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だから光量中心がズレる。  オフセット斜鏡の光軸調整

先日”だからレーザとコリメータで位置がズレる。”と言う
記事を、恥を忍んで書きました。
https://sky.ap.teacup.com/eti_forest/981.html

その後、実際に撮影できる機会に恵まれ、実際の星で更に
光軸を”追い込んだつもり”で撮影をしました。
300FNのリアルオフセット量は4.95[mm]と測定されました。
斜鏡に黒点を打ち、まずはコリメーション・アイピースで合わせ、
次にレーザで合わせ、両者のズレが無くなるまで斜鏡の
繰り出し量を調整してFixとしていました。
これで概ね満足な星像を叩き出しており、実用上問題を感じま
せんでした。

ところが・・・

ASI183MM_ProでNarrowBand、特にHαの撮像を行ったときに問題が
発生しました。LRGB、O3、S2では殆ど目立たないのですが、
Hα画像だけは星像の乱れが無視できないレベルで発生。
よーく見れば、他のフィルターでも言われればそうかなあ?
レベルで星像が乱れているような気がします。

そこで考えました。
ニュートン反射の場合、多少のオフセット斜鏡だったとしても
画面右側の光量が落ちます。しかし、光軸中心の最も明るい位置
を検出することが可能です。
昔と違い現在はCMOSカメラのLVが使えます。
これを使って光量中心(真の光軸中心)を見つけます。

300FN(30.5cmF4 , fl=1220[mm])+ASI294MC_ProのFLAT
クリックすると元のサイズで表示します

ヒストグラム切り詰め
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これは最終調整後ですから完璧な状態ですが、m4/3よりも大きな
素子では、もうこれ以上光量の偏りを気にしても仕方がない
というレベルです。

それでは、最大限ヒストグラムを切り詰めてみます。
クリックすると元のサイズで表示します

この光玉中心が真の光軸中心です。(これは最終調整後)
撮像素子に対する光玉の位置は、実は斜鏡の傾き調整が一番影響を
及ぼします。主鏡を調整しても、このレベルでは殆ど動きません。

さてさて、

先日の調整で、レーザとコリメーション・アイピースで完璧に
光軸を合わせたつもり(見た目上)で撮像に臨みました。
ASI183MMは1インチ素子でASI294MCよりも小さいですが、
例のN.I.N.AでPlateSolveテスト時の画像を見ての通り、十分に
シャープに写せました。

例えば、このM64のように。
クリックすると元のサイズで表示します

翌日は雲数が多かったので、リアルスターで光軸を更に合わせ込もう
として、ハマリました・・・

思った以上に光軸が合っておらず、主鏡調整だけでそれなりの
星像まで追い込んだつもりでした。
そして、先日アップしたM20を撮像した訳ですが、
実はこの画像、画面左上の星像が乱れていて使えなかったため、
やむを得ず正方形で切り出した次第です。

その後、ヒストグラムを最大に切り詰めて光玉を見たところ、
なんとASI294MC_Proを使って尚、画面1/4ぐらい左斜め上へ
ズレておりました。
リアルスターで合わせ込んだ筈が、かえって悪化した
ということです。

なぜか?

考えました。

そーか!

さてはドローチューブ中心線が主鏡の主光軸と斜鏡のオフセット交点
と交わっていないのだな!っと気が付きました。
それは、十分に考えられる製造上のエラーです。

そこで、

ここからがミソです!

ASI294MC_Proを付け、フラットを撮像しながらヒストグラムを
最大限切り詰めます。SharpCap3.2のサークルも出しておきます。
大きくズレています。
斜鏡の調整ネジを使ってサークル中央に来るように調整します。

次に、

それではレーザを使って光線がどう出るか見てみました。
うーん、主鏡センターマークから2cmくらい左へズレています。
なるほど、そういうことか。
どうやら、ドローチューブ中心がやや主鏡寄りにズレているようです。

そこで、

光玉を合わせ、レーザを確認と数回繰り返し、
光玉が写野中心、かつ、レーザが主鏡センターマークへ照射される
位置で固定しました。

次に主鏡を調整してレーザが戻って来るようにしました。

そして、

最後にコリメーション・アイピースで確認をしたところ、
斜鏡オフセットポイントから1.5mm程度左側にズレていました。
と言うことは、1/√2で1mm程度、斜鏡を主鏡側へ動かしたことに
なります。この状態で、実質的な斜鏡のオフセット量は約6mm。
測定値と1mm程度違いますが、どうやらこれが正しい配置の
ようです。

ちなみに、ドローチューブから見た斜鏡と主鏡です。
ほぼ同心円状に見えるようになりました。

ただ、ドローチューブ位置に対して必要なオフセットが
施されていない場合、同心円には見えない筈です。
本当にこれで良いかは、後日検証が必要です。

追記:同心円ではダメです。

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R200SSのように、メーカが斜鏡のオフセット量を公開していれば
良いですが、それでも、ドローチューブの中心線という魔物が
存在します。

結局、

・斜鏡のオフセットを測定して黒点を打つ。

・コリメーション・アイピースで光軸調整をする。

・レーザで確認し、ズレているならば再度コリメーションアイピース
 で調整をする。

・レーザとコリメーション・アイピースで一致するまで追い込む。

・CMOSカメラのFLAT画像ヒストグラムを最大限切り詰め、光玉の
 中心を写野中心に持ってくる。(斜鏡を調整)

・光玉が写野中央、かつ、レーザが主鏡センターに落ちるまで
 斜鏡を調整する。

・レーザが戻って来るように主鏡を再調整する。

・コリメーション・アイピースで確認する。
 この段階で、既に光軸が合っているため、コリメーション・アイピースで
 再調整はやらない。この時、斜鏡のオフセット量が黒点から多少
 ズレていても、実は、そここそが真のオフセット配置位置である。

主鏡の主光軸と斜鏡面の交点とドローチューブの中心線。
この3つが完璧に一致すれば良いのです。
つまり、コリメーション・アイピースとレーザと光玉が全部一致する
と言うことです。

昔のF8以上の鏡筒と異なり、オフセット斜鏡ニュートンの光軸を
完璧に合わせるのは難しいです。
しかし、
現在はCMOSカメラのLVがあり、ヒストグラムを最大限切り詰める技が
使えます。これで、リアルスターを使った光軸調整をやる必要が
無くなるでしょう。

なにしろ、

リアルスターでの光軸調整だって、主鏡と斜鏡を微調整するのが
本来の姿です。先日のように、主鏡だけ微調整してなんとかなる
というものではありません。 F4鏡筒は!!

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