■加藤紘一がダメな理由−思想的バックボーンの考察
媚中派として有名な
「加藤紘一」という政治家の思想背景を、その著作から探ってみました。
私が一浪の後東京大学法学部に入ったのは一九五九年。当時は、岸信介内閣が六〇年安保改定に向かう最中で、学内には反対する大キャンペーンの強烈なエネルギーがあった。
(略)
友人の中には、学生のうちはデモに参加し、卒業したら転向すると宣言しているものもいたが、東北出身の不器用な気風の私としてはそう簡単に割り切れずに思い悩んでいた。デモには1〜2回参加し、樺美智子さんが国会の通用門での混乱の中で圧死した時も、国会周辺にいた。
(新しき日本のかたち P58)
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要するに、加藤氏は大学でサヨク系思想にかぶれていたわけです。その思想を引きずったまま、外務省にはいり、香港総領事館で副領事として勤務していたころ、中国では悪名高き「文化大革命」が勃発ししました。加藤氏はその時の光景をこのように語っています。
ほぼ内乱に近いような状況で、ある日中国南部で大洪水が起きた。広東市から香港に通じる珠江(じゅこう)も大氾濫が起き、その結果、文革の乱闘で犠牲になった死体が流れてきた。当時大ヒットした映画「慕情」でラブロマンスの舞台となったレバレスベイという美しい港に死体は流れ着き、それを目指して多くの鮫が集まってきて遊泳禁止になったのを強烈に記憶している。
そして、この時、自分の中で整理がついた。
「ああ、社会主義とはこういうこともあるのか」
少し残っていた中国やソ連に対する幻想もそこで消えた。
(新しき日本のかたち P60)
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と、一応、共産主義・社会主義に対する「幻想」は消えたと書かれています。
しかし不思議ですね。
加藤氏が「暴力をもって市民を制圧する中国の政治体制」に幻滅したとすれば、今現在「媚中派」であることが説明できません。というのも、暴力で市民を制圧する共産党独裁体制は未だに続いているからです。天安門事件、法輪巧弾圧、チベット虐殺、東トルキスタン問題、中国共産党による虐殺と圧制は未だに続いていますね。
つまり、原因と結果という因果関係で考えると、
加藤氏の主張は支離滅裂と言う以外にないのです。幻想は消えたけれども、何らかの理由で中国に媚びなければならない理由でもあるのでしょうか。
■反中国という世論の形成
日本の国内で反中国の世論が盛り上がっているのは、中国共産党という「暴力団」が日本国の政治に介入してくるという危機感からなんです。いわゆる親中派の政治家がネットで嫌われているのも、
中国共産党という暴力団に利益を供与する政策を語るからなんですね。
しかしながら加藤氏はこのことが理解できていないので、トンデモな分析をしています。
そんなナショナリズムの興隆が何に基づいているかを分析すると、二つの要因に思い当たる。 そのひとつは、中国の一人勝ちに対する僻みと反発だ。現在の中国は経済で一人勝ちで自信をもっているのに対し、日本は自身をなくし、将来のビジョンもなくしている。そういう状況に対して苛立っている。二つ目は、何かあるとすぐ「歴史」とか「教科書」を掲げて、新しいカードを出してくる中国に対するいらだち。しかも靖国にしても教科書にしても、実は問題のきっかけを起こしているのはかなりの部分日本なのである。ところが、日本は常に中国が火をつけていると思っている。そこに錯誤がある。
(新しき日本のかたち P88)
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これが媚中派である加藤紘一議員の限界なんですね。
当然ながらこの
分析はかなり幼稚(調べれば簡単に分かることを無視しているレベル)であるだけではなく、明確に間違っています。
ネット上で議論される中国の問題点は、(1)中国共産党の暴力的政治体制、(2)日本国内における中国人犯罪の増加、(3)反日教育や暴動、(4)経済発展による環境破壊、(5)エネルギー効率の悪さ(石油がぶ飲みによる世界経済への悪影響)、(6)エネルギー不足(水不足や電力不足)、(7)多発する暴動、などなどです。
これらから導き出される
結論は
「中国はいずれ崩壊する」もしくは
「中国は分裂する」というものであって、まとめると
「中国に未来はない」というものです。経済発展をしている「中国が妬ましい」という分析はほとんどみられません。
東アジアニュース+ 参照のこと
■日中間の貿易
そもそも中国の経済発展というのは、資本財・中間財(原材料や工作機械、加工部品など)を日本から輸入して加工することで成り立っています。すでに
「中国が儲かれば日本が儲かる」仕組みになっているので、日本が中国を羨ましがる理由はありません。ちなみに、その中国製品はアメリカにも輸出されているので、貿易摩擦の構図は「日米」から「米中」へと変化しています。
日本側から見れば、加工先はインドでもベトナムでも構わないわけです。ネット上でも
この程度の議論は日常的におこなれているので、少なくとも「2ちゃんねる」などの掲示板や、政治ブログ界で「中国一人勝ち論」を筆者は見かけた記憶はありません。そういう意見があったとしても、非常に特異な意見であって、多数意見でないことは確かです。
■加藤先生、現実をみましょうよ
現実問題として、中国から日本へ密入国してくるものは沢山いますが、その逆は聞いたことがありません。加藤氏はどのような資料を見て、日本人は中国に対して「ねたみ」や「ひがみ」といった感情をもっていると分析したのでしょうか。まったく不思議でなりません。
対中国に対する強硬世論は、
中国人犯罪や、中国共産党という暴力団に対する防衛本能からきているものですから、いわば文句のつけようがない
「健全なナショナリズム」なんですね。日本は先進国であり、日本国民は理知的ですから、「企業が金を儲ける為に中国人犯罪を容認」したり、「中国共産党という暴力団の政治介入を許さない」という真っ当な意見なんです。
日本国内の世論すらまともに分析できない(情報を集める能力がない)加藤紘一議員が、外交問題に介入すると国家が滅びる可能性もあるので、できれば大人しくしていてください。
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