現在、兵庫県姫路市内で進められている「JR山陽本線等姫路駅付近連続立体交差事業」は、JR山陽本線約4.3km、JR姫新線約1.3km、JR播但線約1kmをそれぞれ高架化し、さらに貨物基地と車両基地の移設も併せて行うという、総事業費約609億円、事業期間が平成元年〜22年度までの、大規模な事業です。
この事業の主軸は、現在平地を走っているJR山陽本線を高架化することですが、その高架化工事により、JR山陽本線と立体交差している山陽電鉄本線も路線の切替工事が行われことになり、今年の3月26日、その日一日だけ山陽電鉄の山陽姫路駅〜手柄駅間の営業を休止して、立体交差変更工事が実施されました。
この立体交差変更工事は、路線の切替工事としてはかなり珍しい事例といえます。
今まではJR線が平地を走り、高架線の山陽電鉄がそれを跨いで立体交差していたのですが、今年3月に実施した立体交差変更工事により、今度はJRが新設された高架線を走りようになり、山陽電鉄は、高架化されたそのJR線と立体交差するために高架線の一部を廃止し、平地を走る新ルートに切り替わり、その新ルートがJRの高架線の下を潜る、というように、上下関係が今までと逆転することになったのです。
とはいっても、姫路市内の山陽電鉄本線は、あくまでも高架の一部が平地線に切り替わっただけであり、高架線そのものが廃止されたわけではありません(高架の区間は今までよりも短くなりましたが)。
そのため、山陽電鉄本線の終端駅である山陽姫路駅(頭端式3面4線のホームをもつ高架駅)は、従来通り使用され続けます。
ただし、今回の路線切り替えにより、山陽姫路駅のホームの運用は、北側の1・2番線が普通、南側の3・4番線が直通特急ホームに変更されたようです。
今回の写真は、その山陽姫路駅です(この写真は、切替工事が実施される3年前に撮った写真ですが、現在とは特に変わっていません)。
この駅は、山陽百貨店のビルの2階に内包されているターミナル駅ですが、昭和29年に竣工された駅であるため、近隣の近代的な駅と見比べると、やはり古さは否めない雰囲気の駅です。
でも、個人的にはこういった雰囲気の駅は好きです。

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