅から上熊本駅行きの5000系電車に乗り換えて上熊本駅へと向かいました。
そして上熊本駅からはJRに乗り換えて、一旦熊本駅へと行ってから、同駅で豊肥本線(愛称は阿蘇高原線)の電車に乗り換え新水前寺駅へ行き、新水前寺で熊本市電に乗り換えて、ホテルのある辛島町へと戻ってきました。
▲ 熊本駅前の路線切替工事中の区間を走る熊本市交通局の0800形電車。昨年4月に営業運転を始めたばかりの最新の路面電車(熊本市交通局としては12年ぶりに導入した車両)で、1台車のみの車体を2つ繋げた連接構造の低床式車両(2両編成ではなくあくまでも全体で1両)です。
ちなみに、この路線切替工事は、熊本駅への新幹線乗り入れに向けて行われている駅全体のリニューアル工事の一環のようです。
▲ 0800形電車の車内。運転士の他に車掌も乗車するツーマン運転を実施していました。この電車の定員は82名(着席定員は30名)とのことです。
▲ 熊本電鉄の藤崎宮前駅。
ビルの1階部分に設置されている藤崎宮前駅は1面1線のホームしかなく(駅構内にはもう1線が撤去された跡がありました)、ターミナル駅の割には随分と寂しい感じの駅でしたが、しかしターミナル駅がこの規模で、しかも熊本電鉄の全線が単線であることを考えると(それに加え熊本電鉄が一時鉄道事業からの撤退を検討していたことも考えると)、30分間隔で列車を運行しているのはむしろ“頑張っている”というべきなのかもしれません。
かつて、京都の叡山電鉄は経営難に苦しんでいましたが、
鴨東線が開通したことで京阪の路線が三条から出町柳まで延伸され、その結果、ターミナル駅であるにもかかわらずそれまで“陸の孤島”状態だった叡山電車の出町柳駅は京阪の出町柳駅と接続されて都心部からのアクセスが大きく改善され、それが経営難から立ち直る一つの大きなきっかけとなりましたが(そのへんの経緯については
平成19年7月22日の記事でも触れさせていただきました)、それと同じように、他のどの路線とも接続されていない“陸の孤島”状態の藤崎宮前駅も、熊本電鉄もしくは熊本市電の路線延伸により相互に連絡(可能であれば相互乗り入れ)するようになると、熊本電鉄の経営状況や将来性は大きく好転する可能性があるのですが、現時点では、LRT化の構想はあるようですが路線延伸に向けてはまだ具体的には動き出していないようです。
▲ 併用区間を走る熊本電鉄6000系電車。2両だけの編成とはいえ、路面電車ではない一般の鉄道車両が道路を走るのはやはり迫力があります。何となく京阪の
京津線を彷彿させる風景でした(ただし京津線は道路の端ではなく中央を、しかも4両編成で走りますが)。
この6000系電車は、都営地下鉄三田線で使用されていた6000形電車を東京都交通局から譲り受けて、西鉄の工場で熊本電鉄仕様に改造(先頭車のみによる2両固定編成化、架線電圧の変更に伴う一部機器取替え、ワンマン運転対応化、前面下部のスカート設置など)を施したもので、私は小学校低学年の頃、三田線沿線の板橋区高島平に住んでいたため当時は三田線に乗る機会がよくあったので、もしかすると私が昔三田線で乗ったことがある車両だったかもしれません。
6000系は、現在は熊本電気鉄道の主力車両として、藤崎宮前〜御代志間で運行されています。
▲ 北熊本駅のホームに入線する直前の6000系電車内(運転室のすぐ後ろ)から撮影した北熊本駅構内全景。
同駅は菊池線と藤崎線の分岐駅(乗り換え駅)で、2面3線のホームを持ち、車両基地も併設しているため、熊本電鉄の中では最も規模の大きい駅です。停まっている電車は、左側から6000系、南海から譲渡された200系(ただし南海時代の型式は22000系)、6000系、東急から譲渡された5000系、6000系です。
ちなみに、5000系は昭和29〜34年にかけて製造された、今となっては“骨董品”と言っても差し支えないほどの旧式電車で、東急から地方私鉄に大量に譲渡されましたが、現在でも動く状態にあるのは熊本電鉄に在籍している2両のみです。なお、この5000系の写真は下記URLの記事にアップロードさせていただきました。
http://yaplog.jp/syouwa-scene/archive/35
▲ 北熊本駅のホームから撮影した熊本電鉄6000系と200系。
200系は主に予備車として運用されているようで、北熊本〜上熊本間の折り返し運転は基本的に5000系が受け持っているのですが、その5000系は老朽化が激しいため、最近は5000系の代わりに北熊本〜上熊本間で使用されることが多くなっているそうです。
▲ 熊本駅の0番ホームA乗り場で撮影した、豊肥本線を走るJR九州の815系電車。平成11年10月の豊肥本線(熊本駅〜肥後大津駅間)の電化開業にあわせて営業運転を開始した型式です。

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