2013/12/2 14:47
ジェフ千葉は負けちゃいましたね(泣)。来年もJ2で5年目です。二年連続で5位、プレーオフを勝ち抜けず、J1昇格ならずです。今年は夏の水戸戦と群馬戦の二試合しかフクアリには行けませんでしたが、来年もまた出来るだけ生観戦に足を運び、喜作の美味しいソーセージを食べながら応援したいと思います。
さて、前々回の続きで、11月3日(文化の日・日)に大連で行われた、2013年中国サッカー・スーパーリーグ公式戦第30節(最終節) 「大連阿爾濱(だいれんアルビン)」vs「杭州緑城(こうしゅうりょくじょう)」の生観戦記です。後半の様子と総括を記したいと思います。

後半のキックオフです。

「杭州緑城」のセットプレーです。これまた「無観客試合」ではありませんよ(笑)。

試合の行方を見守る岡田監督です。

後半68分、PA内で「杭州緑城」のDFを引き付けた于大宝(FW、25歳、背番号22、中国代表)から絶妙のパスが出て、ナビル・バハ(モロッコ、FW、32歳、背番号15、元モロッコ代表)がシュート、GKは手に当てるも防ぎきれずに決まりました。

「1:0」となりました。

後半80分に「お役御免」となった于大宝です。

最後まで全力を尽くす岡田「杭州緑城」ですが、試合はこのまま終わって「1:0」で「大連阿爾濱」の勝利。最終戦、それもホームでの試合を勝利して今シーズンを終えました。
以下の写真は中国のサイトの転載です。

この日、ゴールを決めたナビル・バハ(モロッコ、FW、32歳、背番号15、元モロッコ代表)です。奥さんが2人の子供を連れ、見に来ていましたが、凄い美人でした。

于漢超(MF、26歳、背番号40、中国代表)と、岡田監督がユースから昇格させ、今やチームに欠かせない選手となったその中の一人、石柯(DF、20歳、背番号5)です。

不可解な判定に抗議する岡田監督です。

今シーズン最終戦、そしてホームでの試合を勝利し、挨拶に行くイレブンをサポーターは発煙筒を焚いて迎えます。
今シーズン(全16チーム)の「大連阿爾濱」は11勝11敗8分け(勝ち点44)で、昨年同様、第5位でフィニッシュ。またもACL出場には届きませんでした。一方の「杭州緑城」は8勝12敗10分け(勝ち点34)、第12位でフィニッシュです。
次に、「杭州緑城」で岡田監督と共に戦った日本人「七人の侍」です。

本日12月2日付け大連地元紙『半島晨報』では岡田「杭州緑城」スタッフの「質」の高さを報じています。見出しは「杭州緑城スタッフは皆、一国一城の主へと旅立った」とあります。

小野剛コーチ(監督)です。第一アシスタントコーチ、リザーブチーム監督、U-20監督を務めました。四年に一度の中国版オリンピック「第12回全国運動会」では「浙江省U-20」を率いて第3位でした。今後はJ2「ロアッソ熊本(中国語:熊本深紅)」の監督ですね。

池田誠剛フィジカルコーチです。「前韓国オリンピック代表フィジカルコーチ」とも紹介されています。「杭州緑城」と洪明甫(ホン・ミョンボ、韓国代表史上最多の136キャップ、元ベルマーレ平塚、柏レイソル)監督率いる韓国代表のコーチを掛け持ちしていましたが、今後は韓国代表のフィジカルコーチに専念です。韓国代表は前任の崔康熙(チェ・ガンヒ)監督が率いていた時、代表チームにフィジカルコーチがいなかったというのは初めて知りました。

石崎信弘U-18監督です。「第12回全国運動会」では「浙江省U-18」を率い、決勝戦で倉田安治監督率いる「遼寧省U-18」との日本人監督対決を実現するも敗れ、準優勝でした。「前柏レイソル監督」とも紹介されていますね。今後はJ2「モンテディオ山形(中国語:山形山神)」の監督復帰ですね。来シーズンは小野「ロアッソ熊本」との対決が実現で、「杭州緑城」の中国人サポーターからの注目も高そうです。

通訳の鈴木稔さんです。『キャプテン翼』に影響を受け、25歳の時に日本でサッカー2級審判員の資格を取得したそうです。中国語は北京語言大学で学んだと報道されています。前職は雑誌関係の仕事をしていたとのことですので、ぜひこの「太くて短い」2年間の経験を本にまとめて出版していただきたいと切に願います。

二階堂悠コーチです。技術分析担当で、U-18チームのアシスタントコーチでもありました。

武藤覚コーチです。アシスタントコーチで、リザーブチームのアシスタントコーチも務めました。

島村芳崇フィジカルトレーナーです。
次に、11月20日に杭州にて行われた、岡田監督の退任記者会見の様子です。既に通訳の鈴木稔さんの姿はありませんね。岡田監督と「杭州緑城」との関係は完全に切れたわけではなく、若手育成に関わるようです。






「杭州緑城」の外国籍選手ですが、大黒将志、マゾーラ(ブラジル、元浦和レッズ)、金東進(キムドンジン、韓国)の3名は退団、ダビ・クロード・アンガン(コートジボワール)、ルカ・ジンコ(スロベニア)の2名は残留、と報道されています。
そして後任監督ですが、今シーズン途中まで「青島中能」を率いた張外龍(チャン・ウェリョン、韓国、元「大連阿爾濱」、大宮アルディージャ、コンサドーレ札幌、ヴェルディ川崎)の名が挙がっています。岡田監督がコンサドーレ札幌を率いていた時のコーチであり、「杭州緑城」の監督就任の折には当時、「青島中能」の監督をしてたこともあって、何かとアドバイスを貰っていたようです。ソースはこちら(1)、(2)です。日本語ペラペラですしね。

11月26日付け大連地元紙『半島晨報』(A13ページ)の記事ですが、見出しは「杭州緑城の新監督に張外龍(チャン・ウェリョン)が候補として挙がっている」とあります。後日、否定する記事も見られましたが、「朝令暮改」の国なのでどうでしょうかね。

今年の第8節(5月4日)、青島での張「青島中能」vs岡田「杭州緑城」の「師弟対決」の一コマです。
岡田監督が「杭州緑城」に残した最も大きなものとは「人材」だと思います。後藤新平(台湾総督府長官、満鉄総裁、外務大臣)は、
1、「金を残して死ぬ者は下。仕事を残して死ぬ者は中。人を残して死ぬ者は上。」という名言。
2、年功序列ではなく能力主義、それも30代、40代の若い優秀な人材を満鉄副総裁、理事、要職に就け、「午前八時の男でやろう」というスローガン。
3、徹底した調査主義。
で中華圏での大事業に臨みました。岡田監督は非常に共通点が多く、ユースから多くの選手をトップチームに引き上げ試合で使う。拝金主義、縁故主義という中国のお国柄の慣例を破り、実力主義を掲げ、出身地や年齢にとらわれず、誰にでも平等のチャンスを与えたのは、ここ中国では「革命」でした。自立、規律を重視し、破った者にもまた平等にペナルティを与える。これらが実行されれば俄然、選手は変わってきますよ。資金的に厳しいチームも育成と創意工夫で戦う。結果的に2シーズンで共に1部残留を果たし、若手の育成、発掘という将来に繋がる仕事も成し遂げたのですから、これは「勇退」と言っても過言ではありません。

岡田「杭州緑城」を象徴するシーンとは何か、私はこの今シーズン開幕戦(3月10日、「長春亜泰」戦)のこのシーンに尽きると思います。「山東魯能」からレンタルの選手、高迪(MF、23歳、背番号6)が得点を決めた時に見せたパフォーマンスです。昨シーズンは出場わずか2試合、総出場時間73分、1得点の選手を開幕戦に抜擢し、彼は見事、得点。期待に応えました。お辞儀パフォーマンスはインテルの長友佑都選手がイタリア(ヨーロッパ)に一気に広めましたね。

私はこの高迪のお辞儀パフォーマンスを見た時、冗談抜きで彼は「支那人」共に殺されると本気に思いました。2012年9月に、杭州も含む中国全土起きた反日暴動から半年しか経っていないのに、中国人が日本人に対してこの行動。若気の至りでは済まないだろうなあと思っていましたが、この心配は全くの杞憂に終わりました。何も無かったのです。いかに岡田監督の手腕が一目置かれていたかがわかる「現実」だと思います。

一方で、前中国代表監督カマーチョ(スペイン)に対する仕打ちです。最後、協会からは空港へ見送りに来る人間は一人もおらず、寂しい帰国となったばかりか、こちら中国でNo.1サッカー雑誌を自称する『フットボールウィークリー(中国語:足球周刊)』誌は6月18日号の表紙にデカデカと「NO CAMACHO(カマーチョはもうたくさんだ!)」と書きました。いくらなんでもやりすぎでしょ。これでは後任監督も決まらないというものです。
岡田監督は中国サッカー界がまさに今、進むべき方向性とは何かを明白に示した「パイオニア」としての存在感たっぷりに中国を去りました。「記録より記憶に残る監督」。今後の岡田監督の活躍にも期待したいと思います。
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さて、前々回の続きで、11月3日(文化の日・日)に大連で行われた、2013年中国サッカー・スーパーリーグ公式戦第30節(最終節) 「大連阿爾濱(だいれんアルビン)」vs「杭州緑城(こうしゅうりょくじょう)」の生観戦記です。後半の様子と総括を記したいと思います。

後半のキックオフです。

「杭州緑城」のセットプレーです。これまた「無観客試合」ではありませんよ(笑)。

試合の行方を見守る岡田監督です。

後半68分、PA内で「杭州緑城」のDFを引き付けた于大宝(FW、25歳、背番号22、中国代表)から絶妙のパスが出て、ナビル・バハ(モロッコ、FW、32歳、背番号15、元モロッコ代表)がシュート、GKは手に当てるも防ぎきれずに決まりました。

「1:0」となりました。

後半80分に「お役御免」となった于大宝です。

最後まで全力を尽くす岡田「杭州緑城」ですが、試合はこのまま終わって「1:0」で「大連阿爾濱」の勝利。最終戦、それもホームでの試合を勝利して今シーズンを終えました。
以下の写真は中国のサイトの転載です。

この日、ゴールを決めたナビル・バハ(モロッコ、FW、32歳、背番号15、元モロッコ代表)です。奥さんが2人の子供を連れ、見に来ていましたが、凄い美人でした。

于漢超(MF、26歳、背番号40、中国代表)と、岡田監督がユースから昇格させ、今やチームに欠かせない選手となったその中の一人、石柯(DF、20歳、背番号5)です。

不可解な判定に抗議する岡田監督です。

今シーズン最終戦、そしてホームでの試合を勝利し、挨拶に行くイレブンをサポーターは発煙筒を焚いて迎えます。
今シーズン(全16チーム)の「大連阿爾濱」は11勝11敗8分け(勝ち点44)で、昨年同様、第5位でフィニッシュ。またもACL出場には届きませんでした。一方の「杭州緑城」は8勝12敗10分け(勝ち点34)、第12位でフィニッシュです。
次に、「杭州緑城」で岡田監督と共に戦った日本人「七人の侍」です。

本日12月2日付け大連地元紙『半島晨報』では岡田「杭州緑城」スタッフの「質」の高さを報じています。見出しは「杭州緑城スタッフは皆、一国一城の主へと旅立った」とあります。

小野剛コーチ(監督)です。第一アシスタントコーチ、リザーブチーム監督、U-20監督を務めました。四年に一度の中国版オリンピック「第12回全国運動会」では「浙江省U-20」を率いて第3位でした。今後はJ2「ロアッソ熊本(中国語:熊本深紅)」の監督ですね。

池田誠剛フィジカルコーチです。「前韓国オリンピック代表フィジカルコーチ」とも紹介されています。「杭州緑城」と洪明甫(ホン・ミョンボ、韓国代表史上最多の136キャップ、元ベルマーレ平塚、柏レイソル)監督率いる韓国代表のコーチを掛け持ちしていましたが、今後は韓国代表のフィジカルコーチに専念です。韓国代表は前任の崔康熙(チェ・ガンヒ)監督が率いていた時、代表チームにフィジカルコーチがいなかったというのは初めて知りました。

石崎信弘U-18監督です。「第12回全国運動会」では「浙江省U-18」を率い、決勝戦で倉田安治監督率いる「遼寧省U-18」との日本人監督対決を実現するも敗れ、準優勝でした。「前柏レイソル監督」とも紹介されていますね。今後はJ2「モンテディオ山形(中国語:山形山神)」の監督復帰ですね。来シーズンは小野「ロアッソ熊本」との対決が実現で、「杭州緑城」の中国人サポーターからの注目も高そうです。

通訳の鈴木稔さんです。『キャプテン翼』に影響を受け、25歳の時に日本でサッカー2級審判員の資格を取得したそうです。中国語は北京語言大学で学んだと報道されています。前職は雑誌関係の仕事をしていたとのことですので、ぜひこの「太くて短い」2年間の経験を本にまとめて出版していただきたいと切に願います。

二階堂悠コーチです。技術分析担当で、U-18チームのアシスタントコーチでもありました。

武藤覚コーチです。アシスタントコーチで、リザーブチームのアシスタントコーチも務めました。

島村芳崇フィジカルトレーナーです。
次に、11月20日に杭州にて行われた、岡田監督の退任記者会見の様子です。既に通訳の鈴木稔さんの姿はありませんね。岡田監督と「杭州緑城」との関係は完全に切れたわけではなく、若手育成に関わるようです。






「杭州緑城」の外国籍選手ですが、大黒将志、マゾーラ(ブラジル、元浦和レッズ)、金東進(キムドンジン、韓国)の3名は退団、ダビ・クロード・アンガン(コートジボワール)、ルカ・ジンコ(スロベニア)の2名は残留、と報道されています。
そして後任監督ですが、今シーズン途中まで「青島中能」を率いた張外龍(チャン・ウェリョン、韓国、元「大連阿爾濱」、大宮アルディージャ、コンサドーレ札幌、ヴェルディ川崎)の名が挙がっています。岡田監督がコンサドーレ札幌を率いていた時のコーチであり、「杭州緑城」の監督就任の折には当時、「青島中能」の監督をしてたこともあって、何かとアドバイスを貰っていたようです。ソースはこちら(1)、(2)です。日本語ペラペラですしね。

11月26日付け大連地元紙『半島晨報』(A13ページ)の記事ですが、見出しは「杭州緑城の新監督に張外龍(チャン・ウェリョン)が候補として挙がっている」とあります。後日、否定する記事も見られましたが、「朝令暮改」の国なのでどうでしょうかね。

今年の第8節(5月4日)、青島での張「青島中能」vs岡田「杭州緑城」の「師弟対決」の一コマです。
岡田監督が「杭州緑城」に残した最も大きなものとは「人材」だと思います。後藤新平(台湾総督府長官、満鉄総裁、外務大臣)は、
1、「金を残して死ぬ者は下。仕事を残して死ぬ者は中。人を残して死ぬ者は上。」という名言。
2、年功序列ではなく能力主義、それも30代、40代の若い優秀な人材を満鉄副総裁、理事、要職に就け、「午前八時の男でやろう」というスローガン。
3、徹底した調査主義。
で中華圏での大事業に臨みました。岡田監督は非常に共通点が多く、ユースから多くの選手をトップチームに引き上げ試合で使う。拝金主義、縁故主義という中国のお国柄の慣例を破り、実力主義を掲げ、出身地や年齢にとらわれず、誰にでも平等のチャンスを与えたのは、ここ中国では「革命」でした。自立、規律を重視し、破った者にもまた平等にペナルティを与える。これらが実行されれば俄然、選手は変わってきますよ。資金的に厳しいチームも育成と創意工夫で戦う。結果的に2シーズンで共に1部残留を果たし、若手の育成、発掘という将来に繋がる仕事も成し遂げたのですから、これは「勇退」と言っても過言ではありません。

岡田「杭州緑城」を象徴するシーンとは何か、私はこの今シーズン開幕戦(3月10日、「長春亜泰」戦)のこのシーンに尽きると思います。「山東魯能」からレンタルの選手、高迪(MF、23歳、背番号6)が得点を決めた時に見せたパフォーマンスです。昨シーズンは出場わずか2試合、総出場時間73分、1得点の選手を開幕戦に抜擢し、彼は見事、得点。期待に応えました。お辞儀パフォーマンスはインテルの長友佑都選手がイタリア(ヨーロッパ)に一気に広めましたね。

私はこの高迪のお辞儀パフォーマンスを見た時、冗談抜きで彼は「支那人」共に殺されると本気に思いました。2012年9月に、杭州も含む中国全土起きた反日暴動から半年しか経っていないのに、中国人が日本人に対してこの行動。若気の至りでは済まないだろうなあと思っていましたが、この心配は全くの杞憂に終わりました。何も無かったのです。いかに岡田監督の手腕が一目置かれていたかがわかる「現実」だと思います。

一方で、前中国代表監督カマーチョ(スペイン)に対する仕打ちです。最後、協会からは空港へ見送りに来る人間は一人もおらず、寂しい帰国となったばかりか、こちら中国でNo.1サッカー雑誌を自称する『フットボールウィークリー(中国語:足球周刊)』誌は6月18日号の表紙にデカデカと「NO CAMACHO(カマーチョはもうたくさんだ!)」と書きました。いくらなんでもやりすぎでしょ。これでは後任監督も決まらないというものです。
岡田監督は中国サッカー界がまさに今、進むべき方向性とは何かを明白に示した「パイオニア」としての存在感たっぷりに中国を去りました。「記録より記憶に残る監督」。今後の岡田監督の活躍にも期待したいと思います。
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投稿者:dalian4649