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人権条例「修正提案 あり得る」 '05/12/29
▽有識者懇話会で鳥取県副知事
鳥取県人権侵害救済条例の問題点を指摘してもらう県主催の懇話会が二十八日、鳥取市であった。大学教授ら十一人の有識者が参加。座長役の藤井喜臣副知事に対し、条例の円滑施行に協力が不可欠とされる県弁護士会の幹部を中心に、異論が噴出した。
県弁護士会の松本光寿会長は過料などの行政罰を「行き過ぎ」と批判。同じく安田寿朗副会長も「弁護士が入れば運用で乗り切れるというが、誤りなく処理するのは不可能」と疑問を投げ掛けた。河本充弘副会長は行政機関の調査拒否権について、刑務所での人権侵害事案を示唆し「必要な所が救済されない」と問題視した。傍聴席では県議会会派「清風」の議員二人が聞き入っていた。
藤井副知事は席上、条例改正案提案の可能性について「個人的には今のままでは条例の円滑施行は難しいと思う。(条例改正は)基本的に議会の役割だが、執行部から修正提案することもあり得る」と語った。次回は来年一月七日の予定。
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年の瀬によいニュースです。
ネット発の有志による広報活動がじわじわと浸透しつつあり、行政側の焦りが感じられます。その焦りが暴走したのが、人権条例を制定した
太宰府市の言論弾圧事件です。ネットでの反対運動に過剰に反対した結果恥をさらした事件ですが、この事件によって潮目が変わったような感じを受けます。
有志の活動状況
http://heart.jinkenhou.com/
http://tottori.jinkenhou.com/
■ザル条例―運用では補えず
鳥取人権条例ですが、
地元の弁護士会ですら「運用で乗り切るのは無理」と判断するようなザル条例です。太宰府市の例をみても、法律をしらない素人(県や市の職員を含む)が適切に人権条例を運用することは不可能に近いことが分かるでしょう。
なにせ、何が「人権侵害なのか判断できないのですから」。
個人的な感覚で「人権侵害」を判断することは許されませんから、そこには明確な基準(条文)が必要なのです。明確な基準がなければ、社会通念上「行き過ぎな運用」があっても、条例上は違法行為ではないことになってしまう。これは恐ろしいことなんです。
■基準が曖昧な恐怖
人権委員は議会の同意を得て知事が任命することになっていますが、知事にしろ議員にしろ永遠にその職にあるわけではありません。対立する派閥の知事が当選し議会の多数派が替われば、
人権条例によって政治的な弾圧が行われる可能性もあります。
人権団体の「票」を期待している議員もいるようですが、特定団体が人権条例を握ったら、将来的には「あなた」を切り捨て、仲間の人間を議員とすると思います。
対立する候補の「家族」「後援会」などを標的にして、人権条例違反をでっち上げれば、政治的に抹殺することも夢ではない。これはマスコミも同様です。新聞記者の「家族」や新聞社の「スポンサ」ーを狙って人権条例違反をでっちあげることで批判を封殺することができます。
なんら権力のない一般企業ならもっと簡単です。
ストレートに社長や重役を狙ってそれをやればいい。
それで折れなければ、取引先の会社に人権条例を適用する。鳥取人権条例では
「匿名での通報」も可能になっていますから、実質的にどんなところでも調査に入れるんです。押収した資料を捏造することも可能です。
パソコンを押収してハードディスクに
児童ポルノを仕込む。押収物件から児童ポルノが発見されたという情報が流れるだけで社会的評価はがた落ちとなります。
調査を拒否されたら「過料5万円」「氏名や法人名を公表」すると。
でもこれで終わりじゃないんです。「匿名通報が可能な条例」ですから、次の週にでも「別の人権侵害事件」で調査することが可能なんですね。これを拒否したらまた5万円と氏名の公表です。こういうことも条例上は可能なんです。毎週5万円徴収されるとなると、一般市民なら簡単に生活が破綻してしまいます。
こういうことを避ける為に、条文による歯止めが必要なのであって「そういう運用はしない」と言っても、運用する人間は替わるわけですから意味がないのです。
■想像力の欠如
鳥取県議会でこのような事例が話し合われた形跡はありません。
要するに「想像力が欠如」しているんです。
人権条例の牙が、自分や家族、後援会など応援してくれる人に向かってくるという発想がないんですね。
部落解放同盟や朝鮮総連などが人権条例を後押しているのは、政治的に利用可能だからなんです。「人権条例と外国人参政権」をセットで考えれば、その目的がわかってくるでしょう。
弁護士会が条例の修正が必要だと主張するのも当然ですが、弁護士会の改正案にも実は問題があります。
■条例修正の罠―行政機関を人権条例の対象にすると…
弁護士会は行政機関も人権条例の対象にするような改正案を出しています。この場合想定されているのは、警察関係になりますが、弁護士と警察というのはいわば「敵同士」という面があります。その
弁護士が人権条例を振り回して警察の内部の調査を始めたらどうなるでしょう(笑
刑事事件における弁護士というのは、いわば「お金を貰って刑を軽くする仕事」です。匿名の通報や被疑者の訴えをもとに、条例で認められた権利として、警察官個人を調べることが可能となります。これは職業倫理上も条例にも違反していない行為となりますが、「特定の人種や団体」に対して警察権力が及び腰になる可能性が高くなりますね。
警察関係に限らず、例えば、生活保護費用が適正につかわれているかどうかの調査に行ったときに
、「俺が部落民だから毎月くるんかい!」などと逆切れされ、差別的言動があったとして
職員が条例違反に問われる可能性もあります。
なぜこういうことが起きるのかというと、条文上運用する側がなんら制限なくフリーハンドで調査に着手することが可能であり、調査を拒んだだけで「過料」や「氏名の公表」などが恣意的に行えるからなんです。
■修正ではなく廃止へ
これまでの片山知事の発言や、副知事の発言を見ると、少なくとも「修正」はされるでしょう。しかしながら仮に弁護士会の意見を取り入れて修正したとしても、上記のように
「新たな問題」が出てくるわけです。
そもそも「県や市のレベル」で国民の基本的人権を制限するような条例をつくるというのが、分不相応だったということはできます。実際問題として弁護士会にダメ出しされた条例を
”素人が運用”するのは難しいでしょう。修正について議論したならば、法律を知っている弁護士会が有利でしょうから、行政に不利な条例に変化することでしょう。
弁護士というのは単に
「法律屋」であって、社会正義を実現する意思とは無関係になれる職業です。そういう弁護士に警察組織をかき回すことができる権力を与えることが適当かどうかは、鳥取県議会の判断になるでしょう。
人権条例を「廃止」すればどこにも問題はないわけですから、ここは廃止したほうが傷は浅くすむと思います。
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