ひさしぶりに奈良の実家に帰った。
なつかしの駅に着くと、
「あれ!?谷村くん?」
と後ろからどこかで聞いたことのある声。振り返ると高校の時同じクラスのAちゃん。
「最近どうしてるん?」
などと、ここ10年ほどの時間を感じさせへんくらいに親しく話掛けてくれるAちゃんやったけども、10年前とは明らかに違う大人な部分を持っている彼女をみて人間の成長、人の魅力というものに気付いた。
話していると僕らの行ってた高校は来年の3月に隣の学校に合併されてなくなってしまうらしい。
「ひさしぶりに見に行ってみいへん?」
という彼女の誘いに悩む間もなく懐かしの通学路をふたりで歩いてた。
彼女はいま会社のある企画で主任を任されているらしい。それらの悩みや成功へ向けての努力を生き生きした笑顔で語る彼女をみて僕もなんだかうれしくなった。そうこうしているうちに学校の前。当然閉まっている門の前僕らは缶ジュース1本で何時間も話し込んだ...
ってな事はまったくなく実家に着いていつも通りの晩めしに感動をおぼえ、片付けられてしまっている懐かしの私物をあれやこれやと引っ張りだしてたくさんのおみやげを両手いっぱいに持っていま暮らしている部屋に戻ってきた。