待望のデーケン本の一冊が届いた
「よく生き よく笑い よき死と出会う」 アルフォンス・デーケン 新潮社(2003)
著者のサイン入りです
生死学40年の退官記念講演をベースに 『「死への恐れ」を乗り越えるためのユーモア感覚の勧め』の章が 書き添えてある
御自分もがん宣告され治療した体験が 一番の勉強になったようです
ジョン・ウェインが がん宣告を受けてから寄付を集めて 死後に癌研究所を作ったように 死の準備教育の可能性は大きいと説く
デーケンは がん告知と疼痛緩和とホスピスコミュニケーションの大事さを日本に訴えてこられた学者です
キューブラー・ロスの5段階の死のプロセスに 「期待と希望」を付け加えているが そこには殆どユーモアの説明がない
見送る人達への悲嘆教育の重要性をも説き 12のプロセスを提唱する中に 「新しい希望ーユーモアと笑いの再発見」と言うのがあるが 悲しみが少なくなればユーモアの余裕が出ると言った位の事でした
つまり ユーモアや笑いについてはデーケンも紹介する次のような本にある「笑いで悲しみを吹き飛ばせる」といった内容でした
「笑いと治癒力」ノーマン・カズンズ(同時代ライブラリー (261))(岩波現代文庫)
不治に近い難病を「笑って」治したジャーナリストが,自らの体験を記すと共に,人間の自然治癒力の驚くべき可能性を取材する.創造力と長寿,プラシーボ効果,痛みの効用など心とからだの微妙な関係に着目し,全人医療のあり方を問う.
マイクはもっと積極的に 死自体にユーモアや楽しさがあるのではないかとの思いからこの本に期待していましたが そのような考え方は40年の死生学では生まれなかったように読み解きました
一寸寂しく今夜は寝ます

2