ガーナ(9G)訪問記
96年1月上旬に2週間程ガーナのアクラに滞在した機会に9G1PBと9G1MQに面会し、9G1ARS(クラブ局)設置予定場所を訪問した。
GFR&CB(日本の電気通信管理局に相当)の責任者、ブロック氏(9G1PB)と面会した所、運用許可を得るには外国人でもアマチュア無線局の運用技術がある事を証明出来れば良く、数日で運用許可を交付可能との話であった。
現在、ガーナ人約10名を含む、30数名にアマチュア無線局の免許が交付されている。
彼は個人コールを所持しているが、無線機が無いので自局の運用はしていない。また、昨年に京都で開催されたITU会議に参加、来日経験があり親日家です。彼の事務所には海外のアマチュア無線家から数枚のクリスマスカードが届いていた。
申請ラッシュの業務用無線局に加えてアマチュア無線局も同レベルで事務処理されており、事務所の中は書類が山と積まれていて、係り官は多忙を極めていた。87年に、私が業務用無線機運用許可を申請・取得をした時に、ここで見かけた日本製HFトランシーバ、2台が「ほこり」の被った、当時のままの状態で置いてあった。
今回、私の申請した「9G1AS」局は、手数料を支払を終え、許可を入手する最終段階で、当局の作業時間が無い事を理由に、帰国日までに運用許可を入手出来なかった。次回訪問時に受領する事にした。
GARS(ガーナアマチュア無線連盟)GFR&CBの前責任者のジャクソン氏が会長。会報によれば、オンエアミーティングは毎日曜日、0800GMT、7070kHz,SSBで行われている。しかし9G1MQの話では、オンアエアしているのを聞いた事が無いと。アマチュア無線局免許所有者は自動的に連盟会員に登録されるようだ。GARSへ連絡はGFR&CB気付けで可能と思われる。
9G1ARS(クラブ局)82年当時まで開局していたが現在閉局中。9G1PBの事務所で、昔のQSLカードを見せて貰った。 GARSは写真の3エレ八木アンテナ設備のあるアクラ・テクニカル・センター(高校レベルの職業訓練センター)の一部を借用して、2、3ケ月の間に、「9G1ARS」を開局すべく準備中。現在、訓練センターにはアンテナがあるのみで、今後、機器類を設置する予定。
センターの電子科責任者、オクロー氏は、クラブ局が運用開始したら、是非ともアマチュア無線を生徒に指導して、運用させたいと将来の希望を語ってくれた。私が訪問した時は、授業終了後の実習室で数人の生徒が「マルチバイブレータ」の組立、動作測定を熱心に行っていた。
9G1MQ(ミッチェル氏)訪問
アクラ郊外、アチモタ地区の小高い山の頂上の開局していて、アクラ市内の彼方にはギニア湾を見渡す最高のロケーション。仕事中、偶然にアンテナを発見して、訪問したが、快くシャックに案内され、お互いの情報・QSLカード交換等をした。
立派な無線局でトランシーバ、TS140S、1kWリニアアンプ、TL922A、アンテナ、TH6DXXを使用している。コンディションの良い時はFM並みの品質で交信が出来ると。主に、アメリカ本国のミッション関係者と定期的な交信しているので、一般にサービスする機会は少ないと話していた。
また、以前、彼は写真のアンテナタワーに登り作業中に、基礎が悪くてタワーごと転倒して額を5針も縫う怪我をしたことがある。
私に無線局提供を申し出てくれたので、当地からの運用を楽しみにしていたが、残念ながら実現しなかった。
免許申請手続き等
@パスポート、無線従事者免許証、局免許のコピー(日本語のままで可)を提出してアマチュア無線局申請書(FORM−C)を入手する。
A申請書に必要事項と希望のコールサインを記入し、パスポートサイズ写真2枚を添えて提出。
B数日後、1年有効の免許が降りると、免許交付手数料、1万セディ(約1千円)を国庫へ納入するよう通知あり、納入領収書のコピーをGFR&CBへ提出して、引換に免許を入手する。
CGFR&CBへ直接手紙で許可申請書を入手出来るかは未確認なので注意が必要。
D無線機の輸入は、空港の税関に機器類を一時預け、後日GFR&CBのサポートレターを税関に提示し、通関する事になるとの説明であった。通常、空港における手荷物の税関検査は比較的簡単に行われていた。
E運用許可の申請先は GFR&CB,(GHANA FREQUENCY RESISTRATION AND CONTROL BOARD) PO BOX 1627 CASTLE ANNEX, ACCRA, GHANA
電話番号666932〜3。独立広場近くの「ステートハウス」隣にあり、「フレケンシーボード」と聞けばすぐにわかる所にある。
87から89年にかけてアクラに滞在した当時は、無線機を所持していたが為に、スパイ容疑で投獄された外国人の話を聞いたりした。また、一部の海外青年協力隊隊員にはガーナ国内の隊員相互連絡用に限り口頭で運用許可が降りていた様であった。
今回の滞在では、町中で業務用HF無線機と大きなアンテナを搭載した車、業務用V・UHFアンテナを多数目にし、またアマチュア無線局が実際に許可・運用されているのを見て、ガーナ国のアマチュア無線を取り巻く環境が大きく改善されたものだと実感した。
de JA7FYF/1 佐藤

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