まだ1月とはいえ、「あけましておめでとうございます」と言うよりは、もう「寒中お見舞い申し上げます」と挨拶すべき時期になってしまいましたが、今回は平成22年に入って第1回目の記事なので、あえて言わせていただきます。
皆様、新年あけましておめでとうございます(笑)。
本年もよろしくお願い致します!
さて、平成22年の干支が「寅」であることに因み、今日は、阪神電車について書かせていただきます。
トラといえばやはり阪神かなと(笑)。
上の写真(
昨年3月18日の記事からの再録)は、昨年3月に私が阪神尼崎駅のホームで撮影した、阪神9300系です。
私は、実は阪神電車の中ではこの9300系が一番好きなのです。今回はこの電車について少し書かせていただきます。
9300系は、平成13年3月のダイヤ改正で山陽電鉄直通特急(阪神梅田〜
山陽姫路間)が増発されることへの対応と、製造以来40年近く経過し老朽化が進んでいた急行用車3000系の置き換えを主目的として新造された急行用車で、平成13年から翌14年までに6両編成3本の計18両が武庫川車輛工業で製造されました。
9300系の車種構成や主な基本スペックは、阪神では30年ぶりのステンレス製車体として平成8年に製造された9000系(
阪神淡路大震災による急行用車の廃車代替用として川崎重工で6両編成5本の計30両が製造されました)に準じていますが、9300系の車体はステンレス製ではでなく、従来通り鋼製の車体となっています。
また、9300系の中間車4両は、阪神では37年ぶりとなるセミクロスシートを採用しており、長時間乗車する乗客の居住性が考慮されていることも、9300系の大きな特徴の一つになっています。
外観上で9300系の個性が最もよく出ているのは、やはり、先頭車の裾の折れた前面でしょう。
左右に大きな後退角を取って裾部を斜めにカットすることで、流線形でもないのにスピード感が感じられ、とてもカッコイイです。鼻筋の通ったようなハンサムな貫通扉も男前です(笑)。
しかし、そのように従来の阪神電車にはなかった斬新な外観を採り入れているにも拘わらず、全体を通して見ると、9300系のスタイルやデザインは紛れもなく阪神電車の伝統を引き継いでいます。
9300系の前にデビューした9000系は銀色に輝くステンレス製の電車(その後9300系に準じた塗装が施されましたが)で、また、9000系の後にデビューした
1000系も、銀色を基調としたステンレス製の電車であり(初めて見た時は近鉄の電車みたいだなぁと感じました)、どちらの形式も従来の阪神電車のイメージとはかなり異なっている感が強かったのですが、それに対して、プレストオレンジとシルキーベージュの上下ツートンカラーをまとった9300系は、従来の赤銅車のイメージにかなり近い、どこからどう見ても“立派な阪神電車”であり、私はそういった点からも9300系には好感を抱いています。
もっとも、9300系のカラーリングは、一部の熱狂的な虎キチ(タイガースファン)からは「親元(阪神タイガースの親会社である阪神電鉄)が敵(ジャイアンツ)の色(オレンジ)をまとってどうするんじゃい!」とひんしゅくを買ったそうですが(笑)。
ところで、
一昨年2月18日の記事では、「阪神電車は今までバンドン型密着連結器という独自の形状の連結器を使ってきましたが、
阪神なんば線の開業に合わせて近鉄電車と同形式の廻り子式密着連結器に付け替える作業を進めています」という内容を書かせていただきましたが、連結器のこの交換作業により、9300系先頭車運転台側の連結器の中心高さは、従来の645mmから840mmに上がり、そのため、そのままでは連結器が妻面下部に接触することから、妻面下部を欠き取る改造も同時に施されました。
下の2枚の写真のうち、上段が平成18年7月に阪神三宮駅で撮影した改造前(バンドン型密着連結器の装備)の写真、下段が昨年3月に福島駅で撮影した改造後(廻り子式密着連結器を装備)の写真で、この2枚を比べてみると、改造の前と後では、連結器の高さや妻面下部の形状が明確に異なっているのがお分かりいただけると思います。
なお、9000系は阪神なんば線や近鉄奈良線に直通するため、近鉄線に対応させるための各種の改造が施されましたが、9300系は、9000系よりも新しい電車ではありますが近鉄線には乗り入れないため、連結器の交換とそれに伴う妻面下部欠き取以外の改造は施されていません。
下の写真2枚は、私が所有する鉄道模型(Nゲージ)の9300系です。
グリーンマックスの製品(基本4両編成セット+増結用中間車2両セット=計6両)で、室内には照明(別売)も組み込んでいます。
この模型では、9300系の特徴的な裾の折れた前面がキチンと再現されており、また、御覧のように先頭車の連結器は、改造が施される前のバンドン型密着連結器が再現されています。

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