The Search for Extra Terrestrial Intelligence at UC Berkley
”知られざるニコンの歴史”は何処へ消えた?  堂平の宇宙(そら)から

今日はとても暖かい一日でしたね・・・
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堂平天文台のスリットに昇って遠くを見ても、春霞で下界は見えず・・・
コロナ禍で観望会が開催できなくなって1年が経とうとしています。
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以前、ニコンのHPには”知られざるニコンの歴史”という記事が
存在していましたが、何故か現在は削除されています。
数ある記事の中で、日本の天文学発展に貢献した大型望遠鏡開発の
エピソードが詳しく記載されていて面白かった。
なんで削除してしまったのだろうか?

じゃあ、俺が書いておくべ。
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重厚かつ上品。ニコンはこうあってもらいたい!
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総重量10トンの91cmイギリス赤道儀式反射望遠鏡です。
1962年竣工ゆえ、59年目になります。
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ドームは三井造船が造ったのよねえ〜。
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制御系はニコンが1992年の大改修で総入れ替えしています。
これとて29年前・・・
時計の後ろにあるハルトマン板が泣かせます。
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PC-9801DXの予備機2台。
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三菱シーケンサ予備機2台。
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電源改装、FDDユニット交換、基板洗浄、電解コンデンサー入替え
のリニューアル品ですよ。駆動モータはオリエンタルモータの
デジタルサーボで追尾、微動、中速までをまかなっています。
自動導入時には複雑なクランプ機構と多重ギアシステムの絶妙制御
で大型インダクションモータ&ハイデンハイン社の軸付け
ロータリーエンコーダでビシッ!と動きます。
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この望遠鏡を作った人がこの記事を見ていたらご心配なく。
あっしが一匹いれば光学、機械、電気制御、コンピュータ、ドーム
電源関連まで全部OKです。2015年から延命保守作業をやっており、
現在でも元気に稼働しています。
制御系はピッカピカでっせ〜〜( ̄▽ ̄)

ただ・・・

誰も使ってくれないこの現状。
コロナのバカヤローですねまったく。

副鏡部もこんなにデカイ。
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主鏡開閉は12枚花びら式。
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自動導入画面。モニターはI/Oデータの液晶に変更済み。
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驚異の赤経軸スリップリング機構!
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イヤ、このスリップリングが本当の脅威でして・・・
初期の制御回路はリレーシーケンスだったので大電流が流れます。
なので、リン青銅の接点でも問題が無かった。
1992年の制御系大改修でイマドキなDC24Vセンサー系統に入れ替わりました。
しかも、設定電流が10[mA]以下です。
つまり、接触抵抗に電流値が負けてしまうのです。
よって、接点クリーニングが非常に大切なお仕事になってしまった。
全体的にスバラシイ設計ですが、ココだけはイケマセン。
まあ、どうしてもってなったらアナコンダケーブルで直結します。
その方が確実に動作する筈です。180度も回転しませんし。

山頂ゆえ、雷対策も抜かりなく。コネクター引っこ抜き!!
イヤ、これが一番確実ですよね。
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うーん、良い天気じゃ。北群馬のお山方面を望む。
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トンボ返りで堂平天文台・電源交換  堂平の宇宙(そら)から

今日はトンボ返りで堂平天文台91p反射望遠鏡コントロールラックの
スイッチング電源を交換して来ました。

27年前のスイッチング電源を交換しました。
小さいのが交換したもの。ちなみに、どちらもDC24[V] , 6.5[A]です。
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これで、シーケンサユニットへ供給する外部センサー用電源は安心です。
この電源が不安定だと、全てのリミットスイッチやセンサー類が誤動作
します。
センサー用電源が不安定では話しになりません。
真っ先に交換すべき電源だと言うことです。
他にも電解コンデンサが多数配置されているため、順番に交換しようと
思います。地味み〜な作業ですけど、安定動作には不可欠です。

皆さんの所のシステムは大丈夫ですか?
電源トラブルは徐々に症状が悪化します。
ある日、初期設定が完了しない、通信がコケるなどが初期症状。
次第に全く通信ができない、動かないとなって行きます。
センサーの故障時にシステムが停止するフェイルセーフ設計でない場合、
自動導入中にセンサーが反応せず、場合によってはピラーにヒットする
などの事故が発生します。
非常停止ボタンをコントローラで読み込んで処理しているような
システムも危険です。非常停止出来ませんから。

電源トラブルは万病の元。甘く見てはイケマセンよ!
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タグ: 堂平天文台

堂平天文台91p望遠鏡も電源トラブル  堂平の宇宙(そら)から

電源トラブルが続きますねえ〜(-。-)y-゜゜゜
ま、当然のことです。こちらは27年前の電源ですから・・・

台風の大雨で行くことが出来なかった堂平天文台ですが、
県道172号線の応急的な復旧により、キャンプ施設を再開したようです。
しかし、91p望遠鏡は赤経軸クランプが動作しない、赤緯軸リミット
センサーアラートが出るなどのトラブルが発生したとのこと。

調べた結果、やはりと言うか・・・
またまた電源トラブルによる不安定動作が原因でした。
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赤経軸クランプがウンともスンとも動かない。
コントローラボックスを開けて検査。
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まずは赤緯軸リミット関連トラブルの確認をするため、シーケンサを
予備機に交換。
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特に問題なしです。しかも、今日はそのトラブルが再現しない。
このような場合、まあ、古〜い電源を疑うのです。
ああ、有りました在りました。
27年前のTDK製スイッチング電源。DC24[V] , 6[A]ってのが。
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問答無用で交換です!!

その他のマイナートラブル。
コントローラパネルの押しボタンスイッチなんですが、
0℃以下になると押したまま戻らなくなることが多いのです。
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これは、ベゼル(黒い枠)の方がクリアカバーよりも温度収縮が大きく、
寒くなるとクリアカバーと当たってしまうことが原因です。
今まで我慢してきましたが、辛抱たまらず紙ヤスリでトリミング。
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それからJAEのMILスペックコネクタ+アナコンダケーブル。
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落雷被害対策で都度外しますが、このコネクタは最後までキチンと
ねじ込まなければなりません。大きく扱いにくいので、途中で止まって
いることがあります。そうすると接触不良による発熱・接点損傷、
動作不良が発生してしまいます。これは人的トラブルです。
各人が気を付けるしかありません。
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堂平天文台への道路崩落状況  堂平の宇宙(そら)から

台風の大雨で寸断されていた埼玉県道172号、大野東松山線が一応復旧
されました。ときがわ町から堂平天文台へ登るルートです。

とは言え・・・

まだまだ危険な道路です。下記は昨日22日の状況。
どうしても行く必要がある方以外、近寄るべからず。
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パラグライダー基地付近
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白石峠脇も盛大に崩落。
この左手斜面が立木、道標ごと谷底へ。
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県民の森方面、大野峠へは関係者以外通行止めです。
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完全崩落個所は、応急的に山側斜面を削って新道を作ってありましたが、
その下側を補強してあるわけでなく、また降れば下土流出必須です。
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本年最後の観望会が12月13日(金)にありますが、安全優先で中止になる
可能性が高いです。夜間に通るべきでないことは明らかです。
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堂平の宇宙(そら)から17  堂平の宇宙(そら)から

技師長の笠原はお仕事ですよ。
さて、
梅雨も明けるかと思った23,24日両日は91cm反射望遠鏡制御ラックの
予備シーケンサ動作試験を実施致しました。

この中身が望遠鏡制御の中枢です。
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現在の物は既に↓で交換した代替え機です。
https://sky.ap.teacup.com/eti_forest/655.html

コネクタ類は毎回の清掃でピッカピカの新品同様になりました。
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ちなみに、航空電子(JAE)のMIL_SPECコネクタは長年の使用でも劣化
せず健在! 流石は軍需品。一方、汎用品のSRCNシリーズは
環境暴露耐性が低く、大概はメッキが膨らんで情けない状態です。
アヤシイ接点は接点復活剤を綿棒に着けて挿入抜去を繰り返し、
最後に拭き取って(これ重要)安定動作するように手入れをして
あります。特にセンサー関連の微小電流系統は入念に。
極軸に通っているスリップリング接点ユニットが曲者でして、
当初は大電流のリレー回路でしたが、1992年のNikon大改修時に
DC24V系弱電センサー電流系統でも使い回してありました。
ココがね、常に磨いておかないとエラーになるのですよ。
俺だったら弱電センサー系統にロータリー接点は使わないよ。
見た目カッコ良いけど、ケーブル直結の方が余程安定的です。

三台のシーケンサを入れ替えながら動作試験。
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このEEPROMがね、大切なのです!
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今回の予備シーケンサは韓国とフィリピンから輸入しました。
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運良く2台とも正常動作してくれました!!
いや〜、正直ホットしたあ〜。
2016年からの2年間で、同機種は殆ど中古市場から消え去りました。
これでシーケンサ3台、PC-9801も3台の完動品を確保できました。
あと5年は大丈夫だと思いますが、それ以降は・・・
動態保存にも限界が訪れるでしょうね。

<三相200V系漏電のその後>

ここ↓でドームの漏電箇所を修理しました。
https://sky.ap.teacup.com/eti_forest/831.html

その後、関東電気保安協会さんの測定で80MΩ越えの絶縁抵抗値と
なって合格でしたが、念のため梅雨の雨上がりでビショ濡れドーム
状態で6月11日に再度測定して頂いた所、0.073〜0.087MΩでアウト
でした。対地電圧150V〜300Vでは、0.2MΩ以上の絶縁抵抗が無いと
不合格となります。
  |
  +−>要するに、ドームの雨漏りを治すのが先決ってこと。

しかしながら、
この梅雨時も主幹漏電ブレーカが落ちることも無く、ドームは
正常に使えていました。雨が降るとドームのバックヤードが濡れて
検査はNGとなりますが、漏電ブレーカを落とすまでは行かない
訳ですね。修理前は乾燥していても落ちていましたから、
私的には漏電修理は完了したと思っております。
  |
  +−>一刻も早く雨漏りを治して下さい!!

7月26日(金)が晴れると良いなあ〜。 ・・・んっ? た台風?

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タグ: 堂平天文台

堂平の宇宙(そら)から16  堂平の宇宙(そら)から

昨年10月以降、仕事以外無い生活を続けている☆男です。
今日は堂平天文台の91cm反射式望遠鏡の2月営業直前保守を
やって来ました。ドーム内は5℃で全くもって余裕です。

が、

フロッピーディスクは余裕じゃなかったみたい・・・
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起動一発目からディスクI/Oエラーで動きませんでした。
案の定、フローッピーディスクにはヘッドキズが付いていました。
厳冬期にPCを暖めないでFDを突っ込めば、まあ、確実にこうなる。
と言っても、いつも分かった人が使うとも限らないし、
そもそも、今時FDの取扱いなんて知らん人の方が多いわな。

そんなことでゴチャゴチャ言っても始まらんので、
予備ディスクを6枚作って置いて来た。
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FDD AとBの両ドライブで起動させること数回。
更に1時間の通電を行い、2号機と入れ替えました。
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PC-9801DXの2号機でも同様にA,B共に動かし、
その後4時間のエージングを実施。
4枚の拡張カードも清掃後に入れ替えです。
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さて、その他の動作テストもやらなくっちゃ!
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☑自動導入テスト13:30〜

 デネブカイトス☑→火星☑→大きく西へ駆動してマルカブ☑
 →大きく東へ駆動してアルデバラン☑

 特に大きく東から西へ駆動する際、以前発生していたスリップリング
 による接触不良が出ないか入念にチェック。
 LIMIT STATUSやエラーメッセージを出しての停止など、一切なし。

☑赤経軸、赤緯軸クランプ動作(但し、赤緯軸はやや異音あり)
☑主鏡ふた開閉機構 ☑追尾テスト ☑主鏡Focus動作
☑PC-9801DX Bドライブからの起動(2台とも)
☑ドームの左右回転(複数回)
  |
  +−>ステータローラの”なじみ前”は、ややゴトゴト異音が
       していたが、後半は許容範囲になった。
☑ドーム固定ロック機構の増し締め

☑漏電修理箇所を含む漏電ブレーカの動作監視(正常)

やはりシーズン初めの駆動は、何かと問題が出るという印象です。
今シーズンは、昨年末に購入したシーケンサを実際に組み込んで
テストする必要があります。
私がこのシステムを保守・修理するようになって3年3箇月が経ちました。
今のところは全て正常動作に持って行けていますが、
大きなモータや電気回路全体の致命的な故障、機械系の故障が発生
すれば、100万円単位の修理費用が掛かります。
昨年末のドーム漏電問題に関しては、問題個所の特定と修理を実施
しました。私は電気工事士の資格を持っているため、公式に修理
してあります。
関東電気保安協会さんの漏電調査でも、昨年8月はNGで、12月はOKに
なっていました。こういった外部機関の検査はとても大切です。

但し、気になる点は他にもあります。
それは、ドーム自体の躯体寿命です。
昨年末にドームのバックヤードに入って漏電修理を実施しましたが、
その際に感じたことです。
内壁の木材は朽ち果て、下部鉄筋は湿気で大いに錆びまくっています。

望遠鏡本体の動態保存寿命を、今後5年と見積もっていますが、
ドームはもっと早いかもしれません。
この辺りの判断は、建造物の専門家に委ねたいところです。
重量のある可動建造物ですから、早急にやった方が良いと思います。

今年も1年頑張っておくれ!!
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タグ: 堂平天文台

堂平の宇宙(そら)から15  堂平の宇宙(そら)から

堂平天文台の91cm反射式望遠鏡はPC-9801で制御されています。
・・・・
って思われていますが、実は一番の心臓部は三菱シーケンサです。
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2016年10月に韓国から中古品を取り寄せ、故障した個体との入れ替え
を実施しました。
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解析中。
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その後2年間無事に稼働していますが、最近ややアヤシイ動きが
出て来ました。このシーケンサが故障したら全システムが停止して
しまうため、今回追加で2台を購入しました。
韓国とフィリピンのFA中古業者さんからの直輸入(再輸入?)です。
もう、流石に世界的に機能する個体が無くなっているようです。
これが最後だと思います。28年前のシーケンサですからね。

対してPC-9801DXは元気に動いています。
流石はNEC製です。もちろん電源、コンデンサ、FDDなどを
総入れ替えし、基板に防湿加工を施したスペシャル・リニューアル品
です。結構なお値段ですが、これを2台ストックしており、
都合3台体制が出来ています。
今回のシーケンサ追加で、シーケンサも3台体制になった訳です。
ちなみに、
PC-98が故障した場合でも、シーケンサが収納されているラック側
だけで望遠鏡を動かすことが出来ます。自動導入が出来ないだけ
です。

現在の堂平天文台は”ときがわ町”が運営しており、観測施設では
ありません。星と緑の創造センターというキャンプ場、BBQ施設が
併設されています。観望会は月に2回ありますが、あくまでも
キャンプ施設がメインの施設になっています。
なので、
この大きな望遠鏡を、今後どのように運営して行くか難しい問題です。
部品ひとつとっても高額なものばかりです。
と言うより、既に入手困難なモノが多いのです。
代替品で入れ替えるにも手間とお金が掛かります。

私の役目は、この望遠鏡を如何に延命させるか。
如何に安価に動態保存させるか、というものです。
PC-98系と三菱シーケンサが3セット用意できたので、
まずはホッとしました。

えっ?

最新の自動導入機構に改造しちゃえばいいじゃん!

フォフォフォ(V)o¥o(V)

そんな危険でマニアックでハイリスクで高予算な案件が通るハズ
無いでしょ〜が!!

町のシンボル”ドーム君”は今日も健在です。
https://www.town.tokigawa.lg.jp/forms/search/searchtop.aspx?SearchKeyword=%83h%81%5B%83%80%8CN

”望遠鏡ちゃん” じゃなくって ”ドーム君” なんだなあコレが。

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タグ: 堂平天文台

堂平の宇宙(そら)そらから14  堂平の宇宙(そら)から

堂平天文台のドームが漏電を起こして事実上使えなくなったため、
昨年11月にアレコレ調査を実施し、原因究明と修理を行いました。
ドームのバックヤードとでも言いましょうか、内壁と外壁の間には
メンテナンス用の隙間があります。
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潜水艦の中のようです。
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巨大なリブには下部に小さめの穴が開いており、ここを潜り抜けて
隣のエリアに行くのです。雨漏りで側壁の木材は朽ち果てています。
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一番の下部には三相200Vの三連トロリー、五連トロリーがあります。
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摺動部は下向きに配置されているため、ドームの外からアクセスします。
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バックヤード内はビショビショ、サビサビの真っ暗闇、
ドーム外部は氷点下の寒風吹きすさぶ冬山の頂上な訳ですよ。
まずは三相200V系の配線を総点検。
ジョイントボックス内はなんとか無事でした。
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Fケーブル等の内部配線も無事で、漏電の兆候はありません。
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三相200V系トロリーの摺動子部は・・・
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5㎟キャプタイヤケーブルの暴露部はボロボロでした。
漏電と言うよりも短絡、地絡状態です。
三連、五連トロリーの摺動部は全部配線をやり直しました。
良くこんな状態で動いていたもんだ。
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幸い5㎟も2㎟も被覆内のケーブルは柔軟性を維持していた為、
新たに剥き出して再配線。
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絶縁テープとタイラップで保護し、ケースに収納。
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スリット開閉用回路の過電流保護装置が一回作動しましたが、
リセットして正常復帰。
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その他、ドーム内照明(100V系、200V系)、天井のウィンチ、主幹
ブレーカ、過電流遮断器なども総点検しました。
昨年8月に関東電気保安協会が漏電検査を実施した際、
ドーム系三相200Vで漏電を指摘されていましたが、12月の再検査では
正常に戻ったようです。12月14日で観望会は終了しましたが、
ドームの漏電ブレーカが落ちることは無くなりました。
ビンゴだったかな?
これで、今年の梅雨時を乗り切れれば大丈夫だと思います。

それにしても狭いは、寒いは、暗いは、感電しそうだは、
踏み抜きそうだは、挟まれそうだはと、どえらく危険な作業でした。
この部分は56年前のままだったと思われ・・・

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堂平の宇宙(そら)から13  堂平の宇宙(そら)から

技師長の笠原です。
2018年03月13日に接眼部他のバラシを行いましたので書きます。

まず、アチコチ頭をぶつけて危ないので対策。
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これで観望会の時に子どもが頭をぶつける確率が減るでしょう。
私でもしょっちゅうやっちゃうので、見た目より安全重視ですよ。

接眼部はサポートスタッフが製作したと思われる改良品が付いています。
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メーカ品よりも良く出来ています。
アイピース固定も厚めのリングが入っていて感心しました。
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さて、問題は回転機構が全く動かなくなっていることです。
もう、グリスなんかとっくに切れており、ビクともしません。
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バラせるところまでバラシ、グリスアップしました。
これで回転は大丈夫。
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接眼部が根元からカタカタするのですが、ここは簡単には
バラせず今回は見送り。まあ、脱落はしない構造なので後回し。

コレね、元々の接眼部合焦機構。
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今は使っていませんが、ここで合わせた方が数倍、イヤ数十倍
ガッチリすると思いますよ。まだまだ動きました。

えーとですね、
例のバッフル無し鏡筒がどうなっているかと言うと・・・
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おお、見事にお空が見えてしまう!
厚い主鏡と秀逸なセル機構があるため、一応はバッフル効果のような
ものはあるでしょう。取説には、なんと手動絞り機構なるものが
あることになっています。
この主焦点は光電測光や分光器で使った訳ですが、ことによると
それぞれに専用の絞り機構を内蔵していたのかもしれません。

カメラをズラすと更に夜空が良く見えます。
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主鏡側に1mくらいのバッフルを付けたい感じです。
格段にコントラストが上がると思うのですがね〜。
今年は火星も大きくなるし・・・どうでしょうか?

今日のドーム内は4.5℃と春の陽気で、もはやPCも正常起動。
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起動から自動導入操作まで全部確認しました。
3月9日(金)は残念ながら悪天候で観望会が中止になってしまいました。
次は3月23日(金)です。晴れてほしいなあ。
望遠鏡のコンディションはバッチリですよ〜(^^♪
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タグ: 堂平天文台

堂平の宇宙(そら)から12  堂平の宇宙(そら)から

技師長の笠原です。
2018年03月08日の調査で、軸受け機構に関して正確な情報が手に入った
ので記事を修正いたします。
修正した記事は↓です。
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/736.html
上記リンク記事で”ボールベアリングを使っていない”などの
書き込みをしましたが、どうやら間違いだったようです。

ドーム内屋探しの結果54年前の初代取説が出て来ました。
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俺が小惑星に乗って地球に飛来した年ではないか!

赤経軸南端構造
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ウォームホイールの内側に2個、最南端の軸受けに1個の大径
ボールベアリングを使っているようです。
テーパーローラベアリングは無かったのでしょう。

最南端軸受けボールベアリング部の拡大
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ヌウォッ!
こ、こ奴 自動調芯ボールベアリングではないか!
アウターリングのR構造を見逃してはイケマセン。
なんとも可愛い自動調芯機構ですが、ほんの少し、チョットだけ
動けば良い訳だからこれで良いとの判断だったのでしょう。

北端ピラー部も自動調芯ボールベアリングが入っているようです。
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取説の中に”架台の緯度及び方位の調整”という項目がありました。
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僅か8行。それだけ・・・org
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ところがギッチョンチョン・・・・・

万が一にでも、北端ピラーの”緯度及び方位調整機構”を弄ろう
ものなら、極軸ベースに固定されたウォームネジや粗動モータの
大径平ギアとのクリアランスと作動角度が変わってしまう構造です。
この部分は上記リンク記事でダメ出しした通りでした。
何度確認しても、極軸調整をやるにはギアトレンを外す必要がある
ことに変わりはありませんでした。

要するにこの機構、技術者が設置の時にだけ行うように付ている
ものであります。事実上、ユーザには開放していない。
その様な話だったのでしょう。たぶん。

赤経軸目盛環が”極軸にボルト止め(-_-;)”されていたり、
イロイロ面白い構造で見ていて飽きません。

こちらは赤緯軸の構造
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凄いと思ったのは赤経軸ウォームギアの軸受け周り。
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コレとか
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コレなど
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わっかるかなあ〜 ♪

  わかんね〜だろうなあ〜 ♪

え〜とね、
追尾動作でウォームネジでが手前に回転するんですね。
そうするとね、ウォームネジが右側に逃げようとする力が
働くんですよ。それをね、右端でウォーム軸を押している
球座受け部品があるでしょ?
微塵ともズラさない構造なんですよコレ。

また、

追尾動作でウォームネジが手前に回転するとね、
ウォームホイールを押し上げようと力が働く訳ね。
それをね、高精度当てブロックで防いでいるのコレハ。

”恒星時運転時計”の、まさに心臓部ですね!

だからね、
この軸を300倍速とかでギュンギュン回転させてはイケない
訳なんですね。ここに掛かる力はドエライ慣性モーメントを受けて
いるわけです。軸受けはメタルかボールベアリングでしょう。
スラスト荷重を左右にギャンギャン掛けまくっちゃイケない構造。
だから私は、将来的にもココをワンモータで自動導入化することは
致しません。高速は後ろに付いている大径平ギアと高精度ロータリー
エンコーダでやるべき構造なのです。

今回はここまで。
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タグ: 堂平天文台

堂平の宇宙(そら)から11  堂平の宇宙(そら)から

今日は2月定期保守の2日目。
同じイギリス式でもこのくらい大きいですよ。(-。-)y-゜゜゜
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技師長の笠原です。
今日の堂平は小雪が舞う寒い日でした。
でも、ドーム内はマイナス1℃と快適な寒さ!

まあ、何をやるにも登ったり降ったりで筋肉痛になります。
今日のお題は北端ピラー周りの不要ケーブル引きはがし、
赤緯軸サーボモータドライバの大掃除、ケーブルの判別作業です。

赤緯軸サーボモータドライバと赤経軸・赤緯軸エンコーダ電源。
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大掃除して大変キレイになりました。
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こんな所に非常停止スイッチが埋もれていました。
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今日はココのケーブルの判別。
必要なのか不要なのか見極めます。
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結局、全部必要なケーブルでした。
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プライムリングにドーム制御用ハンドボックスがありますが、
全く動作しないし使われていないので廃棄します。
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北端ピラーにあるプライム・ドーム制御用ハンドボックスコネクタ
も引っこ抜きます。
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とにかく土埃がすごく、うっかりコネクタを外そうものなら
かえってトラブルを誘発しそうで怖い。
まずは掃除あるのみ。上記写真は全て掃除済みです。

3月9日(金)から今年の観望会が始まります。
2月は連日氷点下なので、FDDなどを動かすのは危険です。
3月でも5℃以下であればヒータでPC-98付近を暖めないといけません。
次にカラ運転させ、FDDのスピンドルを動かす。
ダミーのFDを入れて更に動かす。
そして、やっと起動用FDを入れてリセットボタンを押すのである。
このくらいやらないと、片っ端からFDがクラッシュして
傷だらけになってしまうのです。

SkyMax改イギリス式・・・ちっちぇ〜(^^♪

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タグ: 堂平天文台

堂平の宇宙(そら)から10  堂平の宇宙(そら)から

本記事は2018年03月07日の調査によって加筆・修正されています。
修正箇所を青文字で記入。


極軸調整不可の図
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技師長の笠原です。
今回は堂平天文台91cmイギリス式反射式望遠鏡のダメ出し第一弾です。

まず結論から言いましょう。
上記のごとく極軸調整が出来ない構造であります!

・北端・南端軸受け共、二つ割りのメタル受け機構。
    
    +−>自動調芯ボールベアリング受けでした。

・南端はいくらかの球座受けになっている可能性もあるが、
 見たところソリッドに固定されていた。
   |
   +−>球座ではなく、自動調芯ボールベアリングでした。

・北端には方位・高度調整機構が備わっているが、これは据え付け時に
 36°00’22”に調整するためのものであり、設置後に極軸を微修正
 してはいけない。
 |
 +−>理由は・・・ギアトレインが全て極軸ベースプレートに固定
          されているからです。

つまり、北端の調整機構を動かそうものなら、
追尾用ウォームホイールとウォームギアのクリアランスも傾きも
狂う構造である。同様に粗動モータ用平ギアもガリガリ・グチャ!
である。
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まさかの二分割メタル受け!
自動調芯ボールベアリングが入っています。
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南端部も二分割メタル受けだが、やや球座か
自動調芯ボールベアリングが入っています。
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何故こうなったのか?

この構造では、据え付け時以外の極軸調整が出来ない。
しかも、据え付け時でさえ、極軸を調整後に各ギアトレインの
アライメントを決めなければならない。
なんという構造だ!有り得ないぞ。
私が6時間調査をして、どう考えても、どうひねっても調整不可能だった。
もちろん、南端ピラーごと方位・高度調整など出来る構造物ではない。

<結論>

60年前の設計時、望遠鏡の極軸が何であるのか?
調整機構をどのように作るべきなのか・・・
誰も知らずに作ったと思われる。
地球の歳差運動とか、地震によるズレ、地盤沈下などなど。
全く考慮されていない。
それでも観望会程度はクリアできている。
3.11の時、北端ピラーが一部欠け、ドームがレールから外れたが、
極軸は岩盤に載っているピラーで守られた模様。

当時の機械屋さんを責めても仕方がない。
機械としては良く出来ています。

ベアリングを使っていないぞ
使っています。
60年前の設計時、直径1m越えのテーパーローラーベアリングは
無かった模様。NTNが1.15mの”超大径”ベアリングを作ったという
ヒストリーがあった。これ、ボールベアリングだろうねえ。
よって、
この望遠鏡、大きなベアリングが一切使われていないのです!

”まさかの二分割メタル受け”は、そのような時代背景があってのこと。
円筒コロぐらいは入っているかもしれないけどね。

軸構造に関しては2018年03月08日の記事、
”堂平の宇宙(そら)から12”で詳しく書いています。


良く見ると、ギア軸受けも全部メタル受けです。
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<機内配線整理を開始>

現状使われていないケーブルがゴチャゴチャと這いずり回っており、
実にうっとおしい。
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配電盤の中をチョキチョキぶった切った。
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今回はスター・トラッカーケーブルとBNCコネクタバーを捨てた。
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赤経軸エンコーダと、
絶対に動かしてはならない方位・高度、調整機構もどき。
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ドームは三井造船が昭和37年8月11日に納めた模様。
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今回はここまで。
2
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堂平の宇宙(そら)から9  堂平の宇宙(そら)から

堂平天文台91cm反射望遠鏡改イギリス式

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技師長の笠原です。
イヤ、この”改”ってところが大変で難儀するんですよコレハ。

スペックと経緯です。

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現在、月2回の定期保守を実施しているのですが、
1日で出来ることはごく僅かです。
少しずつ、チョットずつ悪い所を直して行きます。

2017年12月25日 主鏡カバー開閉電源用スライダック交換
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55年前の東芝製スライダックですが、もうボロボロでした。
右が交換した新しいものです。

主鏡の蓋は花弁式開閉機構となっています。
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ちなみに、これが副鏡部
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プライム焦点には2インチカメラが付くように改造されています。
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副鏡を取り外してコレクターレンズなどを入れますが、
上のホイストを使って行います。最近はやっていないようです。
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赤緯軸粗動機構はバランスウェイトの中に組み込まれています。
まずは、バランス崩れ対策。ロープも張ります。
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ウェイトの蓋をクレーンで吊って外します。
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キャットウォークへ退避
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これが赤緯軸の粗動モータです。
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分かりますかね?右下奥のギザギザクラッチ。
直動ソレノイドで粗動モータの動力を繋げたり、切り離したり
しています。
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赤緯軸ロータリーエンコーダがこんな所にあります。
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赤緯軸のスリップリング機構
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エンコーダケーブルは流石に直出しです。
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赤緯軸微動はタンジェントスクリュー式で、±2度しか動きません。
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何枚ものフロッピーメディアがディスク面クラッシュしていました。
今時はフロッピーメディアの取り扱いを忘れていても・・・
いや、もしかして知らなくても? 全く不思議ではありません。
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フォフォフォ、 露骨に書いてしまった。(V)o¥o(V)

動態保存が出来れば良いと言うけれど、
それってか〜なり大変なことですよ。55年前の機械ですから。
今日のドーム内は、−1.5℃と大した冷えではありませんでした。
それよりも、雪が凍結して道が怖いですよ。
本当にツルッツル!!
1
タグ: 堂平天文台

堂平の宇宙(そら)から8  堂平の宇宙(そら)から

堂平天文台のドーム部屋に三男の友人3人を連れて宿泊して来ました。
本当は3月31日(金)の予定でしたが、まさかの雪でときがわ町側
から施設閉鎖によるキャンセル要請にて中止。
運良く4月7日(金)が空いていたので速攻申し込み!

この日は春らしい良い天気で眺めも最高でした。
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彼らとは昨年の夏にキャンプにも行きました。
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三男は長いこと入間市天文クラブで活動していますが、
他の三人は初めての星見。
運良く夕方と22時頃に快晴に恵まれ、星を見ることが出来ました。
他の宿泊者が2家族おり、管理人さんからの要請で急きょ91cm
望遠鏡でミニ観望会を開催出来ました。
私が動態保存の維持管理メンテを行っているとは言え、今日はお客と
して来所した身分です。勝手に使う訳には行きませんが、
管理人さんからの要請と、常時立ち合いによって皆さんにも月と木星を
お見せ出来ました。シーイングが良く最高の木星が見られ、
みんな感動してくれました。


堂平天文台がある”星と緑の創造センター”はキャンプ施設です。
月に2回の定例観望会は開催されていますが、たとえドーム部屋に
宿泊したからと言っても、天体観望はできません。

え〜〜っ!?

ここに泊っても望遠鏡で見せてもらえないの?

晴れていても見せてもらえないの?

そーなんです。
予約制の定例観望会以外は見せてもらえないのです。
別途申し込めば特別観望会は有料(安いですが)で開催して頂けます。

でも、

ココに泊ったら、見たいですよねえ〜 晴れていれば!

勿体ない。
実にモッタイナイと思いませんか?
この辺りを改善すれば、もっと集客率が上がるだろうに。

そこんとこ、
なんとかしようと画策中です。

--------------------- 業務連絡 --------------------------

PC-9801のフロッピーディスクが壊れていました。
急きょ予備と交換して起動できましたが、フロッピーディスクは
必ず電源を入れてから挿入し、PC-9801の電源を落とす前に
取り出して下さい。今回もフロッピーディスクが入れっ放し
でした。着磁による故障です。

その他は正常稼働で、スリップリングによるエラーも無し。
以上。
--------------------------------------------------------

0
タグ: 堂平天文台

堂平の宇宙(そら)から7  堂平の宇宙(そら)から

技師長の笠原です。
私がブログでこれらの記事を書くのは、Nikon望遠鏡へのリスペクトと
後世への情報継承のためです。この望遠鏡は日本天文学の歴史そのもの
だと思っております。
なお、堂平天文台関連作業はボランティアではなく、私の会社である
有限会社エイエフテックが、ときがわ町(星と緑の管理委員会)から
正規に受注した仕事であります。


<堂平天文台91cm反射望遠鏡西側方向導入エラー修理業務報告書>


報告者:有限会社エイエフテック 笠原


・不具合発生状況

西側方向への天体導入に限り、赤緯軸リミット検出エラーや
エンコーダエラー、望遠鏡駆動系エラーが頻繁に出て使用に
支障がある。

・原因

詳細調査の結果、赤経軸スリップリング接点の経年劣化による接触不良
が多くの場所で発生していた。そのため、赤経軸スリップリングを経由
している赤緯軸リミット信号、赤経軸クランプ信号に影響が出ていた。

・故障の状況

東側へ向けて天体導入を行う場合やハンドボックス駆動を行う
場合にはエラーが出ない。西側に向けて赤経軸を動かす場合、
自動導入、手動駆動、ハンドボックス駆動に関わらず
赤緯軸リミットのエラーが出て望遠鏡が停止してしまう。
更に、関係ないはずのエンコーダ関連エラーも時が経つにつれ頻出
するようになった。

・修理結果

正常復帰した。
但しスリップリング接点という構造上、完全復活はあり得ず、
場所によってはチラチラと赤緯軸リミットエラーLEDが点灯したがる
傾向がある。

・技術的考察

赤経軸スリップリングは54年前のままである。
1992年にNikonによって制御系大改修が行われているが、その際、
旧来のリレーロジック回路からシーケンサ制御+PC9801による自動導入
システムに改修された。しかし、リン青銅で構成された
多点スリップリングは接点部が酸化して微小な電流を遮断してしまう
ことがある。数百ミリアンペアを必要としたリレー回路に対し、
シーケンサはDC24V , 10mA程度で動作している。そのため、
54年という歳月が経過したスリップリング接点には電流が少なすぎて
誤動作の原因となっている。今回のクリーニングで全接点を復活
させたが、そもそも微小電流用の接点機構でないため、
完全なる復活は望めない。

以下に作業ドキュメントを示す。

赤経軸スリップリングの位置はココ。
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イザとなれば直結すれば良い。
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赤経軸関連センサーはココ。
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この接点がやや浮いていたので矯正した。
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赤緯軸リミット信号関連はココ。
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3台のPC-9801で正常動作を確認した。
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全部で80接点ほどを使っており、全接点を4時間かけてクリーニングした。
その後、予備を含めた3台のPC-9801にて正常動作を確認した。

ではエンコーダエラーまで出現するのはなぜか?

エンコーダはドイツのハイデンハイン社の超高級品を使っており、
これがPC-9801へ直接入力されている。つまり、赤経軸スリップリング
は経由していない。エンコーダケーブル、コネクタ、カウントボードな
どは入念に何度も確認を実施しており、正常に機能している。

しかしながら、
赤緯軸リミットエラーと絡んで赤経軸エンコーダエラー、赤緯軸エンコーダエラー
が頻発するようになった。

原因はPC-9801の望遠鏡制御ソフトウェアの、エラートラップ処理にあると見た!

つまり、
軸リミット関連エラー処理とエンコーダ関連エラー処理が同じループに
記述されていて、シーケンサからのリミット信号パターン以外にも
チャタリングで発生したウソのエラー信号パターンを拾っている模様。
それがエンコーダ関連エラーという、実際には発生していないウソのエラー
メッセージを出していると思われる。
しかし、
このエラーを検知すると望遠鏡が止まってしまう。
エラー処理は正しく動作しているのだが、元々がウソの情報なので
止まってしまうのは困る。

そこで、
今回の赤経側スリップリングの接点を復活後、エンコーダ関連エラーが
出現するか執念深く調査した。
  |
  +−>全く発生しなくなった!

やはり、スリップリングのチャタリングでシーケンサがウソの情報を送り、
エラートラップが甘いPC-9801のソフトウェアが、出てもいないエンコーダ
関連エラーメッセージを出していたという事で間違いない。

本来は、
メカ関連のリミットエラー処理と、測定関連のエンコーダエラー処理は
分けて判断しなければならない。
おそらくは、同じエラー処理ループの中で羅列されているのだろう。

-------------------

以上により、
現在91p望遠鏡は全て正常に動作するようになっています。
昨年交換したPC-9801関連、シーケンサ関連も正常に動作していることを
意味するため、一安心と言った所である。

しかし、
真冬のドーム内作業は恐ろしく寒い。
全てにおいて地味な作業だ。
だが、これをやらずして全体のシステムを把握することなど出来る筈がない。
赤経軸にはウォームギア以外に2系統の平ギアが組み込まれているし、
赤緯軸はタンジェントスクリュー微動である。粗動は電動クランプで
切替てインダクションモータが担当している。
位置はハイデンハイン社のロータリーエンコーダが軸直結で読んでおり、
多大なるガタとロストモーション、撓み、バックラッシュを上手いこと
時定数を決めて自動導入を行っている。

例えば、
単純にE-ZEUSU化できるかと言えばノーである。
まず、赤緯軸がタンジェントスクリューと電動クランプの切替え機構だし、
何よりもこの大きさ、撓み、ロストモーション、バックラッシュなど、
机上の設計では計り知れないオバケが沢山潜んであるのである。

更に運営上の問題もある。
現在は”プロ機材”ではなく、ときがわ町から委託されている
”星と緑の管理委員会”が運営を行っている。
もちろん、担当の方は元国立天文台のプロであるが、マンパワーには
限界があるし、アマチュアのサポートスタッフが大活躍をして運営
出来ているのが現状である。

更にさらに、
この望遠鏡が54年も前のクラシック望遠鏡だということ。
各部を調査するほどに、これを自動導入でコンピュータ制御していることに
不安を覚えてくるのである。
たとえば、
指定点復帰を自動で行う際、ドームの淵ギリで停止させるのだが、
本当に停止するのだろうか・・・?

と、

天才技術者である私は思うのです。

ぶつかれば事故。
観望会中であれば責任問題にもなりかねない。
子どもたちの安全管理にも不安が大いにある。
いつも同じオペレータが使うとも限らない。

要はですね、
54年も前のクラシカル巨大望遠鏡を、25年目のコンピュータシステムで
自動運転していることの不安ですよ。

もう、プロ機材ではない。

如何に安全に、如何に確実に毎回の観望会を実施できるか?


そこじゃないかな?
いや、
関係者誰もがそう思っている筈です。
如何に安全、確実にイベントをこなせるか・・・
如何に簡単、低コストに運用ができるか・・・

そこんとこ、
間違わんよ〜にナビゲートするのも俺の仕事だ。
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