残業の日々で帰宅も遅くなりがちですが、一週間の仕事納め=金曜日の夜、は精根尽き果てていますので、ちょっとリッチに(笑)、東京のサラリーマン時代には絶対に経験できなかった、夢の(?!)「タクシー帰宅」を実行しています。
市中心部にある「労働公園」の側を通りがかった時、交通警察が「停車しろ」の合図をしています。どうやら「検問」のようで、この通りを走るタクシーは片っ端捕まっています。昨日乗ったタクシーは車体がエメラルドブルーの新型仕様で車内も割りと綺麗でした。運ちゃんはタクシー業を開業してまだそれほど経っていない様子です。
運ちゃんは下車を命じられ、トランクを空けさせられ、タクシーの営業許可証をチェックされるも、全て本物と確認されたようで、1,2分で車内へ戻ってきて再出発となりました。
この検問、要は偽タクシー(日本式に言えば「白タク」、中国式に言えば「黒車」)の取締りです。その後の帰路は運ちゃんと、この「偽タクシー」問題を話題に話しました。彼曰く、大連の市中心部を走る「偽タクシー」は全タクシーの20〜30パーセントを占めるそうです。
「偽タクシー」開業に当たっては、必要不可欠な「3点セット」があります。
1、料金表示メーター
2、タクシーの営業許可証
3、車の外装
外見、つまりパッと見を正規タクシーと「瓜二つ」にする必要があるということです。
1は窃盗で手に入れるそうです。営業を終え、夜間、路上駐車してある正規のタクシーを狙い、車上荒らし、盗むそうで、最近は営業終了後のタクシー車体管理も大変との事です。この盗んだメーターは他人に転売されるそうで、大連の闇取引相場(?!)では約800元前後だそうです。
2も車上荒らしで手に入れたものをカラーコピーで複製、写真を張り替え、ラミネート加工すればOK。
タクシーの営業許可証ですが、大連のタクシーは助手席前に掲示が義務付けられており、この規則は中国の他の都市に比べて結構遵守されていると思います。この制度、利用者としては安心ですが、正規タクシー運転手にしてみれば、盗まれる際、メーターとは違い、簡単に、手間隙かからず盗られるので、目を離す暇がありません。助手席空けて手を伸ばし、「ヒョイ」で盗られますからね。「用足し」一時停車の際などは、逆に気を引き締めなければ(笑)なりません。
3も簡単。「拝金主義」が確立している中国です。外装請負会社としては仕事が入る=稼げることがまず重要。顧客の正体、経緯、チェックなどは必要、興味共にありません。「カネが入る、入らない」ただそれだけの事です。
ということで「偽タクシー」の開業は決して難しくないそうです。
ではタクシーを利用する客側から考えて見ます。
このタクシーの真偽(?!)問題、利用者としてみればはっきり言ってどっちでも良いんですよね。正規タクシーでも「態度が悪い」、「運転が荒い」、「遠回り」、「釣り銭ごまかし」、「釣り銭偽札渡し」をやってくるのは日常茶飯事だし、偽タクシーとはいえ何一つ不満の無い「大人の」対応をしてくれるタクシーもある。荷物が多い時は降車時、手伝ってくれる日本の一部タクシー以上のサービスをしてくれる偽タクシードライバーすらいます。
タクシーの真偽などは関係無いんです。中国は「縁故主義」国家です。交通警察に知り合いがいれば全てにおいて無罪放免。真偽より要はタクシーの運ちゃんの質=全ては「人の質」が問題ということです。「運ちゃん」が「中国人」であるか、それとも「支那人」であるかということだけです。
正規=全て良い、偽者=全てダメ
これは日本的視野。中国ではこうは割り切れない。あくまで自己分析、「自分の目」が必要です。ここが平等公平至上主義、平和ボケ日本人にとっては難しい点です。
大連のタクシーは前述の通り、助手席前に掲示が義務付けられており、料金表示メーターも利用者の目が届くところに設置されているので、中国諸都市の中でも比較的安全に利用できる傾向にあります。中国語がダメ、流暢ではない外国人一人客でも「料金交渉制」を吹っ掛けられるわけでもなく、無難に空港から市中心部まで、だいたい35元前後で送り届けてくれます。
この中国語がダメ、流暢ではない外国人一人客でも現地人価格で(?!)、無難に送り届けてくれるという、日本では当たり前(!)、中国では「嬉しい」(?!)サービスに一役買ってくれているのが大連より片道空路1時間(ソウル)、一日5往復就航(ソウル)、大量に流入されている韓国人の方々でして、彼らは中国人ではなく「支那人」ドライバーに「遠回り」、「釣り銭ごまかし」、「釣り銭偽札渡し」等の「騙された」「ナメられた」態度を取られたと判断するやいなや、平気で運ちゃんに対して手を出してくるそうです。
「手を出す」事は明らかに悪い事ですが、「無法者に対しては無法(毅然とした態度?!)で返す、その結果、無法は減る、無法は控えざるを得ない」こういう良い傾向をもたらすことも「発展途上国」相手ではあるということを学ぶ必要があります。日本人、韓国人共に黙っていれば運ちゃんにとっては判断付きにくいですからね。
安易な一回の妥協は次回の、永遠の妥協・悲劇に繋がります。対中ビジネス・交渉の教訓の一つと言えるでしょうね。福田前首相わかります?もう手遅れか。
最後にこの「運ちゃん」曰く、真偽(?!)タクシーの見分け方です。
1、料金表示メーターの取り付けが雑(周囲に接続コードがむき出し=素人工事。最悪料金不正表示改造の疑いも有り)
2、助手席前のタクシー営業許可証不掲示
3、施設によってはタクシー入車の際、出入口(門)にて営業許可証の一時預けが必要だが、その際、運ちゃんが入車を拒む、または営業許可証ではなく、自身の身分証明書等、別の「証明書」を預ける。
とまあこんな場合がまず偽タクシーだと熱弁を奮ってくれましたが、日本人なら中国お上の「正規証明書」の類なんて興味・価値・信用なんて無いでしょ。
タクシーの真偽云々より、「態度が悪い」、「運転が荒い」、「遠回り」、「釣り銭ごまかし」、「釣り銭偽札渡し」・・・。こんな事をしない「文明司機(wenming siji)」にただただ出会いたいものですね。
いないか・・・。
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参考記事:
「乗車拒否2回で許可証取り消し」、タクシーに新規定―上海市
2008年2月11日、上海でタクシーの新規定が設置されたと新聞晨報が伝えた。これにより乗車拒否や違法な運賃の請求などが一掃されるかもしれない。
旧正月はタクシーにとってもかき入れ時だが、短距離での利用をいやがるタクシーは少なくない。空港で長い列に並びようやく乗車しても、タクシー運転手から突然「急用ができた」と乗車拒否されることも。運賃を上乗せして請求してくるケースやメーターを倒さないケースも多いという。
上海市交通執法総隊はこうした状況を受けて、空港、駅、繁華街や観光地などでタクシーの違法行為取り締まりを強化している。また、上海市では、全市でタクシーの違法行為取り締まりとサービス品質向上を狙ったキャンペーンを実施している。これにより、乗車拒否などの規定違反を年間2回行なったり、50元以上または正規料金の倍以上の運賃を請求した場合にはタクシー運転手としての許可証を取り消されることになる。タクシー会社も法的な責任を負うこととなり、年間2か月連続で違反車両が4%を超えた場合、当該タクシー会社の一部またはすべての車両の運行が停止、悪質な場合には経営権も取り消される場合があるという。
http://www.recordchina.co.jp/group/g15554.html
乗車拒否や遠回り、悪質タクシー運転手の氏名をメディアに公表―上海市
2008年9月11日、「東方早報」によると、上海城市(都市)交通行政執法総隊は10日、9日夜に市内陸家嘴地区で実施した違反タクシーの取締りの結果、摘発された悪質なタクシー運転手11人の氏名をメディアに公表した。悪質運転手の氏名公表は今回が初めて。
9日夜の取締りでは、1時間あまりの間に乗車拒否をした違反タクシーが続々と見つかり、交通隊員が行う違反手続きを待つタクシーが長蛇の列を作った。交通行政執法総隊は、これら違反タクシーのなかでも悪質な運転手11人の氏名と所属会社、車両ナンバーを「上海交通網」などのニュースサイトや報道各社に公表。さらに罰金200元(約3000円)と15日間の営業停止処分を下した。営業停止期間中、運転手には城市交通試験センターが行う特別教育クラスへの参加が義務づけられ、最終試験に合格した者だけが職場復帰できる。
氏名を公表された11人は、混雑する南京路を避けるために「南京路は知らない」と客に答えた運転手や、度重なる違反で営業許可を取り消されていたにもかかわらず運転していた者、近距離の客に「あと2〜3人、同乗者を連れて来い。1人50元(約750円)ずつ払ったら乗せてやる」と言い放った運転手など悪質なケースばかり。上海市では2010年の世界博開催に向けて「おもてなし」の街づくりを目指しており、外国人観光客からも苦情が出ている悪質タクシーの摘発は今後も続けられる見込み。
http://www.recordchina.co.jp/group/g23841.html
<タクシースト>各地で相次ぐ、待遇改善や白タク一掃求める―中国
2008年11月10日、海南省三亜市と甘粛省永登県で、待遇の改善や違法タクシーの締め出しを訴えたタクシー運転手がストライキに突入した。新華網が伝えた。
三亜市には約1200台のタクシーがあるが、そのほとんどがストに参加した。同市では、タクシー会社に支払う車両リース代を今年1月1日から、ピークシーズンの10月から翌3月は月8000元(約12万円)、オフシーズンの4月から9月までは月4800元(約7万2000円)と定められていたが、実際にはシーズンを問わず毎月7200元(約10万8000円)が徴収され、不満を訴える運転手が多かった。また、違法営業の「白タク」に対する取締りの甘さや、運転手の不安定な身分も問題となっていた。タクシー会社との契約は通常5〜8年だが、最近では一気に1年更新に減らされるケースが増え、運転手達の間で改善を求める動きが高まっていた。
また、永登県では県内280台のタクシーのうち、160台がストに参加。同県でも、違法なバイクタクシーや白タクが野放し状態にあり、厳しい取り締まりが求められた。中国では、3日にも重慶市で約1万6000台のタクシーストがあったばかり。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081111-00000017-rcdc-cn